侍ジャパンはオリックスのエースで、東京オリンピックの開幕投手を務めた山本由伸、韓国はコ・ヨンピョがそれぞれ先発したこの試合。勝てば最短で7日の決勝進出となるが、敗れれば5日にアメリカと再び準決勝で戦わなければいけない。
韓国について、「この前の試合も大量得点をしていましたし、勢いのあるチーム。打たれても連打を許さないなど基本をしっかりしていきたいです」と気を引き締めた。レギュラーシーズンと異なり、練習ができるのは公式練習の時間のみと制約はあるが、「その中で詰め込んで、やりたいことはできました。1試合1試合が大事な試合。とにかく勝って、決勝戦に行けるよう全力で戦います」と語っていた山本由伸は、初回にピンチを招くも5回まで無失点ピッチング。エースとしての務めを果たす。打線から2点の援護を受けたが、6回に無死二塁からカン・ベクホにタイムリーを打たれ1点差に迫られると、稲葉監督は阪神の岩崎優にスイッチ。岩崎はキム・ヒョンスにタイムリーを打たれ同点に追いつかれるが、後続は打ち取った。
7回と8回は北海道日本ハムのルーキー伊藤大海が1安打、3三振、無失点の快投を見せると、その裏、二死満塁から東京ヤクルトの山田哲人が走者一掃となるレフトフェンス直撃のタイムリーで一気に勝ち越し、最終回は侍ジャパンの守護神、広島の栗林良吏が無失点で抑えて、侍ジャパンが5-2で韓国に勝利。決勝進出を決めるとともに銀メダル以上を確定させている。
試合後、山田は「ボール1個分くらい差し込まれたというのはあったんですけど、狙った球が来たのでしっかり押し込めました。この状態を維持して決勝に挑みたい。金メダル獲得に貢献出来るプレーを決勝戦でもしたいなと思います」とコメント。好投の伊藤は「投げたい気持ちでブルペンで準備していました。2人で1つのアウトを取るつもりで大胆に行けました。打線にいい流れをという気持ちはありました。1球目から思い切って自分のボールを投げられました。(国際大会で)緊張感はあるけど、腹を括って行くしかない。投げたくてウズウズしている。だからこそ思い切って投げました」と笑顔を浮かべた。
稲葉監督は「(山本)由伸を行けるところまで行って、(7回は)あそこで左から始まれば大野をつぎこんで、右からなら伊藤と考えていた。7回、8回、右から始まり伊藤からということで、継投した選手がこの試合の重要性を分かっていて、粘り強く勝ってくれた。由伸もピンチを連続三振で切り抜け、(岩崎)優も難しいところで同点までで抑えてくれた。その後、伊藤が2イニングを抑えてくれた。みんなが後ろにつなぐピッチングをしてくれた」とピッチャー陣を評価。
決勝の相手はアメリカか?韓国か?5日19時から行われる敗者復活戦(準決勝)で決まる。
(どら増田 / 写真・及川恒平)