しかし、以前は悲観的に捉えられていたトミー・ジョン手術だが、近年は松坂大輔や、同じ松坂世代の和田毅、藤川球児らは未だに現役。メジャーで活躍するダルビッシュ有も手術から復活、大谷翔平も2018年に執刀し、今シーズンの5月にはピッチャーとして復帰が濃厚と言われている。このように完全復活するプレーヤーは多く存在し、日本では保険適用となるほどのメジャーな手術となっている。
もちろん、復帰までには過酷なリハビリが必要となり、一般的には1年半程度の期間が必要になると言われている。ベイスターズでも、昨年8月にトミー・ジョン手術を受けた田中健二朗も、現在リハビリに取り組み、ちょうど術後1年程度の夏場に実戦復帰を見据えている。同じ左腕の先輩が経験していることも、東には参考になるであろう。また、同手術の経験者である藤井秀悟が、今シーズンからバッティングピッチャー兼広報としてベイスターズに復帰。トレーナーの他にも、アドバイスを貰える環境も整っている点は追い風となると言える。
復帰後には球速が上がる症例も見られるトミー・ ジョン手術。今シーズンは東のピッチングは見られないが、来シーズンにはリニューアルし、一層パワーアップした姿をマウンドで魅せてくれることに期待したい。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘