◇今週のこの1枚◇リチャード・ヘル「R.I.P.」(1990年/Reachout International Records)
punkの発祥と言えば何となくセックス・ピストルズやクラッシュのイメージでロンドンな感じがしますが、実際の発祥の地はニューヨークで、最初から色々な繋がりや存在で絡んできた人がリチャード・ヘルです。
破れたシャツを安全ピンで留め、短い髪をツンツンに立て、いわゆるpunkファッションの元祖の人で、セックス・ピストルズのマネージャーで悪名高きマルコム・マクラーレンからロンドンでティーンエイジャー同士のコミュニケーションの手段であるロックンロールを新しいムーブメントで本来の姿に戻すようなバンドを作ろうと誘われましたが、彼はその話を断り、その2か月後からセックス・ピストルズの名前を聞くようになったらしいです。このことでも分かるように彼のスタイルそのものがロンドンに持ち込まれたと言っても過言ではないでしょう。
ニューヨークpunkのアートと言われたテレヴィジョンを中心人物のクラスメイトであるトム・ヴァーレインと結成したり、ニューヨーク・ドールズを脱退したジョニー・サンダースとバンドを結成したり、今や伝説となった人々とくっついては離れの繰り返しで、最終的に自分が中心となるバンドを結成しますが、やはりバンドのメンバーはあまり定着しなかったみたいですね。この作品は、そんなもののデモテープなどを含め、1984年までの新作を収めた作品です。彼の終盤の流れが良く分かる作品です。
彼の作品で最初に聴くのなら「Blank Generation」がお薦めですが、この作品以降、一切、発売されているものは無く、音楽シーンから姿を消していて、作品の流れも分かるのでこのアルバムを選んでみました。
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