だが、昭和末期から平成初期にかけて、テレホンカードは安価に作れる、表面部分に自由に写真をプリントできる、という利便性が評価され、「テレビ番組の視聴者プレゼント」「賞品」「アイドルグッズ」といった様々な形で流通。結果的に全国で「テレホンカードコレクター」なるマニアも現れ始め、中でも希少性の高いカードは高額で取引されていた。
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そのブームの波は、高校生以下の若い世代も巻き込み、一大ムーブメントを築き上げていった。
そんなカードマニアの学生が「累計650万円」ものカードを盗み出し、書類送検または補導されるという信じられない事件が、1987年(昭和62年)に発生した。
主犯となったのは6名の高校生であった。
彼らはもともとテレホンカードやオレンジカードの熱心なコレクター仲間であったが、初めの頃は自分のお小遣いで購入できる分のテレホンカードを買っていたが、やがて価値の高いプレミアム品が存在する事に気が付いた。その後、彼らはプレミアム付きのカードを手に入れるためカードの万引きを始めるようになり、都内のチケット売り場からテレホンカードの冊子を盗み出した事に味をしめ、次々とカード販売店の事務所を荒らし、テレホンカードを奪って行ったのだ。
また、彼らは他のテレホンカード仲間からも注文を請け負っており、短期間の間に「窃盗ビジネス」も構築していたようだ。
当然、このような大々的な犯行が許される訳もなく、カード盗みに加担した少年グループは警察へ摘発されたのだが、驚くべきことに彼らが盗み出したテレホンカードは約650万円相当分で、数万枚のテレホンカードが押収されたという。
コレクター魂が生んだ恐ろしい犯罪であった。