各報道によると、阪神の二塁レギュラーが固まっていないこと、強打の右打者を欲していたことから白羽の矢が立ったという渡邉。ネット上の阪神ファンからも期待が寄せられているが、中には「打撃はよさそうだけど守備がなあ…」、「守備も気合入れてやらないと今季後半みたいに干されそう」といった厳しい見方も少なからずあった。
>>阪神・西、今オフのFA退団は避けられない? 流出予想相次ぐワケ、因縁の岡田氏“襲来”で向かう新天地は<<
渡邉は今季までに「447試合・.257・28本・145打点」といった通算成績を残している二塁手。2019年にはレギュラーとして132試合に出場し2ケタ本塁打(11本)をクリアするなどパンチ力には定評がある。
ただ、打撃の一方で守備には難があり、今季までに通算37失策を記録。今季は8月に新庄剛志監督から「二塁ノックの守備でポロポロポロポロしている」と練習段階からミスが多すぎることを問題視され、同月9日に二軍降格とされると、その後は一軍に呼ばれないままシーズンが終了している。
一方、新天地となった阪神は渡邉の打撃力に期待を寄せる一方、16日に就任会見を行った岡田彰布新監督は会見の中で「エラーの数もそうですね、そのへんがね、ちょっとね」、「一番痛いのはスローイングのエラー。いかにキャッチボールからやるか。アウトにできるものを確実にアウトにする」とコメント。5年連続リーグワーストとなっている失策数改善へ、軽率なミスには厳しい姿勢を打ち出している。
「岡田新監督はトレードが成立した18日に取材に応じた際、渡邉について『結構見てたんや。左ばかりだから右は貴重。ある程度レギュラーも張っていた。二塁とかの戦力として考えている』と監督就任前から注目していたこと、二塁戦力として期待を寄せたことが伝えられています。来春キャンプ・オープン戦にかけ相応のチャンスを与えることが予想されますが、渡邉はオフの間に守備力をどれだけ改善できるか、キャンプイン後にどれだけアピールを行えるかが来季を大きく左右するでしょう。ただ、新庄監督を怒らせた守備難が新天地でも露呈するようなら、一気に居場所を失う可能性も否定はできないのでは」(野球ライター)
岡田新監督は渡邉も含めた二遊間の選手の起用法について「(シーズンの)80%以上の固定やで。そんな二遊間をぼんぼん代えられんよ」、「どういうコンビを組ますかは最終的には(来年)2月になると思うよ」と、これと決めた選手を固定する考えを明かしたことも伝えられている。一度アピールに失敗すれば、来季は一年を通じて二軍幽閉という事態に陥る可能性も否定はできないだろう。
「阪神タイガースの一員として、早く認めてもらえるよう全力でプレーしたいと思います」と、日本ハムを通じて新天地での活躍を誓うコメントを出している渡邉。岡田新監督のお眼鏡にかなうプレーを見せることはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人