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堀越日出夫の「私、テレビの味方です」 藤原紀香のK-1声援問題を考える

 いきなりだが、今週のテーマは「藤原紀香の声援問題」である。何のことかわからない読者のために説明しよう。藤原紀香(38)といえば、K-1のサポーターとして知られており、テレビ中継でも実況席に陣取って、長いこと「ゲスト解説」を務めている。

 その際、紀香は感情をそのままに表現する。先月26日に行われたソウル大会でも、「行けーー!」とか「効いてる! 効いてる!」とか絶叫していたのだが、それを不快に感じる視聴者が多数いるようで、ネット上でもバッシングされているのだ。
 だが、ちょっと待ってほしい。個人的には、紀香のキャリア上のベストワークはK-1での絶叫芸だと思っている。紀香の「効いてる! 効いてる!」を聞いて不快に感じたことは一度もない。いや、むしろ紀香を好きになるばかりである。
 紀香はK-1を愛している。紀香がK-1に携わり始めたのは13年前に格闘技情報番組「SRS」(フジテレビ系=終了)のアシスタントに抜擢されてからだ。それまでのK-1といえばゴールデンタイムで放送されておらず、まだマニアの域を出ていないイベントだった。それがメジャー感のある大会に成長できたのは、フジテレビの尽力と紀香の絶叫芸あったればこそなのだ!

 実況席における紀香の役割は、素直に感情を出すことでお茶の間に「ここが応援ポイントですよ」とか「ここで○○が負けたらK-1はジャンルとしての危機を迎えるんですよ」とかいうことをわかりやすく声に出して教えることだ。それがディレクターの意図だし、それを紀香は忠実に実行している。それどころか、そんな使命をとっくに超越して、K-1 LOVEを100%表現している。
 紀香は陣内智則(35)よりもK-1を愛している。
 そもそもK-1はテレビとともに成長してきたスポーツである。だから、「大衆をいかに巻き込むか」をテーマにしてきた。普通のキックボクシングとK-1の違いはそこにあるわけで。K-1の水先案内人=紀香は大功労者として表彰されてもいいくらいである。「スポーツ実況がギャーギャーうるさいのが嫌い」という視聴者の意見もわかるが、テレビとともに成長してきたK-1でその意見は正しくない。スポーツはギャーギャー言いながら見る方が面白いに決まっている。
 それに、そのK-1を文句タレながらも見ているということは、フジテレビと紀香の術中に何%かはハマっているのだ。

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