王者・中嶋勝彦の逆指名で実現となったこの一戦。まだ第2代という歴史の浅いGHCナショナル王座に、新たなる激闘の歴史を刻み込む為に拳王を指名した勝彦。対する拳王は、ここ1年では『N-1 VICTORY2019』こそ制したものの、ベルト戦線では結果が出せていない。金剛カラーとも言える赤を基調としたGHCナショナルのベルト。そして敬愛する元親会社、現スポンサーのリデットエンターテインメントが作ったベルトを欲しくない訳がない。GHCナショナル王座奪取を機に、金剛の名をプロレス界の頂点へ轟かす第一歩を踏み込めるのかが注目される試合となった。
先に真紅のガウンで入場すると、リング中央でいつものポーズを決める拳王。セコンドには金剛のメンバーが勢揃い。一方、勝彦はスモークが焚かれる中、誇らしげに入場した。ゴングが鳴るもお互いになかなか視線を逸らさず、距離も縮めない。拳王が探りを入れるも組み合わず、勝彦が蹴りで牽制し、拳王も同じ動きで対応する。
場外に落ちると、拳王が力強い蹴りで勝彦を休ませない。勝彦も負けじと場外戦を仕掛けて、蹴りを放っていく。リング内で顔面踏みつけを狙うが、これは拳王が回避。だが、勝彦はサッカーボールキックを連発。拳王はブレーンバスターで切り返す。拳王は蹴り合いに挑むも、勝彦は笑みを浮かべながらこれを受けまくる。しかし、拳王が低空のドラゴンスープレックスを決め、再び蹴り合いになると、勝彦も苦悶の表情に。一進一退の攻防が続く中、勝彦はバーティカルスパイクを炸裂させるも、カウントは2。拳王は雪崩式ドラゴンスープレックスからダイビングフットスタンプを決めたが、これもカウント2。場内は大きな拍手に包まれた。両者は激しい張り手合戦からまた蹴りの打ち合いになり、拳王がハイキックでこれを制し、ダウンした勝彦を見たレフェリーが試合を止めた。
試合後、拳王は倒れてる勝彦に何やら話しかけ、ベルトを手に勝ち名乗り。
拳王は「中嶋勝彦、俺のことおしゃべりで?クソ野郎?誰がおしゃべりクソ野郎だ!なかなかいいもん持ってんじゃねぇか。ようやく!金剛にGHCのベルトを呼ぶことができたぞ!おい!おしゃべりだけじゃねぇぞ!俺たちは実力もあるんだ!テメーらこれからはな、ニューチャンピオンの拳王、そして金剛に、ついて来い!」と叫んで金剛のメンバーとともにポーズを決めた。
◆プロレスリング・ノア◆
『DEPARTURE 2020 day1』
2020年8月4日
東京・後楽園ホール
▼GHCナショナル選手権試合(60分1本勝負)
<王者>中嶋勝彦(24分45秒 レフェリーストップ)拳王○<挑戦者>
※右ハイキック
※拳王が第3代王者となる
(どら増田)