番組前半、新型コロナウイルスの変異種を「第4波の入り口」と取り上げると、関口宏は「オリンピックの聖火リレーなんかも始まっちゃってね、大丈夫かなって思う」と苦言を呈す。
そして、番組終盤の「風をよむ」のコーナーでは「東京オリンピックの開催に多くの人が反対している」と紹介した上、新国立競技場や大会エンブレム、招致を巡る収賄問題、元組織委員会会長の森喜朗氏の女性蔑視発言、開会式の演出担当者の不適切発言などネガティブな報道を続け、「東京オリンピックの意義がなくなっている」などと批判を展開した。
この件について、コメンテーターの姜尚中氏は「かつて東京と福岡が争って名をあげた時に、僕は高輪のプリンスホテルでプレゼンテーションしたんですよ。それで東京に僅差で負けてしまった」と思い出を語り出す。
そして、「何故東京なんだろうと。例えばあの交番が多いとか、資金が豊富だとか、結局大義は後からついて回るってイメージだったんですね。僕は今、福岡、九州でやるとしたらここまでは行かなかったんじゃないか」などと私見を述べる。
続けて、「つまり国民の支持はもっとあったんじゃないかと思うんですね。だから日本はやっぱり1964年の東京オリンピックのパロディみたいに、今なっちゃってるので。僕はここは引いて、そしてもう1回、東北かあるいは福岡で、日本らしい中国とかまた韓国とも違う新しいオリンピックの形を示して欲しい」と話す。
驚いた関口は「今回の事は引けってことですか? 引けるかなあ」と呆れたように話す。それでも姜氏は「引いてですね、もう1回チャレンジする。なぜ東京でやるのかと。意味がないわけだから、その時は九州か東北で行ってほしい」と語る。さすがの関口もこの論理には「先々の話ですよね」と同意しなかった。
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ところが、これに乗ったのが評論家の大宅映子氏。東京オリンピックには「大義がない」「経済効果なんてとんでもない」と話し、「仙台や福岡でやるならいいけど、東京は大反対」などと語ったのだ。
さらに、朝日新聞論説委員の高橋純子氏や元TBS記者の松原耕二氏らも「東京オリンピックには意義がない。中止も含めて考えるべきだ」などと徹底的に批判した。
東京オリンピックは中止して、今後仙台や福岡で開催するべきだという論理に、「呆れた」「放送で流していい内容だとは思えない」「福岡や仙台でもコロナ感染リスクはあるのに、なぜ?」とネット上では批判の声が目立つ。ただし、一部には「いい考え」「納得できる」という擁護も。
また、「意義がない」と繰り返し主張したコメンテーター陣について、「それならTBSはオリンピック中継から身を引くべきだ」「そこまで否定的なら、『TBSはオリンピックを中継しません』と宣言してみてはどうか」「スポーツコーナーでオリンピックの話題を取り上げるのはやめて」という声も上がった。
東京オリンピックを開催してほしいと感じている人もいるが、『サンデーモーニング』出演者にとっては「意義がない」「必要ない」ものと感じているようだ。