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参院選最大の争点、物価高対策は「給付」か「減税」か

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野田佳彦氏の公式インスタグラムより

今回の参院選最大の争点は物価高対策だ。効果的なのは「現金給付」か「消費税減税」か、与野党で論戦が繰り広げられている。

現金給付にこだわり消費税減税を頑なに拒否するのが自民党。森山裕幹事長は「消費税を守り抜く」と講演で発言し批判を浴びた。自民党は公約として、国民1人当たり2万円の給付を盛り込み、子どもと住民税非課税世帯の大人に2万円を加算する。自民党は給付金にこだわる理由として、政策の“スピード感”を挙げる。消費税減税をするとなれば、法改正やシステム改修などで「1年かかる」(石破首相)と指摘する。

実際、現金給付のほうが早いのは間違いないが、自民党や財務省は、安定財源である消費税を手放したくないというのが本音ではないのか。森山幹事長の発言に真意が透けて見える。

与党である公明党は「給付も減税も」やると言っている。ただ、減税は消費税減税ではなく、所得税減税や奨学金返済額の一定割合を所得控除できる「奨学金減税」、ガソリンの暫定税率の廃止などを掲げている。

これに対し、野党はこぞって消費税減税を掲げているが、その内容は微妙に異なる。

立憲民主党は来年4月から食料品の消費税をゼロとし、期間は1年間。経済情勢を見ながら1回だけ延長可能にするという。民主党政権の2012年、消費税率10%への段階的な引き上げを盛り込んだ「社会保障と税の一体改革」を決めたのは当時総理だった野田佳彦氏自身であり、消費税減税への歯切れが悪い。

日本維新の会は2年間に限定して食料品の消費税を0%にするとし、れいわ新選組は消費税の廃止を主張している。国民民主党は5%への消費税減税を訴えている。

共産党は消費税の廃止を目指しつつ、緊急に一律に5%引き下げる減税策を主張し、1〜2年の期限付きでは不十分だとしている。参政党は消費税の段階的な廃止を訴え、日本保守党は食品の消費税をゼロにすべきだとしている。

物価高対策として消費税減税は本当に効果的なのか。ヨーロッパでの複数の事例から効果は限定的との意見も多い。また、引き下げ分がしっかりと価格に反映されて消費者の利益になるかどうかも不透明だ。

自民党が言う住民税非課税世帯は65歳以上の世帯が75%を占めており、高齢者は現役世代よりも多くの資産を持っているケースも少なくない。生活保護受給者やシングルマザーなど生活に困窮している人たちに給付を絞るべきではなかったか。

共同通信の参院選トレンド調査で、物価高対策として、現金給付と消費税減税のどちらが望ましいかを聞いたところ、消費税減税が76.7%、現金給付は17.9%だった。自民党の現金給付が不人気なのは、選挙目当ての“ばら撒き”と見られているからだ。

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