大関・正代と対戦した豊昇龍は、ほぼ同時に地面についたように見えたが、行司は正代に軍配。物言いもつかなかったが、豊昇龍は判定が不服だったのか、取組後の一礼を首をわずかに傾けただけで終え土俵を降りた。
これを受けネット上には豊昇龍に同情の声も挙がったが、それ以上に「礼を欠く行動で見てて不快だった」、「去年も同じようなことやってたのに…いつになったら態度良くなるのか」と無礼な態度だと批判するコメントが相次いだ。
>>大相撲、小結・豊昇龍の取組後の表情に「見てて不快」と批判 解説も疑問、不可解判定に不満抑えられず?<<
豊昇龍が土俵上で見せた態度が問題視されたのはこれが初めてではない。2021年9月場所4日目の大関・貴景勝戦では、行司から注意も受けている。
貴景勝に突き落としで敗れた取組後の一礼で、豊昇龍は前方の貴景勝を見ないまま首をわずかに縦に振るとすぐに土俵を降りようとした。すると、これを見た行司は軍配を持っていた右手を振りながら豊昇龍を呼び止めると、そのまま徳俵の前に戻し再度一礼をさせる。この光景に「負けて悔しいのか知らんが不貞腐れるのはよくない」などとネットでは苦言が相次いだ。
同場所の豊昇龍は、8日目の小結・逸ノ城戦でも取組後の振る舞いが問題となった。立ち合い直後に左に回り込み右下手をつかんだ豊昇龍は、同時に左上手を得た逸ノ城から強引な上手投げを食らう。それでも体を密着させてこらえると、下から突き上げるような寄せで逆襲し逸ノ城を寄り切った。
ただ、豊昇龍は土俵外に出た逸ノ城にさらに諸手突きを見舞うと、その直後には右手を小さく、鋭く前に突き上げるような仕草を見せる。一連の振る舞いに対し、ネット上には「ダメ押しした上にガッツポーズするとはなんて奴だ」などと失望の声が寄せられた。
2021年11月場所11日目の平幕・翔猿戦では、豊昇龍が取組後に見せた表情が物議を醸している。豊昇龍は翔猿の引き押しをいなしつつ両まわしをつかむと、そこから一気に翔猿を土俵外へ寄り切り勝利。寄り切られた翔猿はその勢いで土俵下に落下し、伊勢ケ濱審判部長(元横綱・旭富士)に覆いかぶさるようにぶつかった。
すると、豊昇龍は転落した翔猿を土俵上で3秒ほどにらむように凝視。ネット上には「土俵下に落とした相手をさらににらみつけるなんて」と驚きの声が挙がったが、中には「翔猿や伊勢ケ濱親方のことを心配してたのでは」と心配のまなざしだったのではという指摘も散見された。
歴代4位の優勝25回をはじめ数々の記録を打ち立てた一方、取組後のダメ押しやガッツポーズなどで度々物議を醸した朝青龍氏(元横綱)を叔父に持つ豊昇龍。良くも悪くも叔父の血筋を色濃く受け継いでいるともいえるが、今後めざしていく横綱は、実力はもちろん品格も重要視される地位であるため、22歳とまだ若い今のうちに態度を改めておく必要もありそうだ。
文 / 柴田雅人