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「自分は死ぬのが一番幸福だと思う」16歳の少年の偽遺書殺人事件【衝撃の未成年犯罪事件簿】

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画像はイメージです

 この事件は、1952年(昭和27年)に福井県で発生した事件である。
 福井県某村の高校に通う16歳の少年A君が、12月10日に家を出たきり帰らなくなった。

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 警察がA君の行方を探している中、A君の父親宛に一通の遺書が届いたという。遺書にはA君の直筆で、「自分の罪を他人にかぶせたくない。友人Bに迷惑をかけてすまなかった。自分は死ぬのが一番幸福だと思う」という一文が書かれていた。

 この友人Bというのは、A君の昔からの友人であったが、同年9月窃盗の容疑で逮捕されており、高校を退学していた。

 遺書によると、どうやらBの窃盗容疑は濡れ衣であり、A君の犯行を庇ったか罪をかぶせた事に対し、A君は強い後悔があり、自ら死を選んだのだという。

 遺書が届いたのと時を同じくして、A君の自宅から数キロ離れた川で冷たくなったA君の死体が発見された。

 このA君の突然すぎる自殺に、遺書で名前の出てきたBは驚き、その場で泣き崩れたという。

 だが、A君の遺体を引き上げた警察は、数点おかしな点に気が付いた。A君が死んだ川は、16歳の男性が溺れるような深さではなかったこと、およびA君の顔には暴行された跡および首には強く絞められた箇所があったためだ。

 警察はBを取り調べたところ、A君を殺したのは自分であることを白状したという。
Bは窃盗で捕まった際、「これでは就職もできない。俺の人生はこれで終わった」と強く悲観したという。

 しばらくして、気の弱いA君に自分の罪をかぶせ自殺に見せかけて殺害することを計画。A君を呼び出し、無理矢理遺書を書かせ、首を絞めて殺害。川に遺体を投げ込んだという。
 自分の罪を他人にかぶせ殺害したBの事件に、村人たちは恐怖したという。

 その後、Bは少年院に入ったとのことだが、以降どうなったのかは不明である。

文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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