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レジャー 2014年12月10日 15時00分
夜を棄てたキャバ嬢〜体臭に悩んでいた彩香〜
人間が対峙する際に好印象を与えるためには身だしなみや態度だけでなく、体から漂う臭いも重要となる。どれほどルックスがタイプであったとしても自身が不快な臭いだと感じる相手には評価は一転する。キャバクラにおいても、嬢が客の体臭に嫌悪感を抱いてしまうことは珍しくないが、彩香(24歳・仮名)の場合は逆に自分の体から放たれる臭いを気にしていた。 「私は昔から恋人ができてもすぐに別れを切り出されていたんですよね。原因もまったくわからなくて」 彩香は街を歩けば芸能関係の事務所などからスカウトされることもあるほど、顔立ちは整っていた。そのため客からも指名されることは多かったが、しばらくすると皆離れていったという。特に性格にも問題があるというわけではなかった。 「ある時、お客さんとフェチの話になったとき“彩香ちゃんの臭いは強烈だもんねぇ。でも俺は臭いフェチだから大丈夫だよ”と突然言われたんです」 その時初めて彩香は自分の体臭のことを知った。それからは店の中ではもちろん電車など、人が近くにいる場所では、相手からどのように思われているのかが気になり、落ち着かなくなった。そのため彼女はキャバクラ嬢を続けられなくなる。 「それから少しして店は辞めてしまいました。女の子やスタッフ達が私と接する時の微妙な距離感の原因もわかりましたし」 彩香は店を辞めてから、人と接することを遮断し引きこもりのような生活を送っていたという。しかしある時、このままではいけないと感じた彼女は思い切って専門の医師に相談することを選ぶ。 「この悩みを病院で打ち明けるのは勇気が入りましたね。でもそのおかげで医者から、体臭にはミョウバンを塗り付けるといいと教えてもらえました」 ミョウバンはカリウムやアンモニウム、アルミニュウム等の金属が結晶化したものである。そのミョウバンには殺菌作用の効果があるので、制汗や消臭防止として使われているのだという。彩香はミョウバンスプレーを脇に吹きかけることを習慣とし、体臭の悩みを克服した。現在は外にも出かけられるようになり、都内の雑貨屋で働いているという。(文・佐々木栄蔵)
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社会 2014年12月10日 12時00分
幻になりかねないカジノ法案に懸ける『セガサミー』
反対の声が根強いカジノ法案が衆議院解散により来年の通常国会に先送りされた中、セガサミーホールディングスが一足早く韓国・仁川市で現地企業との合弁によるカジノ施設を含む統合型リゾート『パラダイスシティ』の建設に着手した。投資額は邦貨換算で約1370億円。2017年のオープンを目指している。 セガサミーの合弁先は韓国最大のカジノ運営会社パラダイス社。同社は韓国で数カ所のカジノを運営しているが、ホテルや商業施設、コンベンションホール、さらには国際会議も開ける統合リゾートは初めて。韓国でも、この手の大型施設は初とのことだ。 起工式に先だって開かれた記者会見でセガサミーの鶴見尚也専務は「当社に統合型リゾート、カジノ運営のノウハウはない。このプロジェクトで吸収したい」と語った。同社は既に日本でカジノが解禁された場合は参入すると表明しており、これから勉強する身とはいえ、カジノを将来の基幹ビジネスと位置付けているのは間違いない。 2年前には宮崎市の大型リゾート施設『シーガイア』を総額58億円余の「安い買い物」(金融筋)で買収。当時は狙いを明らかにしなかったが、将来のカジノ解禁に備えた「大きな布石」(同)との見方が大勢だった。 「今回の韓国での合弁事業といいシーガイア買収といい、確かに里見治会長(兼社長)は貪欲です。去年、彼の娘が経済産業省のキャリア官僚と結婚したのですが、その披露宴には安倍晋三首相だけでなく森喜朗、小泉純一郎の首相経験者が出席した。他にも大物センセイがズラリと並んだ。裏を返せば、それだけ政界に太いパイプを持っているということ。カジノ解禁で彼の野心をバックアップするのは、そういう海千山千の面々です」(永田町関係者) カジノ解禁がズルズルと先延ばしされた今、フライングスタートを切った里見会長の胸中はさぞかし複雑だろう。
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芸能 2014年12月10日 11時45分
『テラスハウス』の映画化が決定した裏事情
9月までフジテレビ系で放送されていた人気リアリティ番組「テラスハウス」を映画化した、「テラスハウス クロージング・ドア」が来年2月14日から公開されることが発表された。 「テラスハウス」は、12年10月から今年の9月まで放送され、シェアハウスで生活する若者たちの紆余曲折を2年間に渡ってカメラが追いかけたリアリティ番組。SNS世代の若者を中心に大ブームを巻き起こし、番組出身の今井華や筧美和子は芸能界で活躍している。 映画公式サイトでは、特報と予告編映像を公開。最終回で、2年間テラスハウスに住み続けたてっちゃんこと俳優の菅谷哲也が、家の扉を開け、出ていこうとした場面から先の、テレビでは放送されなかった新たなシーンからスタート。ファンにとっては今から公開が待ち切れないに違いないのだが…。 「もともと、放送しているのはフジテレビだが、現場の仕切りは制作会社に丸投げしていた。そうしているうちに、メンバー同士の恋愛などに関する“やらせ疑惑”や、現場のトップのスタッフのセクハラ&パワハラ疑惑が週刊誌で報じられるようになった。その影響もあり、番組スタート時からトヨタ自動車の1社提供だったのが、今年4月から複数社の提供に代わり、その後、視聴率が落ち込むようになり番組が終了してしまった」(広告代理店関係者) いわば、いわくつきの番組だが、映画化が決定し、おまけに配給するのは大手の東宝とあって、それなりの興行収入が期待できそうだが、映画化の背景にはフジの映画部門の苦境がありそうだというのだ。 「先日、キムタク主演の『HERO』の映画第2弾の製作が発表されたばかりだが、かつて映画部門の看板だった織田裕二主演の『踊る大捜査線』は織田が“卒業”を宣言。伊藤英明主演の『海猿』は原作者とのトラブルで続編の製作ができなくなった。そのため、金になりそうなコンテンツは手当たり次第映画化する方向のようだ。『テラハ』が当たれば、テレビ版の復活もありそうだ」(芸能記者) 「テラハ」のOB・OGたちの勢いも衰えてきただけに、絶好のタイミングでの映画化だったようだ。
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芸能 2014年12月10日 11時45分
AKB48高橋みなみ卒業で総監督は横山由依 チームAキャプテンは? 再度の組閣の可能性も…
アイドルグループ、AKB48の高橋みなみが卒業することをAKB48劇場9周年特別記念公演で発表した。同公演で高橋は次期総監督に、「私にとって素晴らしい後輩です」という横山由依を指名した。総監督人事は、はっきりしたが、高橋は総監督以外にもチームAのキャプテンを担当している。ただ、高橋はチームAのキャプテンは指名はしていない。 まず、AKB48のチームAがどんなチームであるかを確認したい。チームAは9年前にAKB48が結成された当時、最初に誕生したチームであり、AKB48グループ全体のフラッグシップチームであることは誰もが認めることだろう。これまでも卒業したメンバーでは、前田敦子、篠田麻里子、板野友美(後にチームK)など在籍。現在も小嶋陽菜、島崎遥香、川栄李奈が在籍。また最新シングルで渡辺麻友とWセンターを担当するHKT48の宮脇咲良、NMB48で新センターとなった矢倉楓子が兼任しているスター集団と言えるだろう。元劇場支配人の戸賀崎智信氏は、チームAを、プロ野球で例えるならば巨人と発言したこともあった。そんなチームのキャプテンは、総監督とは別にグループの顔という面を持つ。ちなみに、次期総監督の横山はチームKのため、チームAのキャプテンになることは事実上、ありえない。 現在、高橋を支える副キャプテンのポジションは中村麻里子である。昨年開催されたAKB48グループのドラフト会議が開催され、芸人がMCをつとめる中、メンバーでありながら中村麻里子がアシスタントに抜てきされるなど、一定の注目を集めるメンバーではある。ただ、これまで総選挙ではすべて圏外。残念ながら人気のあるメンバーとは言えない。前述したように、スター集団とも言われるチームAのキャプテンには少し荷が重いと言わざるを得ない。 それでは、他のメンバーを検討してみよう。1期生の小嶋陽菜、4期生の中田ちさと、7期生の松井咲子、前田亜美などのベテランメンバーがいるが、みなリーダータイプとは言いにくいメンバーである。さらに、島崎遥香、川栄李奈などメディア露出の多いメンバーもいるが、塩対応で話題の島崎と、おバカで注目を集める川栄らも、決してリーダータイプとは言えないだろう。さらに下の期を見ると、大島優子の魂を継承する「優魂継承」を誓った武藤十夢がいる。彼女はかろうじてリーダーの可能性を持つメンバーかもしれないが、12期生であり、先輩メンバーが多く残るチームでのリーダー就任には多少の遠慮もあるだろう。そう見ていくと、現在のチームAに高橋みなみの後継者候補と言えるようなめぼしいメンバーがいないというのが現実である。 めぼしいメンバーがいないとはいえ、繰り返すがチームAは、AKB48グループのフラッグシップチームである。他のチームのキャプテンとは意味合いが異なる。誰もが認めるリーダーを就任させたいと考えるはずだ。そこで考えられるのが、再び組閣をすることである。現在、高橋がチームAのキャプテンを担当する前は、次期総監督に指名された横山がキャプテンであった。ただ、彼女は現在、チームKのキャプテンであり、突然、チームAに移籍させてキャプテンにさせるのは、かなり強引だ。ただ、一本釣りでなく、組閣であるならば、その強引なイメージは軽減できる。組閣の可能性も十分あるだろう。横山でなくとも、他のチームから適任者を連れてくる可能性は十分にあるだろう。 HKT48の宮脇咲良は、高橋の卒業発表を受けて、自身のgoogle+で、「9周年公演に立たせて頂いた時、この劇場には3本の柱があるのかもしれないと感じました。2本は、劇場をずっと見守り、支えてきた柱。そして、もう1本はメンバーをずっと見守り、支えてきたたかみなさんという大黒柱」とコメントしている。大黒柱の穴は、グループ全体で埋める必要がありそうだ。
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芸能 2014年12月10日 11時45分
「ネット上で人気がないランキング」 キングコング・西野&次長課長・河本が上位占拠
9日、「インターネット上でなぜか人気がない有名人ランキング」(gooランキング)が発表された。回答者数は男性250名、女性250名で計500名。 全27位まで発表され、ランクインしたお笑い芸人は7人。4位西野亮廣(キングコング)、5位河本準一(次長課長)、11位品川祐(品川庄司)、17位大谷ノブ彦(ダイノジ)、19位田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、23位千原ジュニア(千原兄弟)、25松本人志(ダウンタウン)という結果だった。 これに対してネット上では「爆笑問題の太田が入っていないのがすごい意外」「西野品川は分かるがダイノジ大谷までランクインしてて笑える」「鈴木拓は?」「キングコングは相方の方が…」など様々な意見が上がっている。 西野は自身のツイッターで「いや、俺のとこは本来、梶原やろ!!!」と反論している。
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芸能 2014年12月10日 11時45分
SKE48・松井玲奈「卒業は秘密」
ニッポン放送「SKE48&HKT48のアイアイトーク」公開収録イベントにSKE48・松井玲奈が出席し、高橋みなみの卒業について思いを語った。 8日秋葉原のAKB48劇場で行われた9周年記念特別公演で、総監督の高橋みなみが突然卒業を発表した。松井は「その前まで一緒に仕事をしていたのでびっくりました。まだ1年あるので先のことかと感じてしまいますが、その間に自分たちがどう頑張っていけるのかがすごく大切だと思います」と静かに決意を語った。 また高橋から次期総監督の指名を受けた横山由依については「みんなで支えていきたいです」とエールを送った。また自身の卒業については「秘密にしておきます」とコメント。 同イベントには大矢真那(SKE48)、山田麻莉奈(HKT48)、井上由莉耶(HKT48)も出席した。(アミーゴ・タケ)
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芸能 2014年12月10日 11時45分
人騒がせな美奈子 “婚活宣言”はビジネスだった!?
11月に入って、自身のブログで婚活中であることを報告していたタレントの美奈子。 その内容は、週2回程度で婚活パーティーなどに参加しており、お目当ては「医者や公務員などの安定した仕事をしている男性」と公言していた。この話題は、各メディアが報道し、フジテレビ「ノンストップ!」にもVTR出演し、婚活の様子を語っていたものだが、それが実はビジネス目的だったとは…。 美奈子は同19日、「ビッグマミィ美奈子 婚活を行く!」(双葉社)を出版した。同書は、美奈子と婚活希望の漫画家・桑木みきが街コン、お見合いパーティー、結婚相談などに体当たりで挑戦し、その様子を描いたコミックエッセイ。“婚活宣言”はあくまでも、この本を出すためのプロモーションの一環であったようだ。 Amazonのブックレビューでは、「婚活をおもしろおかしく思うのは勝手ですが、男性の方々は真剣にパートーナーを探しにきていることでしょう。そんな誠実な思いを裏切る内容ではないでしょうか。参加してる男性、及びほかの女性に失礼だと思いました」「子供たちを成人するまで面倒を見るのが、この人の今やることであり、仕事であり、自身の幸せだの婚活だの自分のことばかり考えている場合ではないと思います」「婚活って本にするようなことか?」といった風で、多数の厳しい感想が寄せられている。 確かに、美奈子は昨年4月にビッグダディ(林下清志)と離婚し、現在独身であるため、興味本位で婚活するのも自由ではある。ただ、100%、ビジネス目的とはいわぬが、「本当に婚活する意志があるのであれば、本になどせず、プライベートでやればいい」といった声も聞こえてきそうだ。(坂本太郎)
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芸能 2014年12月10日 11時45分
東尾修はスヌーピーと同級生
タレントの石田純一と元プロ野球選手の東尾修が、9日池袋・西武百貨店で行われる「ピーナッツ65周年記念イベント It's Party Time, SNOOPY ! 知らなかった、知りたかった 、PEANUTSの世界 スヌーピーと仲間たち大集合!」のオープニングイベントに登場。 1950年生まれでスヌーピーと同い年の東尾は、「スヌーピーと同級生ですね」と嬉しそうに話していた。 また、東尾をピーナッツのキャラクタに例えると? と聞かれた石田は「オラフですね。(スヌーピーの兄弟)」と話し「(東尾が)酔っ払っているところにそっくるです」と笑わせた。 また石田は、妻の東尾理子が体外受精による第2子の流産という診断を受けたことに「体調は、大丈夫です、残念だけどありがとうと伝えました、これからも挑戦します」と話した。
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芸能 2014年12月10日 11時45分
バクステ外神田一丁目がよしもとの喜劇へ挑戦
バクステ外神田一丁目が神保町花月12月公演「振り向けば過去がいる!」で本場よしもとの喜劇へ挑戦が始まった。 脚本・演出は宮地謙典(ニブンノゴ!)、共演者はニブンノゴ!、ガリットチュウ、ポテト少年団・菊地というよしもとメンバーという異例の組み合わせでの喜劇となっている。 メンバーの諸星あずなは、「いよいよこの日が来ましたっ! 初日です! 芸人さんとのお稽古は毎日新鮮で、笑ってばかりだったけど、今日まで1日1日集中してお稽古に励みました。バクステ外神田一丁目、喜劇は初めての挑戦ですが、芸人さん方の力をお借りして、最高の笑いとみなさまを温かい気持ちに出来たらなと思います。最後まで頑張ります! ぜひ見に来てください」とコメント。浜口藍子は、「喜劇は初めての経験ですがはりきって楽しんで集中して、みなさんに笑顔で帰っていただけるように全力でお届けします!」と意気込みを語った。【公演情報】神保町花月12月公演「振り向けば過去がいる!」12月9日 (火)19:00開演12月10日(水)19:00開演12月11日(木)19:00開演12月14日(日)14:00・18:00開演12月15日(月)19:00開演脚本・演出:宮地謙典(ニブンノゴ!)出演:朝倉ゆり・ADなぎさ・浜口藍子・針尾ありさ・弘松菜摘・諸星あずな(バクステ外神田一丁目)、ニブンノゴ!、ガリットチュウ、ポテト少年団・菊地
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スポーツ 2014年12月10日 11時45分
藤浪の“反逆”から見える虎の近未来像
“トラの恋人”中島裕之内野手(32=アスレチックス2A)のオリックスバファローズ入団会見が行われた12月7日、藤浪晋太郎投手(20)が契約更改に臨んだ。 4000万円増の8500万円でサイン−−。3年目では球団史上最高額となったのは既報通りだが、約95分間に及ぶロング交渉は『トラの近未来』を切り開く契機ともなったようだ。 藤浪が球団事務所の一室に入ったのは、同日の午後3時。トラも獲得に乗り出した中島の入団会見、ドラフト同期の大谷翔平(20=北海道日本ハム)が1億円の大台突破を果たした“速報”は、すでに阪神・球団事務所に詰めかけたトラ番記者にも届いており、経営陣も知らないはずがなかった。予定の1時間を大幅に過ぎ、藤浪が記者団の前に現れた。 「いい評価をしていただいたと思っております」 サインをしたか否かを問われた後、藤浪はハキハキとした口調でそう切り出した。予定の交渉時間を30分以上も過ぎるとは経営陣も予想していなかったようだが、その理由は藤浪の成長の早さによるものである。 「藤浪は来年1月、広島・前田健太の自主トレに同行したいと話していました。阪神は『内規』で入団3年目までは自軍施設で行うよう、通達しています。藤浪は日米野球に招集され、マエケン(前田)や各球団の先輩投手から変化球の握り、調整法を伝授されたそうです。契約更改の席では、他球団の先輩投手のもとで勉強したいと訴えるつもりだと話していいまし」(報道陣の1人) ロング交渉になった理由はそれだけではなかった。藤浪は11月に招集された『侍ジャパン』の練習環境に衝撃を受け、それを阪神でも取り入れてほしいと訴えたという。 その1つが栄養学を学ぶ環境であり、滞在宿舎などに設けられた『プロテイン・バー』だ。阪神の練習環境が遅れているという意味ではない。練習器具を増やすのなら、代表チームが取り入れているものも参考にしてほしいと伝えたのだ。 プロでまだ2年しか投げていない20歳の若者が『環境改善』を訴えたのは意義深い。 秋季キャンプで二軍首脳陣が口をすっぱくして選手に伝えていたのが「自分で考えて…」の言葉だった。練習もコーチの指示がなければ何もできない若手ばかりである。それは他球団も同じだが、一流と呼ばれる選手には多かれ少なかれ、『自分流の練習スタイル』を持っている。自分自身で目標を掲げ、そのために必要な練習は何か、どんなトレーニングをやればいいのかを考え、実力を高めていく。秋季キャンプのテーマが『自立』だった。 「来春のキャンプで江夏豊氏を臨時コーチとして招聘するのも、その一環です。伝統球団の独特の緊張感、過度な期待、注目度の高さにより、自分を見失ってしまう若手が多い。精神面でのアドバイスを、レジェンドに伝えてもらおう、と」(球界関係者) その意味では、藤浪はルーキーイヤーから周りに流されず、成長の階段を確実に上ってきた。この若さでチーム全体のことを語れるのだから、藤浪は大谷にも勝る『エースの素質』を持っているのだろう。 契約更改の交渉にも当たった高野栄一・球団本部長は報道陣に対し、大谷よりも少ない8500万円を藤浪に提示した理由をこう説明している。 「向こうは2つ(二刀流)やっているから…。ダルビッシュ、田中(将大)、前田(健太)といった投手を参考に見ていますが、それ以下になっていないと思います」 プロテイン・バーの設置などの環境改善に関しても、「侍ジャパンにトレーナーを派遣しているので聞いてみます」と“前向き”に答えていた。契約更改で環境改善を訴える選手はこれまでにもいた。だが、どういうわけか、ケンカ腰になってしまう選手も少なくなかった。経営陣と膝を突き合わせ、チームの現状を理解してもらう。そこから改善すべき点の優先事項を話し合う…。藤浪はそんな大人の交渉ができる若者でもある。 阪神はFA補強に失敗した。だが、彼の言動を見ていると、近未来像に期待が持てるのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)