当時担当していた駐車場の警備員の証言によると、軽自動車が入ってきたのは事件が発生する直前の午後1時50分頃。別の場所で殺害された後、犯人が現場となった駐車場へ運び火をつけたと考えられる。警備員は運転手の顔などは見ておらず、どのような人物であったのかは不明だ。
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事件発生当日、同居していた知人の当時50代の女性と弁当を食べるなど、午後1時頃まで過ごしていた。その後、女性が近隣のパチンコ店を利用するということで、2人は店舗前で解散。パチンコ店近くのコンビニの防犯カメラには、遺体が発見されたときと同じ軽自動車を自宅方向に走らせる被害者の様子が映っていたものの、その後の足取りは分かっていない。
この事件には謎が多い。まず、現場となった病院駐車場から自宅は20キロも離れている。普段、被害者は車で遠くまで走らせることはない。また、被害者は現場となった駐車場の病院への通院歴はなく、入院している知人・親族などもいなかった。自宅から遠く離れた場所まで来てからトラブルに巻き込まれたのか、それとも自宅近くで殺害されてから遠くの現場まで運ばれたのかは不明だ。
そのうえ、知人女性と住んでいるが友人や知人は少なく、人付き合いはほとんどなし。知人女性との同居は、経済的な問題から生活費を折半するためだといい、交際関係や血縁関係はなかったという。その女性によると、被害者は他人から恨みを買うことは全くなかったそう。しかし、犯人は遺体や車に火をつけるなど、明確な殺意を持っていたとみられる。同居女性によると、唯一可能性があるとするならば、別の女性とのトラブルが考えられるという。事件前、被害者男性は出会い系サービスを利用していたそう。出会った女性と何らかのトラブルが発生したのか…明確な情報はないが、さまざまなうわさが挙がっている。
また、当時現場となった病院は規模が大きく、利用者も多い。軽自動車から火災が発生した当時も駐車場には人が多くいた。目撃されるリスクが高い場所でありながら、なぜその現場を選んだのかは不明。実際、駐車場の利用者からは「軽自動車から慌てたように去っていく30代くらいの女性」といった不審な女性の目撃情報が挙がっている。
被害者の私生活から、事件発生当時の状況まで謎が多いこの事件。警察は現在も情報提供を呼び掛けているが、未だ有力な情報は寄せられていない。現場から立ち去った女性は関係者であったのか、なぜ自宅から遠く離れた場所にいたのか。被害者のためにも、早急な事件解決を願う。