問題となっているのは、横綱・照ノ富士対大関・御嶽海戦の終了後に飛び出た発言。照ノ富士が勝てば自身7回目の優勝、御嶽海が勝てば4名(照ノ富士、小結・大栄翔、平幕・隆の勝、平幕・佐田の海)での優勝決定戦に突入という大一番だったが、立ち合いすぐに両まわしを得た照ノ富士が危なげなく御嶽海を寄り切り優勝を決めた。
取組終了直後、北の富士氏は完敗を喫した御嶽海に対し「こんなもんか。気迫が違ったね」と笑い混じりにコメント。また、この後中継でリプレー映像が流された際にも「反対だね形が。大関がこうならなきゃいかん。(照ノ富士が)絶対負けないっちゅう体勢だ」と、何としても横綱を倒すというような気迫が全く見えなかったと苦言を呈した。
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北の富士氏のコメントを受け、ネット上には「御嶽海へのリスペクトに欠ける発言に聞こえた」、「いくら不満でも『こんなもんか』なんて言い方はないだろ」、「御嶽海のことをあからさまに馬鹿にしてて不快」と批判が寄せられた。
一方、「北の富士だけじゃなく、結構な数のファンが『こんなもんか』って思っただろうな」、「カド番に転落した理由がよく分かる覇気のない相撲だった」、「鼻で笑われるのも当然、それくらい今場所は今日も含めて酷かった」といった同調の声も多数見られた。
「今場所の御嶽海は前半8日間で『4勝4敗』と苦戦すると、その後も調子は上がらず14日目に8敗目を喫し負け越し・カド番転落。横綱相手に大関としての意地を見せられるかに注目が集まった千秋楽も、立ち合いから簡単に回しをつかまれ、そのままなすすべなく敗戦しました。不振の理由としては“早々に優勝争いから脱落したことでモチベーションが失われた”、“表に出ていない故障を抱えている”などが考えられますが、いずれの理由にせよ場所を通じてほとんどいいところがなかったという事実から、北の富士氏以外にも『こんなもんか』とため息をついたファンは少なくなかったようです」(相撲ライター)
先場所(11勝4敗)、先々場所(13勝2敗)からは一転して不振にあえいだ今場所の御嶽海。負け越しなら関脇転落となる次の7月場所(同月10~24日)で、カド番脱出のために適切な策を打つことはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人