中でも、2018年12月に韓国の聯合ニュースが報じたモンスタークレーマー事件は、日本でも大きな話題を呼んだ。
事件が発生したのは同11月、韓国・ソウル市内のハンバーガーショップ・マクドナルド。客の1人が店員に何やら文句をつけると、顔を目がけて注文したハンバーガーの入った紙袋を投げ付けた。
男性が商品を投げ付けたくなるほど店員に激怒した理由は何だったのか。それは、マクドナルドの商品提供システムを理解していなかったこと。商品を購入すると、レシートを渡され、しばらく待ち、完成した際ディスプレイに自身が購入した際に与えられた注文番号が表示され、受け取りを行うシステムだが、男はこれを理解せず、ずっと待っていたのだ。
いつまで経っても自分の注文した商品が出てこないことにキレた男は立腹し、店員に食って掛かる。そして、店員と口論のような状態になり、最終的に受け取った商品を投げ付けた。自分の認識不足を棚に上げ、店員にクレームを付けた挙げ句商品を投げる。モンスタークレーマーの権化とも言える行動だ。
聯合ニュースによると、韓国のマクドナルドでは同じ2018年11月に、蔚山市のドライブスルーで注文の間違えに腹を立てた男が、店員に商品を投げ付ける事件が発生している。大事にすべき食料を怒りに任せて投げ付けてしまうとは、信じがたい行為。聯合ニュースによれば、この件は韓国国内でも「食べ物を粗末にするな」「許せない」などと批判の対象になっているという。
どこの国であろうと、自分の誤認を人のせいにして店員に食って掛かり、食べ物を投げ付ける行為はありえない。犯人の現状はわかっていないが、「自分は悪くない」などと主張していないか、心配だ。
文 櫻井哲夫