3月下旬まで行われていた練習試合の際も無観客となっており、今回も同様の処置が取られたが、報道陣に対する規制は更に厳しくなった。入場の際の検温とチェックシートの記入は同じだが、通常使用されていた1階の受付は2階の3ゲートに移動。それにより駐車場での選手、首脳陣、球団スタッフとの接触は完全に断たれた。試合を見る場所も3密を避けるために記者席は使用は不可とされ、昨年新設されたラウンジを使用。入場できる人数も各社2名までと制限されており、必要最低限の人数しか球場には入ることはできず、試合前の練習時であってもグラウンドへの立ち入りは禁止。写真を撮るのもスタンドからで、選手たちの動きをチェックするのもスタンド席から。試合前の監督との囲み取材や、その日の先発ピッチャーや活躍した選手との取材も、練習試合2日目からはミーティングアプリ「ZOOM」を使用して行い、報道陣からチーム内にウイルスが感染しないよう、万全の体制で対策を行っている。報道陣が使用している部屋は、使用後にスタッフが除菌スプレーを持って清掃し、常にクリーンに保たれている。
チームもベンチの選手、スタッフ全員が常にマスク着用。ベンチ内のシートにも1席置きに使用禁止の紙が置かれ、自チームが攻撃時はベンチでの3密を避けるためにグラウンドにせり出した席の「エキサイティングシート」へ移動。陽射しが強い日にはテントも設置され、暑さ対策も同時に取られていた。
横浜スタジアム内のトイレも使用箇所が制限され、除菌シートがノブやエレベーターのボタンに貼られるなどの対策も行われており、所々にアルコール除菌スプレーも設置。ゴミ箱も撤去され、スタジアム丸ごとウイルスを撃退する処置がなされていた。
やっとこぎつけた開幕戦をなんとか無事に迎えられるよう、横浜スタジアムでは考えられる感染防止対策を出来る限り採用。ウィズコロナ禍でのプロ野球は、緻密な気遣いの下でのペナントレース始動となる。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘