麻生氏はかねてより漫画好きをアピールしており、「オタクの聖地」と呼ばれる秋葉原での演説を行ったことも。しかし、パフォーマンスの要素も大いに含まれていたと見る声も多い。実際に、大物アニメ監督である宮崎駿氏は麻生氏を批判している。
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宮崎氏は、2008年11月に日本外国特派員協会で行われた記者会見で、当時総理だった麻生氏の漫画好きぶりについて訊かれ、「恥ずかしいと思う。それはこっそりやればいいことです」とバッサリと切り捨てている。宮崎氏の発言の真意は、漫画好きを政治的なアピール材料に使う麻生氏を批判したと言えるだろう。
さらに、この発言の前に宮崎氏は、子どもたちを取り巻く環境がアニメ、ゲーム、携帯(電話)、マンガなどバーチャルなものに取り込まれていると批判していた。
そのため、宮崎氏の発言は麻生氏批判ばかりではなく、オタク全体へのバッシングと取ったネットユーザーも多く、「好きなものをアピールして何が悪いのか」と炎上してしまった。今からすれば考えにくいことだが、当時はそれだけ麻生氏を好意的に見る声が多かったと言えるだろう。
麻生氏はその後も国会でクールジャパンをテーマに演説を行うなど、サブカルチャーへの造詣の深さを見せている。ただ、一部ネット上では、麻生氏はその後に起こったオタクバッシングへの反論がなく、性表現規制へも積極的な姿勢を見せていたと指摘されている。やはり麻生氏にとっては、漫画は政治的アピール材料の一つというのが実際のところなのかもしれない。少なくとも、「オタクの味方」でなかったのは確かだろう。