>>金村義明氏、阪神・藤浪に「西武にトレードしてやれば」二軍降格で辛らつな提案 「欲しいチームなんてあるのか」と賛否<<
2004~2015年にかけ阪神で一軍、二軍投手コーチを歴任し、プロ入りしたばかりの藤浪晋太郎を2013年から2015年の3年間指導している中西氏。番組では当時の指導方針や現在の藤浪の課題について語った。
藤浪が阪神に入団した当初から、「これは違うなと(思った)。キャッチボールを見てても『怖いな、すごいな』というボールを投げていた」と評価していたという中西氏。向こう3年間は体作りをさせながら一軍で投げさせるという方針の下、「外から見れば過保護と思われるくらいの球数制限」を課した上で起用していたという。
藤浪を指導する中では、「合理的で賢い子だったので、『この練習は何のためにするのか』ということを理解させた上でやらせなきゃいけなかった」という苦労もあったという中西氏。藤浪は時には「これは無駄じゃないですか?」と反抗することもあったというが、そのたびに「(今は)無駄かもしれないけど、お前が5年後、10年後にスランプに陥った時に『あっ、(中西コーチが)こういう事言ってたな』って思う時がくるから」と言い聞かせていたという。
こうした指導のかいもあり藤浪は2013~2015年の3年間で計35勝を挙げるなど活躍したが、中西氏が退団した翌2016年から2019年にかけては計15勝と一転して低迷。不振にあえぐ現在の藤浪に対し、中西氏は「力を目いっぱい入れないと抜くことは覚えられないので、まずは目いっぱい(投げて)いかないと。(今は)脱力、脱力と思い過ぎて、逆にリリースの瞬間まで力が抜けてる」と指摘した。
中西氏は続けて、「無駄なこと(教え)を吸収し過ぎて、頭でっかちになってるところがある」とも指摘。「無駄なところ(教え)を削っていって、シンプルに(練習を)やっていかないと」と、指導や助言を取捨選択して練習に取り組んだ方がいいとアドバイスした。
今回の放送を受け、ネット上には「中西は藤浪を大成させるために相当気を配ってたんだな」、「今の低迷ぶりを見ると、藤浪が反抗してもしっかりと手綱を握れる中西の存在は相当大きかったんじゃないのか」、「中西が今でもいたら藤浪の不振も無かったのかな」、「食事会でのコロナ感染やその後の練習遅刻についてはどう思ってるのかも聞きたかった」、「最近の藤浪はコロナ感染やら遅刻やら良くないニュースが続いてるから、中西さんにはその辺りにも喝を入れてほしかった」といった反応が多数寄せられている。
「中西氏は2015年、チーム投手陣が防御率、失点数ともにリーグ5位と振るわなかった責任をとる形で同年限りで退団。その翌年の2016年から藤浪の成績が下降しますが、一部ファンの間には『それまで指導していた中西氏がいなくなったから低迷したのでは』との見方もあります。また、中西氏も自身の退団後から低迷を続ける藤浪を心配しているようで、退団後から現在に至るまでたびたびメディアを通じて課題を指摘しています」(野球ライター)
2020年も3月下旬に新型コロナウイルスに感染、5月末には練習に遅刻し二軍降格と苦境が続く藤浪。それでも、中西コーチは教え子の復活を強く願っているようだ。
文 / 柴田雅人