番組冒頭、関口は「おはようございます。ええ、オリンピックが始まりました。まずは、それをお伝えしなければなりません」とオリンピック開催に否定的とも思える言葉を口にする。
その後、東京オリンピック関係者に新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいるなどと取り上げたあと、柔道男子60キロ級で日本の高藤直寿選手が金メダルを獲得したVTRを流し、「何もかもが異例ずくめ」とアナウンスした。
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スタジオに戻ると、なぜか苦々しい表情でVTRを見るコメンテーターが映し出されるが、福山大学客員教授の田中秀征氏は「陛下の開会宣言は昭和天皇を思い出して感動した」「君が代の熱唱ね、聞かせましたね」とこの番組では珍しく、開会式について一定の評価を与える。
ところが、このあと中央大学の目加田説子氏が組織委員会に苦言を呈すと、ジャーナリストの青木理氏が「僕はちょっとがっかりしたなっていうかですね。シンプルと言えばシンプルなんだけど、今、日本は何をメッセージとしたのか。そこ(フリップ)には多様性と調和って書いてありますけれども、あの開会式自体ではそうだったのかもしれないけれども、今話が出たようなそのほかのいろんなこと、この一週間に起きたことを考えると、とても多様性と調和とはちょっと言い難いっていうのが現実としてあったですよね」と徹底的にこき下ろす。
さらに、「これを振り返ってみると、何で2020年に東京にオリンピックを呼ぶのかという理念っていうのがそもそも本当に薄かった。あえて言えば、1964年へのノスタルジーみたいなもの、あの良かった時代をもう一度っていう程度のもので。そのために、例えば今出ましたけど、復興とかねあれコンパクト五輪って言ったんだけども、今やそんなもの跡形もなくなっちゃって」と続け、オリンピック招致の理念にまでクレームをつけた。
そんな『サンデーモーニング』だが、スポーツコーナーでは元柔道オリンピック2大会金メダリストの谷亮子氏をゲストに招き、ほぼ全ての時間をオリンピックに費やし、関口が体操の内村航平選手に「あっぱれ」を送るシーンもあった。
なんとも一貫性のない番組内容に、「オリンピック否定か肯定かはっきりしろ。否定するなら伝えるな」「人の批判ばかりで自分たちの批判はスルーする。ダブルスタンダードだ」「オリンピックで視聴率を稼ぐな」と批判の声が上がる。
ただし、「批判しながらオリンピックを伝えるのはサンデーモーニングだけじゃない」「批判と競技は別」などという擁護もあった。
2021年に入り、東京オリンピックの開催を毎週のように批判し、組織委員会にも苦言を呈し続けてきた『サンデーモーニング』。それにもかかわらず番組内で取り上げることに、憤りを持つ視聴者が多かった。