「敬語でがっちり身構えれば、人間関係が良好になるというわけではない」と語る著者は、小泉元首相を“言葉の魔術師”と称賛する。
「福祉、大事。教育、もちろん。おんなじように郵政民営化、大事なんです」。一つ一つのフレーズがきわめて短い。敬語と非敬語を平気で同居させることで、逆に話をダイナミックに盛り上げている。
これが安倍元首相になると…。
「えー、その御質問に関しましては、法律の手続きにぃ、のっとりまして、ですね、えー、しっかりと、お答をした、と、おー、いうわけでございまして」。各種の敬語を見事に使い分けながらも全く説得力がない。敬語が完璧でも相手に伝わらない典型だという。
敬語がなってない若造にもイライラするが、マニュアル通りならいいものでもない。あなたもすべらない敬語を学んでは?(税別680円)