後半戦スタートの初戦、15日のスワローズ戦に先発登板した際も1点リードの6回、侍ジャパンのゴールドメダリストコンビ・山田哲人と村上宗隆を警戒するあまり、フォアボールでピンチを拡大しオスナに逆転タイムリーを許す。7回にはベイスターズキラーの塩見泰隆にもダメ押し3ベースを浴び敗戦投手に。「序盤はストレートで押していけたのですが、得点を許してしまった場面ではボールが浮いてしまいました。また、6回のツーアウトから山田選手、村上選手を警戒し過ぎてしまい、きわどいボールを見極められ、四球で歩かせてしまったことはもったいなかったです」と本人もくちびるをかんでいた。
22日も3点リードの7回に中田、ウィーラーに連続ホームランを浴び同点に追いつかれるなど結果がついてこないのが現状。「前回登板よりストレートの走りは良かったです。丸(佳浩)選手に本塁打を打たれた後は、うまく切り替えて大胆に投球することができました」と前半のピッチングについては納得の自己評価をしたが、「中田選手には序盤からストレートで攻めていたのでアジャストしてくるかもしれないと頭の中にはあった」としながらも「失投ではなかったのですがあの一球はもったいなかったです」と悔やんだ。
しかし両ゲームともマウンドを支配するピッチングを披露。ストレートは力強く、チェンジアップ、スライダーも切れ味十分。三振はともに9個を奪うなど内容はエースそのもの。フォアボールから失点した15日の登板後に「次回登板では無駄なフォアボールを出さないようしっかり調整したいと思います」とコメントした通り、22日は無四球としっかりと課題もつぶしている。また打席でも気合十分で22日には第一打席から野手さながらの粘りを見せ、4、6回にはそれぞれセンター、ライト前に弾き返しマルチヒットをマークし打率は.333。6回には4点目のホームを踏むなど、投打でチームに貢献していた。
残念ながらまだ3勝にとどまっているが、ボールの質は手術前と遜色なく見える。一つ歯車がかみ合えば、無双の連勝街道が待っていると信じたい。
写真・取材・文 / 萩原孝弘