伝統派空手(糸東流)で世界の頂点に輝いた長野は、現在は女優、看護師、TikTokerとして活動。3月19日の東京・両国国技館でプロレスデビューを果たしたが、タッグマッチ(鈴芽、遠藤有栖組VS宮本もか、長野組)で敗退。当初、2戦目以降の予定は白紙だったが、試合後に「負けたままだと終わりたくない」と涙で継続参戦を熱望。2戦目でいきなり前プリンセス・オブ・プリンセス王者の山下実優との一騎打ちというチャレンジマッチが組まれることに。
長野は「2戦目で相手が誰になるんだろうと、両国を終えてからずっとドキドキしてたんですけど。まさかの山下選手とのシングルマッチということで。最初それを知った時、心臓がドキッとしたんです。今まで“山下選手の蹴りを食らいたい”とか取材で言ってたんですけど、こんなに早く対決することになるとはって思いました。でも、私も5歳から空手をやって来てるので、やるからには今もてる力をすべてぶつけて、もう後悔がないくらいバチバチに闘って。負けたくはないので勝ちたいなって思ってます」とキッパリ。
極真空手出身の山下は「東京女子の中で空手をバックボーンに持ってるのが私、宮本もか、長野じゅりあ。シングルマッチはもっと先かなって思ったんですけど、2戦目で初シングルで戦うことになって、すごいワクワクしてます。デビュー戦でプロレスルールの中で、長年やって来た空手をあそこまでファイトスタイルとして出せてたのを見て、すごいなって純粋に思いました。あの試合を見てやりたいなって思ってました。空手VS空手ってイメージはもう多分ついて来ると思うので。空手のルールで技あり一本がありますけど、プロレスでも一本取って。上段回し蹴り、技あり一本で終わらせてやりたいなって思ってます」と迎撃態勢を整えていた。
デビュー戦での長野の打撃技を見た印象について、山下は「手刀だったり、一つ一つの技が自分が現役でやってなかったものだったんです。蹴りだったりも。だからすごい新鮮に感じました。だからワクワクしました。戦った時にどうなるんだろうって」と話し、長野の打撃技のスピードの速さに関して「自分が極真で組み手をやっていて、じゅりあさんは型で流派も違う中で。組み手をやってる身からすると、型をやってる人のスピード感ってすごいなって思った。やっぱり世界で結果を残してるっていうくらいのレベルだから、スピードは本当にすごいなって思いました。ただ当たらないと意味がないので、そこはもう闘ってみてですね」と試合をしながら分析していくとのこと。
逆に山下の印象について、長野は「山下選手の蹴りがすごく重いなってと思っていて。伝統派空手ってポイント制なので、相手を倒す蹴りではないんです。そこをプロレスっぽく改良して、相手にダメージを与える蹴りをやって来たんですけど。山下選手は長年相手を倒す蹴りっていうか、振り抜く蹴りをやって来ているので。そこが違うなっていう部分なんですけど。私もなんとか相手を倒せる蹴りを出せるように、山下選手の蹴りよりもっと強い蹴りを出せるようにしたいなって思ってます」と語った。山下から「上段回し蹴りで一本取る」と言われたが、長野は「ブラジリアンキックは上から下に振り落とす蹴りで、当てたらダメージも強いと思うので、出したいなって思います」と対抗意識を燃やしている。
荒井優希に続いて、長野じゅりあが団体の戦力になるためには避けられない一戦になりそうだ。
(どら増田)