-
その他 2014年12月13日 17時00分
話題の1冊 著者インタビュー 木下昌輝 『宇喜多の捨て嫁』 文藝春秋 1700円(本体価格)
−−『宇喜多の捨て嫁』というタイトルはインパクトがありますね。主人公である戦国大名の宇喜多直家はどんな人物だったのでしょうか? 木下 私は剣術や柔術をはじめ、戦場でいかに生き残るかを今に伝える、美作発祥の竹内流という武道をわずかな期間ですが習っていたことがあります。この流派では、相手が裏切ってきたときにどう対応するかという型が大変多く、皆さんのイメージする武士道とは大きく違います。稽古をするうちに、裏切りが当たり前な下剋上という時代の本質に触れたように感じました。そこで、竹内流創始者の竹内久盛について調べているうちに宇喜多直家と出会いました。 詳しく調べると、直家は裏切ることも厭わない相当な悪人なんです。当時、戦国大名は、親戚の娘を政略結婚させるために養女にするのは珍しくないのですが、直家は実の娘さえも捨て駒のように扱うほどの悪人でした。 −−悪人である直家の魅力は、どんなところですか? 木下 一つは、プライドがないところですね。松永久秀のように悪人といわれる戦国大名もいますが、大抵最後は自分のプライドに準じて自害しているんです。でも、直家はプライドがないので、少しでも自分たちが不利な状況になれば、すぐに謝り、また裏切ったりする。そこまでプライドがないというのは面白いですし、家のことを考えればそれがベストだったのかもしれません。 もう一つの魅力は、悪事を働きながらも、ものすごく貧しい時代を家臣たちみんなで支え合って生きていました。今のような不景気で仕事もなかなかなく、家族を養うのが苦しかったり、生きるのに苦労する時代に通じるものがあると思うんです。だから読者のみなさんも自分と置き換えて、感情移入しやすいと思います。 −−作品を描く上で気を付けた点はありますか? 木下 現代小説っぽく書きたかったので、実験的にあえて年号をほぼ出しませんでした。年号を出すと、どうしても今の視点になってしまい、読者が時代を俯瞰してしまう。そうしないことで、物語の中に潜り込んでほしかったんです。それに当時を生きていた人は、将来何が起こるかなんて知らないわけですから。 −−あえて、どんな方々に本書を薦めたいですか? 木下 頑張って日常を送っている方々、企業に勤めて一生懸命働いている若者や、中間管理職に就き苦労されている方々が、本作を読んで息抜きしていただけたらうれしいですね。(聞き手:本多カツヒロ)木下昌輝(きのした まさき)1974年、奈良県生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒業。2012年、今作で第92回オール讀物新人賞受賞。
-
社会 2014年12月13日 15時00分
情けない! バレーボール男子日本代表選手がパチンコ店で他の客の財布を置き引き
とんでもない事件が起きてしまった。バレーボールの男子日本代表選手が、犯罪に手を染めてしまったのだ。 事件を起こしたのは、東レ・アローズ所属の王金剛容疑者(30)で、パチンコ店で他の客が忘れた財布から現金を盗んだ窃盗の疑いで、12月12日までに、警視庁大崎署に逮捕された。 逮捕容疑は、同10日午後8時半頃、東京都品川区東五反田のパチンコ店で、都内の20代の男性会社員がパチンコ台に置き忘れた現金約15万円入りの財布を盗んだ疑い。 同署によると、王容疑者は財布から14万円を抜き取って、店に忘れ物として届け出た。財布は店から持ち主に返されたが、現金が減っていたため、店側が110番通報。 王容疑者は置き引きをした後も、パチンコを続けていたため、駆け付けた同署員が事情を聴いたところ、犯行を認めた。防犯カメラには、王容疑者が財布から現金を抜き取る様子が映っていたという。 調べに対し、王容疑者は「お金がたくさん入っていたので、つい盗んでしまった」などと供述している。 所属チームは現在、開催中の全日本選手権に出場しており、同11日の2回戦で創造学園高に勝って、準々決勝(豊田合成トレフェルサ戦)に進出したが、王容疑者の逮捕を受け、同12日の出場を辞退。準々決勝は不戦敗となった。 男子の東レ・アローズは1947年(昭和22年)に、東レ九鱗会として創部。Vプレミアリーグ(旧Vリーグ)を2度制覇、昨年は全日本選手権を制している。 東レは「皆さまにご迷惑をおかけし深くお詫び申し上げます。処分については、事実確認が完了次第、厳正に対処する所存です。今後の男子アローズの活動は、日本バレーボール協会のご指導を仰ぎながら検討します」とコメントしている。 王容疑者は197センチ、82キロでポジションはセッター。中国・大連出身で、高校進学の際に来日し、高岡第一高に入学。東海大学を経て、08年に東レに入部。09年につくばユナイテッドSun GAIAに移籍、10年に東レに復帰した。11年に日本国籍を取得し、今年度の日本代表に選ばれた。 中国出身とはいえ、日の丸を背に闘っている選手が、置き引きで逮捕されるとは、なんとも情けない話だ。(蔵元英二)
-
レジャー 2014年12月13日 15時00分
キャバ嬢が生まれる瞬間(27)〜いじめっ子を見返すためにキャバ嬢になった女〜
斉藤愛美(20歳・仮名) 私は高校時代、ずっといじめにあっていた。標的となった原因は今だによくわからないけれど、おそらく女子グループの気に入ってる男子と私が、仲良くしていたからだと思う。その女子グループとは特別仲が良いというわけでもなかった。でもいつからかいじめられるようになってたんだよね。 最初はバレないよう物を隠されたり、私が教室にいない時に財布のお金を勝手に抜き取られたりしてた。ある日、移動授業から戻ってきたら、そのグループが私の鞄を漁ってた。「何してるの」って声を上げても「あ〜あ、見つかっちゃった」って何の悪びれる様子もなく、教室を出て行ったのを憶えてる。私もその頃はまだ意志が弱く、それ以上なにも言えなかった。一番困ったのは通学の自転車のサドルを隠された時かな。しばらく立ち漕ぎで帰ってたのはつらかったし、そういう陰湿ないじめが最後まで続いて食事も喉が通らないほど病んだ。 今年の成人式の後、同窓会があったんだけど、久々に彼女達と再会した。あいつらは過去、私にしたいじめなんて何もなかったかのように、接してきたんだよね。いじめた方は忘れてるのかもしれないけど、いじめられた方は絶対に忘れない。その同窓会でいじめっ子の主犯格の会話から聞こえてきたのが、「今はキャバクラ嬢として隣街で働いている」ってことだった。過去をどうしても忘れられない私は、どうしてもその子に勝ちたかったんだよね。 短大卒業後、何もしてなかった私は過去のトラウマを克服するために、その子が働くキャバで働くことにした。出勤初日、私がまさか働きにくると思ってないから相手はとても驚いていた。それでその子の本性は何も変わっていなくて「なんでいるわけ? あんたなんかに勤まると思ってんの?」といきなり言われた。でも私は「もう昔の私じゃないから」って強く言い返すことが出来ただけでもここで働いてよかったと思った。 たしかに簡単にやれる仕事じゃないのはわかってる。でも彼女がいる場所で過去と向き合い、いじめっ子にどんな形であれ勝たなければ前に進めない気がした。だから私はこれからキャバクラでナンバーワンになることを目指そうとおもいます。(取材/構成・篠田エレナ)
-
-
トレンド 2014年12月13日 15時00分
「2014年ブレイク女優ランキング」 有村架純が文句なしの首位! 二階堂ふみ、高畑充希も躍進
今年最もブレイクした女優は有村架純だ! オリコンが「2014年ブレイク女優ランキング」を発表。文句なしで首位となったのは、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」でブレイクした有村(前年2位)だった。 年末恒例となった同ランキング。調査は11月19日〜25日にかけて、10〜50代の全国の男女オリコンモニター1000名を対象に、インターネットを通じて実施された。 有村の首位には誰も異論はなかろう。今年は13社のCMに起用され、「2014タレントCM起用社数ランキング」の女性部門で堂々の2位。「女子ーズ」など2本の映画、「失恋ショコラティエ」(フジテレビ)、「MOZU Season1〜百舌の叫ぶ夜」(TBS/WOWOW)など3作の連続ドラマに出演したのを始め、舞台や声優としても活躍。まさに、テレビで見ない日はないほどの1年だった。 来年は「ストロボ・エッジ」など、すでに3本の映画出演が決まっており、その勢いは止まることがなさそう。 2位には杏が入り、前年の4位からランクアップした。もともと、脇役として、じっくり実力をつけてきた杏は、朝ドラ「ごちそんさん」で大ブレイクを果たした。その後に主演を張った「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ)もヒットし、“視聴率が獲れる女優”に成長した。 杏の2位も文句なしで、来年1月期に放送されるフジ月9ドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら〜」にも期待が懸かる。 3位に入ったのは、前年首位の能年玲奈。「あまちゃん」以降、テレビへの露出を控え、今年は「ホットロード」「海月姫」(12月27日公開)と2本の映画で主演した。来年は、映画にこだわらず連ドラにもチャレンジしてほしいものだ。 4位には石原さとみが入った。すでに確固たる地位を確立している石原に対し、“ブレイク女優”という表現はいささか不適切だが、今年は連ドラ「失恋ショコラティエ」「ディア・シスター」(フジテレビ)で主演し、「幕末高校生」など2本の映画にも出演。改めて、その評価が高まったようだ。 かねて、実力派女優として注目を集めていた二階堂ふみが前年の10位から5位に躍進した。現在、放送中のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を始め、今年は「私の男」など実に4本もの映画に出演し、精力的に活動した。来年1月期には、フジテレビの連ドラ「問題のあるレストラン」に出演予定だ。 以下、6位=吉高由里子、7位タイ=松たか子、7位タイ=高畑充希、9位=綾瀬はるか、10位=武井咲の順となった。 なかでも、「ごちそうさん」でブレイクした高畑は、CM、歌、映画、ドラマで大活躍。初の大河ドラマでも、その存在感を発揮。12月には「アオハライド」「バンクーバーの朝日」と出演映画が立て続けに公開され、来年1月期には、高畑も「問題のあるレストラン」に出演予定。この調子でいけば、高畑は「2015年ブレイク女優ランキング」を制する有力候補といえそうだ。 なお、前年3位の本田翼、同5位の剛力彩芽、同6位の橋本愛、同9位の前田敦子らは、今年はランクインしなかった。(坂本太郎)
-
スポーツ 2014年12月13日 15時00分
番長・清原和博VS中日・落合GM 再び全面抗争が始まった!(3)
そんな姑息な舞台裏を知っているからこそ、立浪氏も清原氏も恨み骨髄なのだろう。立浪氏は殿堂入りを果たすことで「禊は済んだと」アピールし“政権交代”の流れを呼び込もうとしているのだ。 「立浪氏は10月に球団フロントの人間と内々に食事をし、ポスト谷繁の含みで復帰できないか、と相談したそうです。相談された人は『無理だと思う』と言葉を濁したそうですが、この話が落合GMの知るところとなり、その怒りが、立浪氏がPL学園の後輩としてかわいがっていた吉川に向けられ、解雇されたという情報もある。そこに平田と大島までが疎外されたことで立浪氏は“反落合派”を増殖させ、反撃に出ているのです。球界の番長・清原氏が脇を固めたことで勢力を急激に強めています」(前出のテレビ局スタッフ) 今年9月にモデルの亜希夫人と離婚した清原氏はメディアの前から姿を消し、不気味な沈黙を続けている。一部週刊誌に“クスリ疑惑”のネガティブな報道をされ、逮捕のXデーが近いなどといった噂も流れているが、この男を支持するファンは少なくない。 「薬物疑惑で仕事のキャンセルが続き、パチンコ営業でしのいでいるなんて報道もあるが、正味30分程度のトークで100万円近い金を稼げるわけで、やはりスターの証しですよ。名古屋エリアにはパチンコ業者や関連会社、店舗も多い。中日選手のタニマチもこの業種の人たちが多く、その意味では清原氏の影響力も、われわれマスコミの想像以上に大きいといえます。番長ににらまれたら大変、と言うのはタニマチのことなのです」(清原氏と親しいマスコミ関係者) 名古屋エリアでは、読売新聞、朝日新聞が一緒になってもかなわない巨大な影響力を誇る中日新聞社を味方に付けている落合GMだけに、たとえ「清原-立浪連合」が表立って仕掛けてこようとも、取るに足らない存在なのかもしれない。ところが、ここに有力OBの星野仙一氏が加わるとなると話は違ってくる。 星野氏は11月16日、13年ぶりにドラゴンズの応援番組『サンデードラゴンズ』(CBC放送)に生出演した。自身が監督だった当時は連日満員御礼だった名古屋ドームが今やガラガラ。この現実を 「今のドラゴンズは名古屋の文化をないがしろにしている感じがする。ファン、地域を大事にしていない。なぜなんだということを追求していかないといけない」と落合GMを暗に批判し、「今考えれば(ロッテから落合を獲得したのは)失敗だった」と、上から目線で笑い飛ばした。 星野氏にはトヨタ自動車、同グループ会社をはじめ、名古屋鉄道、中部電力などの名古屋財界の支援者が多い。彼らも星野氏同様、閑古鳥状態が続く現在のドラゴンズを懐疑的に思っており、「さすが星野さん。われわれの気持ちを代弁してくれた」と喜んだという。 星野氏が立浪氏にエールを送ることになれば、落合GMバッシングは一気に強まる。“落合vs清原”の抗争は立浪氏と星野氏をも巻き込み、スケールを拡大して第2ラウンドに突入しようとしている。
-
-
芸能 2014年12月13日 12時00分
COWCOW・山田善し 大ヒット作品「ホームレス中学生」を超える実話小説を発売! 「僕は超えるなんて一切言ってない」
お笑いコンビ・COWCOWの山田善しが、祖母との思い出を執筆した実話小説「ハイハイからバイバイまで 田島のおばあちゃんとぼくのヘンテコな二人暮らし」を発売。単行本にまつわるエピソードを聞いた。 「去年の夏ぐらいに、新聞で掲載される芸人のリレーコラム的な仕事を頂きまして、その時に書いた1つの話がおばあの話で…。それでワニブックスさんから声を掛けて頂きました」と単行本発売の経緯を明かした。 ただ、掲載したコラムだけでは分量が足りないため、善しは改めて取材を敢行。「自分一人で何度も(大阪府の)田島に行って、色んな人に会って喋って話聞いて、出来上がった本です。取材はめちゃめちゃ楽しかった」と笑顔で語った。 単行本のキャッチコピーには「『ホームレス中学生』を超える、笑って泣ける感動の実話小説」と付けられている。「ホームレス中学生」といえば、お笑いコンビ・麒麟の田村裕が自身の壮絶な貧乏体験を執筆した自叙伝で、225万部を売り上げた大ヒット作品。漫画、映画、ドラマなど多方面にメディアミックスされ、大きな話題となった。 「僕の本の編集者さんが『ホームレス中学生』も担当した方で、ただ単にその方が言ってることなので…、数字的に超える事はないです(笑)。仲の良い後輩の田村君のことなので、僕は超えるなんて一切言ってない。最初見た時に『これ言っちゃって大丈夫?』って思っちゃいました」と笑いながら明かした。 「もし映画化されるならどうします?」と聞くと、「めちゃめちゃ嬉しい」とニンマリ。「僕自身は映画を撮ることに興味はありますけど、そんなおこがましいことできないので。大好きな山田洋次監督に撮って欲しいです」と日本が誇る巨匠にラブコール。「現場に毎日見に行きたい(笑)」と嬉しそうに語った。【単行本】「ハイハイからバイバイまで 田島のおばあちゃんとぼくのヘンテコな二人暮らし」2014年10月28日発売 本体1404円(税込) 発行:ワニブックス【プロフィール】山田善し/1974年10月19日生まれ/大阪府出身/よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属/1993年に多田健二とCOWCOWを結成
-
芸能 2014年12月13日 12時00分
「THE MANZAI 2014」 「総選挙」の影響で視聴率低下は必至!? しかし…意外なデータが存在
日本で最も面白い漫才師を決定する「THE MANZAI 2014」の決勝大会が14日に行われ、お芸人たちが人生を懸けて戦う真剣勝負の模様がフジテレビで放送される。今年は「第47回 衆議院議員総選挙」の投開票日が決勝戦当日と重なるため、放送時間は19時スタートのゴールデンタイムから17時30分〜19時58分に変更された。 「総選挙」の影響について、ダウンタウンの松本人志はフジテレビの「ワイドナショー」で、「漫才の途中に開票を出すかどうか2年前も凄い悩んだんだよね。そういう意味では、若い漫才師の子達は可哀想やなっていうのはちょっとあるんですよ」と若手芸人を気にかけてた。実は「THE MANZAI 2012」の際にも、「第46回衆議院議員総選挙」の投開票日と重なっていたため、今回と同様の時間帯に変更されていた過去がある。 「ゴールデンタイムと17時からの時間帯では、広告料があきらかに違います。ゴールデンタイムはテレビ局にとっては一番質の高い広告枠ですし、スポンサーにとっても高い効果を得られる枠ですから、両者にとって放送時間が繰り上がるのは痛いですよね」(広告代理店関係者) しかし、実は意外なデータが存在する。現行の「THE MANZAI」が開始されて以来、総選挙と重なった「THE MANZAI 2012」の方が、総選挙のなかった2011年、2013年大会よりも平均視聴率が高いというデータがある。 関東地区での平均視聴率(ビデオリサーチ調べ)を確認すると、パンクブーブーが優勝した2011年の第1回大会は15.6%、ハマカーンが優勝した2012年の第2回大会は17.3%、ウーマンラッシュアワーが優勝した第3回は12.5%という数字が記録されている。 「どの局も選挙一色になりますから、逆に視聴者は選挙以外のコンテンツを求める傾向があるのでしょう。その結果、視聴率が上がったのかもしれません。特に今回の選挙は『大義なき選挙』と揶揄されていて、あまり注目度は高くないですから、『THE MANZAI 2014』の視聴率が跳ね上がる可能性もあると思います」(テレビ制作関係者) 「THE MANZAI 2014」の視聴率はどのような数字を記録するのだろうか!? 非常に楽しみだ。
-
スポーツ 2014年12月13日 12時00分
2014年ペナントレース総括 数字で分かるアノ補強とドラフト指名(東京ヤクルトスワローズ編)
小川泰弘(24)が故障離脱した時点で、東京ヤクルトスワローズのペナントレースは終っていたのかもしれない。エース・館山昌平(33)は右肘さ再手術で一軍登板ナシ。由規(25)も二軍では投げたが、終盤戦は右肩の違和感でノースローの調整を続けていた。ベテランの石川雅規(34)、昨年1位で終盤戦4試合に先発した杉浦稔大(22)、人材難で先発にコンバートされた石山泰雄(26)、計算の立つ先発はこの3人しかいない。FAで成瀬善久(29)を獲得したのは当然であり、ドラフト会議で高校生・安楽智大(東北楽天)の競合に外れると、即戦力の社会人・竹下真吾(24=ヤマハ)に切り換えたのは“人材難の窮地”を解消するためだった。 また、オリックス、楽天と張り合って大引啓次内野手(30=前北海道日本ハム)を獲得した理由も分からなくはない。 ヤクルト打線はチーム打率2割7分9厘と爆発。総安打数1401本は福岡ソフトバンクホークスを凌ぐ。その牽引役と言っていいだろう。4年目の山田哲人(22)が日本人右打者では『シーズン最多記録』となる193安打を放ち、雄平(30)、畠山和洋(32、川端慎吾(27)、バレンティン(30)の計5人が打率3割を越えた。この強力打線は上位チームを最後まで苦しめたが、守備率と失策数で見ると、打線を牽引した彼らは“戦犯”とも言えるのだ。 二塁手・山田は13失策、三塁・川端は14失策、雄平も外野手部門1位タイ(リーグ)となる7失策をマークしており、その汚名を分け合ったのは同僚の上田剛史(26)だった。遊撃手・森岡良介(30)が10失策を記録した。二遊間と中堅手(雄平)の“ザル守備”が、12球団ワーストの投手陣(防御率4.62)の足をさらに引っ張ったわけだ。遊撃の守備力に定評のある大引を獲得した理由は、ここにある。 ドラフト指名した7人のうち、5人が投手だった。社会人、大学生、独立リーグ出身という経歴からして、真中満・新監督(43)を5人とも『即戦力』と期待しているはず。近年のヤクルトは社会人出身の投手が中継ぎで起用され、登板過多になる傾向もある。これも投手の頭数が足らないからだろうが、80年代から主力投手が故障で欠く“負の歴史”を払拭するためにも、新人投手の起用法を見直すべきかもしれない。 成瀬、大引の獲得にともなう人的補填の流出は警戒しなければならないが、相川亮二捕手(38)のFA退団で、移籍先の巨人に対して同様の権利が発生する。投手のさらなる補強が予想されるが、「バレンティンの左アキレス腱の故障は長引きそう」との情報も伝えられている。ひょっとしたら、守備能力の高い外野手を引き抜き、センターラインを強化してくるかもしれない。
-
社会 2014年12月13日 12時00分
日テレと内定取消係争中の女子アナの卵 待っているのは、やはり茨の道か
2015年4月に日本テレビへアナウンサーとして入社することが内定していた、東洋英和女学院大学の笹崎里菜さん(22)。昨年9月から研修を重ねていた中で、3月に「過去にホステスをしていた」という状況を会社側へ伝えたところ、4月になって突然内定取消の通知が届いた。 笹崎さんは日テレに提出した自己紹介カードに「母の知り合いが経営する銀座のミニクラブで働いていた」ことを書いていなかった。これを日テレが問題にし、「傷がついているアナウンサーを使える番組はない」、「アナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」ということが、内定取消の理由だった。笹崎さんはこれを不服とし、日テレを訴えた。読者モデルとしてファッション誌『JJ』などでも活躍していた彼女にしてみれば青天の霹靂だったであろう。 日テレの大久保社長は「裁判の場に移っていますので、経過を見て対応します」と発言。だが、民事訴訟担当の弁護士などの話では「日テレ側に分が悪い事にはなりそう」という見解が多い。しかし、裁判で勝利して入社できたとして、笹崎さんに楽しい職場が待っているとは思えない。裁判沙汰の末に入社などという前代未聞のこじれた就職は、双方のためにならない。入社した彼女に局が普通に仕事を与えるとは思えないからだ。 「大学時代に男性関係が派手だったというアナウンサーもいっぱい知っている。実際に当時の彼とスキャンダルになりそうになったアナウンサーもいた。俺たちは話題になって面白いから使いたいが、上層部が使わせてくれないでしょうね」(日テレ番組スタッフ) フジテレビの亀山千広社長は「日テレを批判するわけではないが」と前置きした上で「(フジテレビなら)内定を出した以上、採用すると思う。ホステスをやっていたと週刊誌で書かれたときに、僕らがちゃんと守り切れるのであれば何の問題もない」「清廉性が必要かどうかは視聴者に委ねたい」と発言した。 フジテレビの考え方は世間に受け入れられるであろう対応方法だ。しかし、ホステスという言葉と職業に、笹崎さん自身にも偏見や誤解があったのではないだろうか。自己申告カードに「アルバイト銀座ホステス経験」と書かなかったところに笹崎さんの拘りがあったように感じる。 最終的にどんな判断が下されるかはまだ分からない。だが、ホステスを経験して多くの人に出会った彼女の経験談が、アナウンサーという仕事に生かされる日は来るのだろうか。
-
-
社会 2014年12月13日 12時00分
突如の『ティップネス』買収発表で出向に戦々恐々の日テレ社員
最近、日テレ関係者が2人集まれば、この話題で盛り上がるという。先ごろ、日本テレビホールディングスが350億円で買収を発表したスポーツクラブ大手『ティップネス』に関してだ。 「来年1月にも日テレから出向者が発表される。有力視されているのは30代後半から50代前半の管理職で、スポーツ局を中心に選定中です」(テレビ局関係者) 『ティップネス』は、'86年にサントリーが設立。'14年1月末現在で61店舗、会員数は25万1000人を抱える業界の最大手だ。 「'13年12月期の売上高は329億円で業界トップ。'01年には丸紅が運営する『レヴァン』を合併吸収し、'02年からブランドをティップネスに統一した。毎年200〜300億円の利益が出ています」(スポーツクラブ関係者) とはいえ、テレビ制作をメーンにする日本テレビHDで働く局員にとって、スポーツ健康事業はまさに青天の霹靂といっても過言ではない。誰が貧乏くじを引くのか戦々恐々としているというのだ。 「出向辞令を拒否することはできない。断ればサラリーマンとしての未来はない。残業手当なども付かず、年収で数百万ダウンすることは必至」(テレビ局関係者) それにしてもなぜ、局員にここまで不人気な健康関連事業に参入するのか。 「全ては'20年の東京五輪・パラリンピックに向けたPR。今後、視聴者は健康やスポーツへの関心がますます高まると見込まれる。そのため、健康関連事業を放送事業に次ぐ第2の柱として、収益の多様化を図るためです」(事情通) CM収入が激減するテレビ局にとって、日テレのような多角事業に乗り出すキー局はますます増えるという。テレビがどんどんつまらなくなりそうだ。