同団体では、プリンセス・オブ・プリンセス王者の山下実優、インターナショナル・プリンセス王者の伊藤麻希がPCR検査で陽性判定を受け、プリンセスタッグ王者の坂崎ユカ、同王座次期挑戦者の辰巳リカ、天満のどか、らくが濃厚接触者の可能性があるため、今大会を欠場。エースを始め主力6人を欠く非常事態に。
この日は全6試合が組まれたが、そんな中で出場した各選手が第1試合から奮闘。セミファイナルでは4月で卒業する小橋マリカがプリプリ王座次期挑戦者の中島翔子を相手にシングル戦で善戦健闘。あと一歩のところまで追い込んだが、中島のダイビング・セントーンで沈んだ。
そして、メインイベントでは瑞希、乃蒼ヒカリ、荒井優希組が渡辺未詩、愛野ユキ、鈴芽組と6人タッグマッチで対戦。6人が入り乱れた一進一退の目まぐるしい攻防が続いた。残り4分、荒井と渡辺が1対1となり、渡辺がジャイアントスイング、カナディアン・バックブリーカー、アバランシュホールドで攻め立てれれば、荒井もビッグブーツ、サソリ固めで反撃。残り1分を切ったところで、荒井がフルネルソンバスターからFinallyを狙うも、それを回避した渡辺がレーザービームから必殺のティアドロップに移行した。それをかわした荒井はビッグブーツを叩き込むも、ここでタイムアップのゴングが鳴り、両軍が死力を尽くした熱戦は引き分けに終わった。
試合後、瑞希は「決着がつかなかったのは悔しい。でも最後、優希ちゃんが心強くて、あとちょっとあれば勝ってた。今日は欠場の人がいっぱいで不安だなって。こんな時こそ応援してくれるみんなも一致団結して。できることはきっちりやって。いつでも休んで、いつでも戻って来れるくらいの世界にして。ずっと温かい、瑞希の好きな空間であってほしいから、みんなも一緒にいてください」とマイク。
最後は愛野が代表して、「東京女子プロレス、まだまだ突っ走るぞー!オー!」の掛け声で興行を締めくくった。
バックステージで瑞希は「しっかり取りたかったけど、でも優希ちゃんの成長を見れたし、ヒカリちゃんも力強くなってるし。負けてられへんなって。ユカっち(坂崎)のいないタッグって、あんまりないんだけど、新しい刺激をまたもらった」と話した。先輩相手に大奮闘した荒井は「急きょではあったんですけど、この3人はデビュー2戦目のサイバーファイトフェス(昨年6月6日)の時に一緒に出た2人で。久しぶりに組んで、成長した姿を見せられたのかなって思うとうれしいです」と笑みを見せた。新型コロナ感染からの復帰戦だった乃蒼は「不安だったんですけど、温かく迎えてくれて。みんな揃わなかったのは悔しいんですけど。国技館までの準備期間だと思って。休んだ分はきっちり取り戻せるようにして、帰ってくるみんなの場所を作って待ってるので。両国まで突っ走れたらいいなって思います」と語った。
団体として勝負を懸ける両国国技館大会(3月19日)まで、あと1か月。欠場者が戻って来るまで、残されたメンバーで一致結束した闘いを見せていくことになりそうだ。
(どら増田)