約1か月前の4月28日の自主練習では、「実戦感覚を失わないように、打つ量を確保する」ことと、「ウエイトトレーニングの量を増やしつつ、柔軟性も失わないようにバランス良く取り組んでいる」とコメントしていたが、19日からチームは全体練習を再開。6月下旬の開幕を目指す方針に、「これから開幕に向けて、より緊張感も高まり実戦も増えてくると思いますが、しっかりと準備をしてレベルアップした状態で開幕を迎えたい」と、自主トレでの成果を加味した姿でその日を待つ。
久々のユニフォームを着ての練習には、「やはりユニフォームを着てグラウンドでプレーできることは、気持ちも前向きになりますし、更に気持ちが引き締まります」と率直な気持ちを吐露。「コンディションも体調も問題ありません。練習環境にもスムーズに対応することもできています」と、不安はない。
2年前まではショートの不動のレギュラーだった男だが、2018年は85試合出場に留まり、昨シーズンに至ってはわずか24試合出場で、打率.121と不本意な成績に終わっている。しかし、昨年のフェニックスリーグから、「スムーズにバットが出るように」と打撃フォームを変更し、オープン戦でも打率.333と結果を出した。その後、オープン戦から練習試合に切り替えられた横浜スタジアムでのゲームでも、本来のショートとしてスタメンに名を連ねるなど、ラミレス監督からも期待を寄せられていたことが窺えた。
そのラミレス監督は全体練習が開始された19日、「試合数は間違いなく減る。“Day by day baseball”を初めから100%で行う」と、フレキシブルな采配で1戦1戦大切に戦っていくと宣言した。いわゆる“捨て試合”を作ることが出来ない状況では、倉本の2016年.301、2017年.342と高い得点圏打率を誇る勝負強さと、内野ならどこでも守れるユーティリティ性はチームにとって心強い存在。2年間の悔しさを胸に、今年はチームを勝利に導く男意気を見せる。
文 ・ 写真/ 萩原孝弘