>>阪神・佐藤、無安打ワースト記録は指導力不足のせい? 他球団が見抜いた致命的弱点は優勝争いにも悪影響か<<
注目が集まっているのは1回表終了直後の佐藤の振る舞い。この回の佐藤はチームが2点を取りなおも2死一、二塁とチャンスで打席に入ると、DeNA先発・坂本裕哉からタイムリーを放つ。この一打が実に60打席ぶり(8月21日中日戦・第4打席以来)のヒットとなった佐藤は、その後2死一、三塁の状況で二塁へ偽盗を仕掛け、自身はアウトになったが三走・小野寺暖の本塁生還をアシストした。
阪神が4点を取った初回終了後、同戦の中継カメラは同僚たちとハイタッチを交わしながら自軍ベンチに戻った佐藤の様子を映し出す。佐藤はグラウンドに背を向けていたため中継カメラに表情は映らなかったが、一通りハイタッチを終えた後に右腕で顔を大きくぬぐう。また、この直後には右手で握りこぶしをつくり軽く右目に当てる仕草を見せた。
さらに、佐藤はそこから左手に持っていたタオルで再度顔をぬぐうと、右斜め後ろに体の向きを変えながら「フー」と大きく息を吐く。その後、そばに置いてあったペットボトルを手に取り水分を口に含んだ。
佐藤の振る舞いを受け、ネット上には「後ろ姿だから表情はあまり見えなかったけどもしかしてちょっと泣いてた?」、「ヒットの直後は笑顔見せてたけど、ベンチに帰った後に色んな感情が湧いて来たんだろうか」、「飲み物飲んだのも気持ちを落ち着けるためだったりしたのかな」、「1か月半も続いたノーヒットがようやく終わったんだからそりゃ泣きたくもなるよなあ...」といった驚きの声が寄せられている。
「佐藤は3日終了時点で59打席連続ノーヒットとセ・リーグワースト記録を更新し続けていましたが、長引く不振で精神的なストレスも大きかったようで、報道によるとノーヒットの期間には体重が1、2キロ減少したとのこと。ただ、5日の試合で遂に不名誉な記録に終止符を打ちました。本人が本当に泣いていたのかは不明ですが、長いトンネルをようやく脱出して込み上げるものがあったとしても不思議ではないでしょう。なお、本人は同戦後に不振を極めた日々を振り返り、『プロ野球は難しいなとすごく思いました』と率直な心境を吐露したということも伝えられています」(野球ライター)
試合後の報道では、矢野燿大監督が「本人的にも一本出て良かった。ほっとする一本じゃなく、いいきっかけにしていけるように」とさらなる復調を願ったことも伝えられている佐藤。5日終了時点で2位のチームは首位ヤクルトを1ゲーム差で追っているが、佳境に入りつつある優勝争いを牽引する活躍を見せることはできるだろうか。
文 / 柴田雅人