太陽がさんさんと注いだある日の午前中には、7月中旬に真新しくなったグラウンドに野手、投手に分かれずに基礎トレーニング。自主トレを行う先輩選手たちと同じグラウンドで、ビブスを着用した新人選手たちが溌剌と身体を動かしていた。
午後は野手だけがグラウンドに現れ、内野から外野に向かってティーバッティングを行うと、集まったファンも注目。ドラフト1位の森敬斗内野手(桐蔭学園)は、元々の左だけではなく右でもバッティングを披露。4位で森と同じく高卒の強肩強打のキャッチャー・東妻純平(智弁学園和歌山)と、森をライバル視している5位の大型ショートストップ・田部隼人(開星高校)も、気持ちよさそうに打球を飛ばしていた。6位の右のパワーヒッター・蝦名達夫(青森大)は、大物打ちらしくヘッドを走らせ快音を轟かせると、周囲の先輩も「飛ばすね」とポソリ。青森産の黒ニンニクを愛する男は、ストロングポイントの打撃で視線を集めていた。球拾い、グラウンド整備を終えた東妻は、自主トレについて「坂本(裕哉・ドラフト2位・立命館大学)さんのボールを受けました。順調です」と、まだあどけないベビーフェイスから笑顔を見せながら、しっかりとした受け答えだった。
投手陣はウエイトトレーニングや室内で練習。即戦力として期待の剛球スリークォーター、3位指名の伊勢大夢(明治大)は、1月4日の交通事故で後遺症が心配されていたこの日も入念にトレーニングをこなし、体調についても「もう大丈夫です」とキッパリと答えてくれた。
合同自主トレは30日まで。その先は1軍は宜野湾、2軍は嘉手納に別れて沖縄で春季キャンプに入る。ルーキーだけではなく、充実した施設を使用できるとあって、様々な選手が汗を流す“DOCK”。
トミージョン手術から復活を目指す田中健二朗もプログラム通りに調整中。「15メートルから18メートルに」と、徐々に投げる距離を伸ばしていると明かしてくれた。
また、日によってはサプライズでサイン会が開催されることもある。追浜駅にはベイスターズ戦士の記録達成プレートが飾られ、施設までの道中には大きなベイスターズのペインティングもあるので、ファンには楽しい散歩道となっている。2月に本州を選手が離れる前に、追浜へ足を運んではいかがだろうか。
取材・文 ・ 写真/萩原孝弘