9年目の外野手・乙坂智は、5月28日に始まった紅白戦から、6月2日~6日の対外試合、7試合連続でヒットを放つ活躍を見せている。オープン戦から打撃好調で打率.318、得点圏打率は5割ジャストと、昨年.382と高打率をマークした勝負強さは健在。練習試合が始まってからも、代走や守備で途中出場し、少ない打席の中でも集中してヒットを重ねると、6日と7日にはスタメン出場。7日に連続ヒットは途切れてしまったが、首脳陣にインパクトを与える働きを見せ続けている。指揮官も「ポジションを奪ってもおかしくないぐらいの状態。チーム内でいいポジションまで上がってきている」と高評価を与えている。
また、6年目の内野手・倉本寿彦も、復活の兆しを見せている。17年はショートのレギュラーとして143試合出場したが、昨年は僅か24試合、打率.121と不本意なシーズンを送ってしまった。今年はストロングポイントの打撃に活路を見出すべく、フォームも改造。秋季キャンプではラミレス監督からも「3割打てる」と太鼓判を押されるほど、信頼度も上がってきていた。オープン戦でも少ないチャンスを生かし、打率.333をマークすると、練習試合でも「レギュラーの頃のように状態はいい」と指揮官に認められ、ショートでスタメンのチャンスも与えられている。6日には守備から入った9回、1アウト1-2塁からショート頭をライナーで抜く左中間へのタイムリーツーベースで、「クラッチヒッターここにあり」を見せつけることに成功した。
2018年のベイスターズには、荒波翔(引退)、石川雄洋、倉本寿彦、筒香嘉智(現・タンパベイ・レイズ)、乙坂智、後藤武敏(引退)と、6名の横浜高校OBが在籍。一大派閥を形成していたが、今年は石川、倉本、乙坂の3名のみとなっている。神奈川は野球熱の高い地域で、高校時代から横浜スタジアムで彼らの試合を見続けているファンも多い。YOKOHAMAを胸に抱き続ける男たちの活躍に、地元ファンは胸を躍らせている。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘