コミケは基本的に8月中旬、12月末の年2回行われるコミケは、日本最大の同人誌即売会として知られ、来場者数は延べ50万人を超える。
2019年冬の開催以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断したものの、1975年の第1回から50年近くの歴史を持つ伝統的なイベントでもあり、今回の復活を心待ちにしていたファンは非常に多かったと思われる。
>>テレビ局の「乱暴なお願い」に、コミケ主催者が苦言 テレビ番組制作の厳しい事情<<
そんなコミケだが今から30年前の1991年、新型コロナに匹敵する大事件がコミケを襲った。それが「コミケ幕張メッセ追放事件」と呼ばれる締め出し事件である。
コミケは1975年の第1回目の港区・日本消防会館会議室を皮切りに、開催規模を大きくし中央区・東京国際見本市会場、大田区・東京流通センターなど点々と移動してきた。
平成になってからも参加者は増え、1991(平成3)年8月には数十万人規模の収容人数を誇る幕張メッセでの開催を控えていた。
だが、幕張メッセでの開催は突如使用禁止を言い渡されてしまった。様々な社会問題の影響が要因としてあったという。
1989(平成元)年に発覚した東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件で「オタクの犯罪」がクローズアップされ、その年のコミケではスタッフがマスコミ対応に追われたほか、コミケで売られていた同人漫画本がわいせつ物に当たるとして、千葉地検に書類送検される事件もあった。
都内の20代会社員、漫画家4人が逮捕され前述の幼女誘拐殺人事件と併せてオタクバッシングが再度過熱。混乱を危惧した幕張メッセ側が開催拒否を運営側に言い渡した。
既に参加サークルの申し込みは終了しており、開催を待つだけだったために参加予定者は大パニックに。だが、運営側の迅速な判断により東京国際見本市会場で開催することを決定。日時変更なく開催することができた。
以来、コミケでは開場前に見本誌を1冊、運営側に提出し問題がないかチェックされるようになり、そのルールは今も続いているようだ。
「幕張メッセ事件」から30年。新型コロナウイルスの影響で半崩壊したコミケは2021年冬の復活開催を目指している。