ウィーランドといえば、忘れてはならないのが“バッティング”。ラミレス監督のこだわる“8番ピッチャー”のキッカケは、ウィーランドの打撃があまりにもいいからだと言われている。昨年はホームラン3本をかっ飛ばし、相手チームの脅威となった。特にカープ戦では相性が良く、自らが先発しCS進出を決めた10月1日の試合では、ピッチングはピリッとしなかったものの逆転スリーランを含む猛打賞の大活躍で、“スラッガー・ウィーランド”を強く印象付けた。
今年も8月3日のカープ戦、6対6同点の延長11回、ツーアウト1、2塁の場面で代打で登場。豪快なスイングで相手を威嚇すると、その後は冷静にフォークを見極めフォアボールをもぎ取り流れを作り、次の打者倉本のサヨナラヒットへのお膳立てを完璧に整えて見せた。
今季の助っ人陣、ゴールデングラブも受賞したホセ・ロペス、ホームラン王でベストナインのネフタリ・ソトは早々に契約を更新。タフネス剛球左腕エドウィン・エスコバー、メジャー復帰も伝えられていた“将軍”スペンサー・パットンの残留にも成功。先発、ロングリリーフをそつなくこなした苦労人エディソン・バリオスも残留が基本路線となっている。着々と来季の陣容が整えられる中、ウィーランドは構想から外れた格好となった。
ファンからも愛されたウィーランド。Twitter上では退団を惜しむ呟きが多く投稿された。わずか2年の在籍となってしまったが、「ハマの二刀流」はいつまでも記憶に残る助っ人外国人として語り継がれるであろう。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘