メインイベントでは、スターダムとしてはレディ・C以来、1年4か月ぶりとなる所属選手のデビュー戦が組まれ、“19歳の新星”天咲光由(あまさきみゆ)が、林下詩美を相手にデビューした。先に詩美が入場し、天咲は後入場。天咲にはクイーンズクエストのAZMと上谷沙弥がセコンドに付いた。両者が握手してからゴングが鳴ると、ロックアップで組み合う。ここからはグラウンドの攻防や基本技の攻防が続き、詩美の厳しい攻撃を天咲が凌いでいく。観客も天咲に期待の手拍子や拍手を送り鼓舞するも、最後は詩美がコーナーからミサイルキックを放つと、ジャーマン・スープレックス・ホールドが決まり3カウント。敗れはしたが、天咲の限られた技の中でも感情剥き出しのファイトスタイルがファンの胸を打った。
試合後、詩美は「光由、デビューおめでとう!デビュー戦する前からツイッターのフォロワー6000人超えらしいです。こんな期待された新人、林下詩美以来じゃないですか。光由、今日デビュー戦して、楽しかった?」と天咲に振ると、「楽しかったです!」と大きな声で応える。すると「でも、クイーンズクエストに入れば、もっと楽しい試合、そして光由がめざしてる、てっぺん一緒に頑張れると思うんだけど、クイーンズクエストで一緒に頑張らない?」とQQに天咲を勧誘した詩美。天咲の答えは「デビューする前から私が入るのはクイーンズクエストしかないと思っていました!詩美さんの誘いなら喜んで受けます」とOKだった。断る理由がなかったのだ。
バックステージで詩美は「やっぱり自分のデビュー戦もすごい思い出しましたし、自分と同じようにデビュー前からすごく選手からも団体からも、ファンの人からも期待されて、自分にも気持ちはわかるんで、その分、光由には頑張ってほしいと思いましたし、光由にはそんなプレッシャーに負けるような子だとは思ってなかったので、すごく私も期待を込めて試合をさせてもらいました。もともと運動神経も良かったし、何よりもすごい表情から動きから空気から、勝ちたいとかプロレス頑張りたい、ホントにてっぺんで咲きたいという気持ちがすごく伝わりました」とデビューの相手を務めた選手としてコメント。
天咲は「ファンの頃に見ていたリングとはまた違って、自分のなりたい選手の像が出来上がってきたので、それに向かって頑張れるように一試合一試合、魂込めてやっていきたいと思っています。名前が“天に咲く”なので、一番リングでてっぺんに咲いているような選手になりたいです」と力強く前を向いて語った。
今後も生え抜きの新人のデビューが続いて来ると、スターダムの勢いはいよいよ手がつけられなくなりそうだ。
◆スターダム◆
『NEW BLOOD 1』
2022年3月11日
東京・品川インターシティホール
観衆 416人(超満員札止め)
▼天咲光由デビュー戦(15分1本勝負)
○林下詩美(11分52秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド)天咲光由●
(どら増田 / 写真・ブシロードファイト)