海外ニュースサイト『MEAWW』は、犬を殺して動物虐待などの罪に問われていた米国の男に実刑判決が下ったと10月3日に報じた。
同記事によると5月19日夕方、ミズーリ州に住む女性がペットの黒い犬をリードにつないで家の外に出したところ、いつの間にか犬がいなくなっていたという。
その日の午後9時30分ごろ、玄関のドアを叩く音がして女性がドアを開けると玄関先に人影はなく、黒いゴミ袋だけが放置されていたという。不審に思いつつゴミ袋を開けた女性は、袋の中からめった刺しにされ、死んだ飼い犬を発見。すぐに警察に通報したそうだ。
事件の2日後、警察は女性宅から連れ去った犬を自分の車に乗せた男が、携帯電話を使って犬と一緒に自撮りをし、知人に送信したという画像を入手。男の車の中から殺された犬のものとみられる黒い犬の毛を押収した警察は、事件に関わったとして男を逮捕したという。
同記事によると、男は女性の女友達、Aさんの元交際相手。Aさんにストーカー行為をはたらいていた男が、以前Aさんを車でひこうとし、Aさんと一緒にいた女性が警察に通報。そのことに逆恨みした男による犯行だったようだ。
男は結局、女性の犬を盗んだ窃盗の容疑、犬を11カ所刺して殺した動物虐待容疑に加え、Aさんに対するストーカー容疑でも逮捕。起訴された男は、全ての罪を認めたという。裁判の結果、全ての罪で有罪となった男は、窃盗で2年、動物物虐で4年、ストーカー行為で3年の懲役を言い渡され、合わせて懲役9年の実刑判決を受けたという。
このニュースが世界に広がると、ネットでは「逆恨みされてペットを殺された女性は男に対して怒り心頭だろう」「動物を虐待する奴は許せない。量刑はもっと厳しくても良いくらいだ」「ひどい犯罪だが、つい最近、殺人で懲役10年という判決があった。量刑が犯罪に見合っているのか疑問だ」「犠牲になった犬には申し訳ないが、女性やAさんが殺されなくて良かった」 「Aさんを車でひこうとするような危険なストーカー野郎がなぜ、この事件を起こすまで野放しにされていのか理解できない」など、大きな反響が寄せられた。
日本でもたびたび問題になるが、動物虐待事件の刑の重さに疑問を持つ人は少なくないようだ。
猫を虐待死させたとして裁判にかけられた被告に求刑を上回る判決が言い渡されたと9月17日、NHKが報じている。
これによると今年5月、富山県富山市に住む52歳の無職の男が、射水市で他人の飼い猫1匹を連れ去り捕獲器に入れたままえさを与えず、棒で腹部をつつくなどして虐待死させたという。
この事件で動物愛護法違反などの罪に問われた被告に、富山地裁高岡支部は9月17日、動物愛護の意識が高まりつつあり懲役6カ月の求刑はやや軽すぎるとして、検察の求刑を上回る懲役8カ月(執行猶予4年、保護観察付き)の判決を言い渡したという。
判決について殺された猫の飼い主だった男性は「求刑より判決が重かったのは少しは良かった。動物の命も軽視されることがないような法律などを作ってほしい」と話していたそうだ。
国内では動物虐待への罰則の強化が進んでいるようだ。
今年6月12日に改正動物愛護法が参院本会議で全会一致で可決、成立したと同日、時事通信が報じた。
記事によると、犬や猫の虐待動画をインターネットに投稿するなど、悪質なケースが後を絶たないという。改正法では動物虐待罪を厳罰化。ペットの殺傷に対する罰則を現行の「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に引き上げるそうだ。改正法は公布から1年以内に施行するという。
何も抵抗できない動物をしっかり守る法律になるよう期待したい。
記事内の引用について
Missouri man gets nine years in jail for stabbing dog 11 times and dumping its remains on owner's doorstep
https://meaww.com/missouri-man-jailed-for-nine-years-stabbing-a-dog-11-times-dumping-its-remains-owners-doorstep
猫虐待裁判”で求刑上回る判決 富山地裁高岡支部
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190917/k10012086011000.html
犬猫にマイクロチップ義務付け=虐待罰則も強化−改正動物愛護法成立
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019061200171&g=soc