それは中邑真輔だ。レッスルマニアでAJスタイルズが持つWWE王座に挑戦したが、スタイルズクラッシュで負けてしまい王座奪還とはならなかった。試合後にはAJの油断を突いて急所攻撃を放ち、WWE移籍後には見たことのなかった狂った表情を見せ、まさかのヒール転向を印象づけた。その週のスマックダウンではAJとダニエル・ブライアンのドリームマッチに乱入。AJのみならずブライアンも襲撃して試合をブチ壊すなどやりたい放題だった。ただ本人は不気味な笑みを浮かべるだけで言葉を発することはなく、真意は謎のままだった。
そんな中迎えた今週のスマックダウンは、AJとブライアンがドリームタッグを結成。ルセフ&エイデン・イングリッシュとのタッグ戦が行われた。試合はファンの強力なYes!!チャントの後押しもあり、AJ組が優位に進めていた。ブライアンがランニング・ニーでルセフを沈めたその時…。中邑真輔と、復帰したビック・キャスが乱入したのだ。
中邑はエプロンにいたAJの背後から急所攻撃を見舞うと、キャスはブライアンにビックブーツを一撃。中邑はまたもや試合をぶち壊すと、「ノー・スピーク・イングリッシュ(英語は話さない)」と言い放ち、またもや不気味な笑みを浮かべながら退場していった。
中邑の立ち振る舞いを見ていると、飯塚高史、矢野通、そしてグレート・ムタら、かつて中邑が間近で見てきた日本人ヒールレスラーのテイストを中邑流にアレンジしているようにも見える。中邑にはスポークスマン的なパートナーか、マネージャーが付くのでは?とささやかれていた矢先、ビック・キャスと共闘することが明確になった。
果たして次週は試合が組まれるのだろうか?中邑の不可解な行動は、日本公演でのカードにも影響してくる。まだまだ注視する必要があるだろう。
文 / どら増田
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