彼らの特徴として大型CMへ続々と出演している点が挙げられる。モスバーガーでは、声のみで2つの商品を漫才風に紹介。花王の泡タイプのオーラルケア商品では、マツコ・デラックスのナレーションに乗せてぺこぱが商品を紹介、松陰寺太勇の名フレーズ「悪くないだろう」も登場している。
ぺこぱと言えば、昨年の『M-1グランプリ2019』(テレビ朝日系)で、決勝初出場にしてファイナルラウンドへ進出し、3位の成績を残した。松陰寺のビジュアル系バンド風のルックスは、さまざまな芸歴の試行錯誤の末にたどり着いたものであり、そうした試みの一つである「ローラースケート」ネタを、決勝で披露する準備もしていたと言われる。芸人のキャラとしては「キワモノ」といった印象もあるが、なぜイメージ第一のCMに引っ張りだことなったのだろうか。
「やはり、彼らが持っている否定の要素を持たず、“誰も傷つけない笑い”とも評されるノリツッコミ漫才が、CMにうまくハマったと言えます。特に、『悪くないだろう』のフレーズは、さらりと商品を紹介するには最適と言えます。チョコプラことチョコレートプラネットの『TT兄弟』も、アルファベットを変え、さまざまなPRに活用されました。ミルクボーイの商品紹介漫才もそうですが、さまざまなパターンに応用が利くネタは強いと言えるでしょうね」(業界関係者)
ぺこぱは、ブレークまで長い下積みを重ねてきた苦労人でもある。そのため、テレビのロケ番組などでは謙虚な姿勢を見せている。そうした点も好感度アップとなり、CM仕事へとつながっているのだろう。
芸人は売れるに従って、キャラクターや芸風を微妙にシフトチェンジする場合が少なくない。EXITが、かつてのような“チャラ男”キャラを全面に押し出さなくなり、MC仕事などで落ち着いたキャラクターを見せているのは、よく知られている。ぺこぱも、作り込み過ぎたキャラクターを、現在のスタイルへ微妙に変えてきており、その試みは成功していると言えそうだ。