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中日、又吉への慰留資金を出し渋っていた? 球団が苦悩する財政難は人的補償の人選にも影響か

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 福岡ソフトバンクホークスにフリーエージェント(以下=FA)移籍した又吉克樹投手の人的補償として、岩嵜翔投手を獲得したことが中日球団から発表された(12月27日)。今季はクローザーも務めた実績十分のリリーバーの加入は、“堅実な補強”とも言える。しかし、今回の人的補償には、新生・立浪竜の“切実な事情”も秘められていたようだ。

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 「立浪和義監督は、本当に『又吉に残ってほしい』と思っていたようです」

 そんな声も多く聞かれた。

 又吉のソフトバンク移籍が決定したのは、12月13日だった。FA選手が公示された同8日時点から、ソフトバンク側は“ラブコール”を送っていた。それに至るまでの間、中日は慰留交渉も重ねてきたが、同時に聞こえてくるのは、「他球団の評価も聞いてみたい」という又吉の声。今季66試合、通算400試合に登板したセットアッパーの喪失は“確実”と見られていた。

 「又吉の中日での最終年俸額と、岩嵜の契約更改を合わせて考えると、なんとなく、見えてくるものがあるんですよね…」(球界関係者)

 岩嵜は20日にソフトバンク球団と契約更改を済ませている。現状維持、推定年俸6800万円でサインした。人的補償による移籍で更改された年俸額が減額されることはない。その「6800万円」を指して、こんな指摘も聞かれた。

 「又吉の今季年俸は4200万円でした。国内FA権取得と今季の活躍で昇給は必至でした。でも、中日が又吉に提示した新年俸は、1億円に届くかどうかのギリギリだったのではないか?」(前出・同)

 中日の外国人選手を含めたチーム総年俸は、20億5233万円(選手名鑑参考)。12球団中9位で、選手平均年俸に直すと、3364万円になる。これに対し、12球団トップのソフトバンクは総額41億円強、平均でも「約7000万円」という“バブリーさ”だ。

 もっとも、21年は新型コロナウイルスの影響でソフトバンクも人件費を抑え込んでいる。しかし、12球団ワーストの某チームとは平均年俸額でも「5000万円近く」の差がある。

 「近年の中日は球団経営が厳しく、新型コロナウイルスの影響でさらに財布の紐がキツクなったと言われています。又吉に慰留交渉時に提示した年俸額以上の選手は、獲得したくてもできなかったでしょう」(前出・同)

 慰留交渉時、又吉に提示された新年俸額は非公開。仮に2倍増が提示されたとしても、8000万円台だ。ソフトバンクには4年総額6億円で移籍する。年平均で1億5000万円、「他球団の評価を聞いてみたい」と言った気持ちも分からないではない。

 立浪監督と同世代のプロ野球解説者がこう続ける。

 「当初、又吉の人的補償については野手、地元出身のピッチャーなどさまざまな名前が挙げられていました。中日は世代交代の過渡期にあり、野手、投手のどちらにしても、若い選手を獲ると聞いていたんですが…。又吉の抜けた穴をピンポイントで埋めるような人的補償となりました」

 又吉の喪失は大きく、引き留めたくてもできなかったということだろう。岩嵜が活躍しなければ、立浪監督は苦しい状況に追い込まれる。コロナ禍による財政難が、22年シーズンの成績不振に直結したなんてことにならなければいいのだが。(スポーツライター・飯山満)

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