モタは2019年1月に育成選手として巨人に入団し、2月28日に支配下選手へ昇格した期待の24歳。同月16日から行われているオープン戦では、3月1日ヤクルト戦終了時点で「.348・2本・4打点・8安打」と好成績を残していた。
しかし、3月3日日本ハム戦で「4打数無安打・2三振」に終わると、同4日の日本ハム戦では「5打数無安打・5三振」とまさかの大ブレーキ。2試合をまたいで6打席連続三振を喫するなど、一転して不振に陥っている。
報道によると、4日の試合を翌5日にチェックしたという阿部二軍監督は、囲み取材の中でモタの5三振に対し「知ってますよ。ぶっ飛ばしてやろうかと思った」と笑い交じりに発言。モタは3、4日の2試合で打率が「.250」と1割も落ちているが「それで何を本人が感じたか。そこで今までのハングリーさがなくなった瞬間にもっと打てなくなる。研究もそうだし、探求心を持ってほしい」と奮起を促したという。
今回の一件を受け、ネット上のファンからは「冗談のつもりだとしても、こんなパワハラ気味な言い方はよくない」、「この調子だといずれ緒方みたいに騒動を起こしそう」、「ちゃんと期待の言葉もかけてるのに、パワハラってのはちょっと言い過ぎじゃない?」、「最近は何でもかんでもパワハラとか言われるし阿部も難しいところだな」いった反応が多数寄せられている。
「一昔前の球界では、時には暴力も辞さない高圧的な指導は当たり前のように行われていましたが、現在ではパワハラとして問題視されるケースが多くなってきています。記憶に新しいところでは昨シーズン、広島・緒方孝市監督が6月30日DeNA戦後に野間峻祥を平手で複数回殴打。これを受けた球団側が厳重注意処分を下したことが7月24日に発表されると、ネット上では『いくら怒ってたとしても手を出すのはダメ』、『完全なパワハラ、即刻辞任すべき』と批判が巻き起こりました。なお、緒方監督はその後10月1日、成績不振を理由に辞任すると発表しましたが、当時は『パワハラ騒動の影響もあったのでは?』と推察するコメントも複数見受けられました」(野球ライター)
阿部二軍監督は現役時代の2012年、日本シリーズの試合中に牽制のサインを見落とした先発・澤村拓一のもとへ歩み寄り、「しっかりしろ!」と頭を1回叩いたことがある。この時は球場に笑いが起こるなど特に問題視はされなかったが、そこからは約8年が経過しているだけに、“再犯”を心配しているファンも多いようだ。
文 / 柴田雅人