東は開幕からローテーション入りし、4月12日の東京ドームでのジャイアンツ戦でプロ初勝利を挙げると、その後も順調に勝ち星を積み重ねた。
今年のベイスターズは、昨年の実績から石田健大、今永昇太、濱口遥大、ジョー・ウィーランドの先発陣がセールスポイントと思われていた。しかし、故障や調整遅れなどで、4人は押し並べて大不調。そんな中、東は獅子奮迅の活躍を見せ、大事なカードの初戦を任され、通常中6日のローテーションから、スクランブルの中5日も幾度と無く経験。リフレッシュと指の皮の剥がれで、2度のファーム調整はあったものの、完全にエースの働きで、最終的には目標の「昨年の濱口さんの10勝」をひとつ上回る11勝をマーク。特にジャイアンツ戦では無類の強さを発揮し、驚きの5戦5勝。これはリーグ史上初の記録で、最後までCS争いに食らいつく原動力となり「東がいなかったらどんなに酷いシーズンだったか」とTwitterで呟くファンも多かった。
23日に行われた「ファンフェスティバル」では、来期からピッチングコーチに就任する三浦大輔に“うんこサンダル”をプレゼントされたエピソードを披露。これは「金運と勝ち星が付くように」と、グラブに金色のうんちと白い星の刺繍が施してあることを知った三浦の粋な計らいだったようだ。また、大ファンの土屋太鳳の直筆サイン色紙は未だに枕元に置いてあるとの事。新人王をゲットしたら「広報さんにお願いして会わせてもらいたい」とおねだりしていた。
入団時の目標の二桁勝利と新人王は手に入れた東。グラブに込めた想いに三浦のサンダルの効果もあってか、年俸大幅アップの願いも間違いなく叶うだろう。残りはひとつ、バラ色のシーズンオフに華を添える、憧れの土屋太鳳との対面は実現するだろうか!?こちらにも注視して行きたい。
取材・文・写真/萩原孝弘