くしくも同日に時間差で行われた朝青龍と大毅のみそぎ会見。やはり目を一番ひいたのが、防寒用に羽織った“ペア毛皮”だろう。午前中に朝青龍がモンゴルを発つ際にロングの毛皮コートを着用して登場。そして午後に大毅が協栄ジム入りするときもなぜか“ホスト風”の毛皮コートをまとって姿を現したのだ。
相撲界とプロボクシング界のお騒がせ“ツートップ”が、毛皮コート姿で息ピッタリの“共演”となったが、評価は明暗がクッキリ分かれる形となってしまった。この“毛皮対決”で完勝だったのは朝青龍だろう。チンギスハーン国際空港ではゴージャスな毛皮コートにポニーテールのいでたちだったが、会見にはキッチリ変身。ビシッと着物に着替え、さらにはおくれ毛ひとつ許さないマゲ姿を披露した。
しかし、大毅は協栄ジムの金平桂一郎会長から発令された“サングラス禁止令”こそ守ったものの、毛皮コートにGパンスタイルだったため、どこかラフな印象。さらには練習後には裸に毛皮コートという一歩誤ればおねえキャラとも取られかねないスタイルとなってしまい、スポーツマンに肝心なさわやかさに欠ける残念な結果となった。
謝罪態度も朝青龍に軍配。報道陣の詰問にけげんそうな表情を一瞬のぞかせる一コマもあったが、そこはグッと堪えて“土俵際”で踏ん張った。だが、大毅は会見をわずか7分足らずで強制終了。その後に行われた公開練習で角狩りの髪の毛を鏡でチェックしたり「しんどいッ!」と連呼するなど、好印象とは言えない内容だった。
また、リップサービスの面でも結果はハッキリ分かれた。朝青龍は再三、質問の趣旨が理解ができず「もう一回行ってください」と聞き返したものの、長時間の質疑応答を流ちょうな日本語で返答。一方の大毅は内藤大助との世界戦で反則行為の指示が「父・史朗氏からあったのか?」と問われ「ボクの指示です」と不可解回答。痛恨の返答ミスで、なぜか自らがセコンドにいたかのような口ぶりとなった。
2007年スポーツ界を騒がせた2人によるダブル謝罪会見。評価こそクッキリ分かれる結果となってしまったが、それはそれ。いずれにせよ今後の名誉挽回は土俵とリングでの活躍に懸かっている。