11月8日、阪神・秋季キャンプ第2クール4日目。午前11時過ぎから始まった守備練習(シートノック)を見て、そんなことを感じた。岡田改革の一つに“二遊間の守備強化”があった。関西系メディアやローカルTV局に出演する際、「守備位置を固定する」と話していたが、具体的な選手名は挙げていない。
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「フェニックスリーグに行っている選手もいるし…」
甲子園球場での秋季練習中、中堅以上の主力選手しか見ていないことを理由に挙げ、明言を避けてきた。
しかし、フェニックスリーグに参加していた若手が合流した秋季キャンプに入っても、岡田監督は沈黙を守ったままなのだ。
「秋季キャンプ前、ショートの新レギュラー候補に小幡竜平を推す声がありました。岡田監督の元にもフェニックスリーグでの活躍ぶりが報告されていました」(在阪記者)
第2クール4日目のシートノックを見ても、期待の大きさが窺えた。
ショートでノックを受けていたのは、小幡と木浪聖也の2人。小幡が先で、木浪が2番目だった。大学、社会人を経てプロ入りした木浪の方が出場試合数は圧倒的に上だが、先にノックを受ける方がレギュラー扱いされるものだ。
だが、キャンプ2日目(11月3日)のこと。岡田監督は木浪を指して、「けっこう強いな、肩。それはちょっと再発見やな。思っている以上に…」と、褒めていた。
それを伝え聞いた木浪は「試合に出たい(気持ち)が一番」と、素直に喜んでいた。
「秋季キャンプ前、木浪はセカンドにコンバートされる予定でした。岡田監督が『肩の強さ』に気づいて、以後、ショートに回されたんです。矢野(燿大)監督の時代、中野拓夢にショートのレギュラーを奪われてしまいましたが。木浪はセカンド、ショートのどちらでも構わないから試合に出たいと思っています」(関係者)
ノックの順番では“控え”だが、主に二軍首脳陣が推す小幡を差し置いて、木浪がショートのレギュラーに返り咲く可能性もある。
また、21年盗塁王の中野だが、こちらもセカンド転向が伝えられている。現在は侍ジャパンのメンバーとしてチームを離れているが、5日の日本ハムとの強化試合では「二塁手」で出場した。
「岡田監督が大事にしているのは“二遊間の呼吸”です」(前出・同)
ショートの小幡は動かさないとして、「小幡・中野」「木浪・中野」「小幡・木浪」のどのコンビがベストなのかを見た後で、レギュラーを決定させるのではないだろうか。
「来年春のWBCに中野が招集されたら、二遊間コンビは決まらず、見切り発車となるかもしれません」(前出・在阪記者)
シートノック中、岡田監督は三塁ライン付近に立ち、ジッと考え込んでいた。担当記者団とのフリートークでは外国人選手の獲得についても語っていたが、「2023年のチーム像」はイメージできていないようだった。(スポーツライター・飯山満)