工藤伸一
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芸能 2010年11月17日 18時15分
水嶋ヒロ『KAGEROU』単行本が早くも予約開始!
水嶋ヒロさんが「第5回 ポプラ社小説大賞」を受賞したデビュー小説『KAGEROU』の単行本発売日が12月15日に決定した。既にamazonなどオンライン書店での予約受付も始まっており、予価は税込1,470円。本名の齊藤智裕名義で出版されるようだが、BK1では「齊藤智裕(水嶋ヒロ)」となっている。また水嶋さんは11月5日から絢香夫人と共に公式サイトをオープンさせると共にTwitterも始めており、17日には「デザイン案がほぼ決まりました!」とTwitter上で報告している。 10月31日の受賞決定から2か月半での出版は異例の速さだが「実はまだ書いていないのではないか」などの憶測がなされたことへのフェイントとして、出版を急ぐことになったのかもしれない。何にせよ彼の作品を待ち望んでいたファンにとって、年内に読めるのは嬉しい話だ。 『KAGEROU』のように発売前から話題を呼んでいた小説といえば、昨年5月に発売された村上春樹さんの『1Q84』(新潮社)があった。事前に内容が全く明かされなかったにも関わらず、予約だけで2巻併せて初版38万部を売り切り、発売後12日で100万部を突破。今年4月に出た3巻も含め、累計300万部を超えたとか。村上さんは『1Q84』以前からベストセラー作家だったが、水嶋さんの場合は初めての単行本。果たして今年のランキングをどれだけ揺るがすことになるのか。 水嶋さんの受賞が決まる直前の10月29日に初の小説集『マボロシの鳥』を出していた爆笑問題の太田光さんは『1Q84』を超えるつもりで書いたそうである。太田さんは過去にもラジオで「同じ作家に影響を受けてきた自分から見て、村上春樹の小説はつまらない」などと豪語しており、対抗心は相当なものだったようだ。一方で水嶋さんが村上さんをどう思っているのか定かではないが、ポプラ社の公式サイトで公開されている内容説明によると「自殺を食い止める話」だそうである。12月10日から公開予定の映画『ノルウェイの森』は村上さんのベストセラー小説が原作だが、そちらは簡単にいうと「自殺を食い止められない話」であり、意識したかどうかはさておき、水嶋さんは真逆の方向性で勝負をしかけたようにも受け取れる。 水嶋さんは太田さんの小説集を読んだ感想もTwitterに記している。「ストーリーを経る毎に変化する愛のカタチにはピュアなロマンを感じます。光と闇が表裏一体であるように、物事を表と裏の両面から捉えている太田さんは凄いです。最後のページをめくると不思議とスターウォーズのテーマ曲が聴こえてきました。太田さん、どんな魔法をかけたんですか? 笑」作家らしい機転の効いた見事なレビューぶりに、これならきっと小説も面白いに違いないと思った。(工藤伸一)
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社会 2010年11月17日 16時00分
226/515/911/114 日付から見る尖閣問題
自民党の谷垣総裁は11月14日の講演で、神戸海上保安庁の主任航海士による尖閣諸島沖衝突ビデオ流出に「二・二六事件」を関連付け、菅政権の失策を批判したそうである。「二・二六事件」は、昭和11年2月26日に陸軍の青年将校らがクーデターを企て、未遂に終わったもの。そのきっかけになったのは海軍将校らが犬飼毅首相を暗殺した「五・一五事件」で、嘆願運動により「五・一五事件」犯人の量刑が軽かったことから「二・二六事件」につながったとされている。それを受け、寛大な措置をとれば更に規律が乱れるということのようだが、現時点で主任航海士の逮捕は見送られている。 命がけで国を守る海上保安官や自衛隊員は、愛国心なくては務まらない職業である。ビデオ公開の是非が審議されていた頃、東京都内で数千人規模の反中デモの指揮をとっていた民間団体「頑張れ日本!全国行動委員会」代表・田母神俊雄さんは、自衛隊の元航空幕僚長。13日には神奈川県横浜市で開催されているAPEC首脳会議に合わせ4,000人規模のデモを率いた。このように憂国の士による決起が盛んだが、ビデオ流出にしろデモにしろ、軍事的クーデターのように血を流す類のものではない。あくまで平和的な手法に則って行われている限り、頭ごなしに締め付けていいものかは疑問だ。 「二・二六事件」や「五・一五事件」になぞらえれば、11月4日に投稿されたビデオ流出は「一一・四事件」になる。その日が何の日なのか気になって確認してみたら、大正10年に原敬首相暗殺事件が起きた日だった。これは軍人絡みではなく、犯人の中岡艮一(なかおか・こんいち)は山手線の駅夫見習い。親戚に政治家もいたそうだが、今でいうフリーターみたいな感じだった。彼の尊敬する上司が「政治家は反省する時に腹を切ると言ったりするが、本当に腹を切る武士道精神を持っていない」というようなことを漏らした際に「腹を切る=原を斬る」と勘違いして凶行に及んだとされている。彼は無期懲役となったが恩赦で出獄し、神戸でムスリム(イスラム教徒)になったらしいが、没年は不明。皮肉にもここで神戸が出てくる。 またムスリムといえば「9・11同時多発テロ」はイスラム原理主義グループ「アルカイダ」によるものとされていたが、アメリカ国内ではそれ以外の政財界と癒着した陰謀論だったと考える国民も多いとか。そしてそれが政権交替にも影響していたようだが、2008年11月4日は大統領選挙でオバマ氏が選ばれた日でもあった。しかも1980年11月4日にはレーガンが当選していた。レーガンが日本に公式訪問したのは3回で、歴代アメリカ大統領として最多だそうである。APECでの来日に際し、子供の頃に来た鎌倉の寺院を再訪するなど親日派にも思えるオバマ大統領だが、果たして今後レーガンの記録を超えるかどうか。それは日本政府の対応次第だろう。日米の協力関係なくして領土問題の解決は難しいようにも思える。航海士がビデオ流出をするに辺りこの日を選んだのが偶然であったとしても、この符号には考えさせられるところがある。(工藤伸一)
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社会 2010年11月06日 15時30分
死の教育はどうあるべきか?
東京都杉並区の浜田山小学校で不適切なクイズが出されたとして、学校や教育委員会が保護者らに謝罪したニュースが、先月話題になった。なお東京都では私立小学校への「お受験」が盛んだが、浜田山小学校は公立校であるにも関わらず学区外からの入学志望者が多く、「杉並の学習院」と称されるほどに人気のある名門校だとか。 女性教師の「三姉妹の次女が、自殺した姉の葬式に来ていた男性に一目ぼれした。また彼に会うためにはどうすればいいか」という質問に対し「妹を殺して、また葬式を出せばいい」と子供たちに答えさせたというもの。これを聞いて僕は、ブラックジョークとして出来過ぎているし、以前にもどこかで聞いたことのある話に思えた。そこで同校の卒業生である知人に話を訊いてみたところ、クイズの質問部分だけ伝えた時点で「妹を殺すんでしょ」と、あっさり正解を言い当ててしまった。「どうして分かったの?」「だってそれ、八百屋お七が元ネタだから」なるほど八百屋お七の話なら何度か聞いていたはずで、単に忘れていただけだったようだ。 「振袖火事」や「明暦の大火」と呼ばれる江戸時代に発生した大火事の折、避難先の寺院で出会った僧侶見習いの男性を好きになった、八百屋の娘・お七。また火事になれば彼に会えると考え放火し、死罪になったと伝えられている。実話を題材にした井原西鶴の浮世草子『好色五人女』にも収録され、広く知られることとなった。なお「好色」とは今でいうようなエロティックなものというわけではなく「恋愛」程度の意味合いだとか。細かい史実については不明だが、彼女の墓は今も東京都文京区の圓乗寺に残っている。クイズでは火事ではなく殺人に摩り替っていたが、話の流れは似たようなものだ。 まさか子供たちの親や校長や教育委員会の方々が八百屋お七を知らないとは考えられないので、僕と同じように忘れていただけなのだろうか。それにしても子供に教育する立場の親御さんや先生方が誰もそこに気付かなかったというのは、ちょっと信じらないことではある。ニュースの続報によれば「大学時代に聞いたクイズ」とのことで、女性教師は歴史的事件が元になっているとは知らなかったようで、呆れた話である。 なお八百屋お七との関連は定かではないが、警察の犯罪心理分析官が容疑者に性格異常がないかチェックする「サイコパステスト」には、小学校で出されたクイズと全く同じものがあるという話も出ている。「妹を殺す」と答えればサイコパス(性格異常)気味と診断されるそうだが、八百屋お七のエピソードを知っていれば同じように答えるだろうから、信頼できる内容なのかどうかは疑問だ。 さておき子供向けの物語には恐ろしいものが沢山ある。グリム童話の恐ろしさを指摘した桐生操さんの『本当は恐ろしいグリム童話』はベストセラーになったし、日本の童話でも『こぶとり爺さん』『はなさか爺さん』『舌切すずめ』など、誰かが酷い目にあう話は多い。それらは欲張りや悪人は酷い目にあうと戒めるが、童話の中には必ずしも教訓を込めたものばかりではなく、何だかよく判らないが怖いものもある。それは正直者が馬鹿を見る事も少なくない理不尽な世の中の真理を伝えている気がする。 日本史や世界史でも多くの人間が殺し合ってきた歴史を教えるし、事故や殺人による訃報は常に報道されているが、その多くは時間的や地理的に遠い世界の出来事ばかりで、身近なものは少ない。人間より寿命の短いペットを飼っていたり、高齢者と同居していれば、死と接する機会は自ずと増え、大切な存在を失ったことによる悲しみも学ぶことができる。けれど最近は親子だけの核家族やペット不可の住居も多く、身近な死と直面する場面は少なくなってきているようにも感じられる。子供の自殺が増えていることもあり、死の教育の必要性が高まってきているように思えてならない。(工藤伸一)
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社会 2010年11月05日 10時00分
尖閣衝突ビデオを流出させたのは誰か!?
9月7日に尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船「みずき」と中国漁船「ミンシンリョウ5179」が衝突した際の証拠ビデオと思われる動画が、11月4日(木)深夜、動画共有サイト「Youtube」に投稿された。タイトルは「本当の尖閣海上保安庁1〜5」及び「どうなる尖閣海上保安庁6」の計6本。動画をアップしたユーザのアカウント名は「sengoku38」で、民主党・仙谷由人官房長官にちなんだものだろうか。 朝2時頃には海上保安庁が内容を確認したと時事通信が伝えており、本物が流出したとみて間違いないようだ。国会に提出されたビデオは編集済みで6分50秒しかなかったと報じられているが、今回は44分26秒もあるため未編集のオリジナル映像と思われる。そのうち「みずき」で撮影されたビデオは5本目までで、計41分57秒。最後の6本目は巡視船「はてるま」から観た2分29秒の映像。「みずきが漁船から体当たりを受けた」と報告する声も聞こえる。 最初の3本では漁船が網を揚げる様子を淡々と監視。乗務員が状況を報告する声もはっきりと聞こえる。画像は鮮明で、漁船乗組員の姿も確認できる。そして動画4本目で「本船に船首を向け挑発的な動きを見せています」と伝えられた直後「みずき」後方から漁船が衝突。並走しながら中国語で停船を呼び掛けるが、一向に停まる気配を見せない。日本語で「おい、止まれ!」英語で「STOP!」などの怒号も飛び交う。更に動画5本目で、斜め後方から二度目の衝突。いずれも進路を誤ってのものではなく、意図的に攻撃をしかけてきたようにしか見えない。そして漁船が逃走し遠ざかっていくところで動画は終わる。 先月24日にフジテレビ系列『新報道2001』に生出演していた石原慎太郎都知事は「巡視艇の乗員が海に落ちたのを漁船側がモリで突いている」と、ビデオを観た政府関係者の数名から聞いたと語っていたが、そのような場面はない。けれど後に船長の身柄を拘束しているため、動画には続きがあるはず。今回は明らかにされなかった部分にそれが含まれるのか、気になるところだ。 PC内のデータをバラまいてしまう「Winnyウィルス」などの影響による政府絡みの情報漏洩は以前から何度かあったため、いつかはこういうことになりそうだとは感じていた。けれど今回は事故的なものではなく、何者かが自ら動画を投稿したかたちだ。11月13日から神奈川・横浜市で開催予定のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議を目前に控えたタイミングだが、それに先立って予定されている日米首脳会談の日取りは未だ調整中。何らかの思惑で政府がわざと流した可能性もあると指摘する声も出ている。今後また動画の続きも公開されるのか、流出の経緯が明らかになるのか定かではないが、国民の知る権利に応えてくれた「sengoku38」氏にひとまずは拍手を送りたい。(工藤伸一)
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トレンド 2010年11月01日 08時30分
水嶋ヒロさんが早くも小説家デビュー
「第5回 ポプラ社小説大賞」の大賞受賞作が10月31日の21時ごろに発表された。小説新人賞としては破格の賞金2000万円が話題を呼んできた同賞だが、大賞が出たのは第1回の方波見大志さん『削除ボーイズ0326』以来。ところがこのニュースは意外な方向に展開する。今回の受賞作『KAGEROU』の作者・齋藤智裕さん(26歳・男性)が水嶋ヒロさんではないかとの説が、Twitterや2ちゃんねるで広まったからである。 水嶋さんは本名非公表としてきたが、全国高等学校サッカー選手権大会の準決勝にまで出場する名選手だったため、当時のサッカー雑誌か何かに掲載されていた顔写真と本名が、以前からネット上に出回っていた。そこに記載された名前は「斉藤智裕」で、受賞者とは漢字の表記が少し異なるだけ。年齢や性別も合致しており、ほぼ間違いないのではないかとの声が多数よせられた。そしてついに11月1日の朝4時に配信された「asahi.com」の記事にて、作者が水嶋さん本人であることが朝日新聞社の取材で確定。こんなに早く次の展開があると思っていなかったファンには、寝耳に水の朗報といえよう。 「執筆活動に専念する」として水嶋さんが所属事務所・研音を退社したのは、9月20日とされている。それからまだ41日しか経っていないことを考えると、あの時点で既に最終選考くらいまでは決まっていたということなのだろう。俳優が急に小説家を目指すなんて無謀ではないかとの意見もあったが、サッカー選手から慶應大生、モデル、俳優へと順調に転身を重ねてきた彼なので、今回も用意周到だったということか。 水嶋さんが主演した『仮面ライダーカブト』の主人公・天道総司も、身近な人に自分が仮面ライダーであることを隠していたようだが、今回は小説賞受賞者であることを周囲に隠していた。でもとっくにバレバレだったりする辺りが、実にヒーローっぽい天然ぶりである。ともあれ今日の午後に開かれる予定の記者会見が楽しみだ。(工藤伸一)
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トレンド 2010年10月30日 12時30分
人気Twitterユーザ「似非原」さんがホームレスに!
Twitterは、140字以内のツイートで、今なにをしているか何を考えているかを伝えられるマイクロブログ。フォローをすることでmixiやGREEのようなSNS的要素も持つが、各ツイートに「お気に入り」ボタンがついているのも特徴。Twitterはアメリカのサイトなので、最初は「お気に入り」も英語表記で「Favorite」だった。正しい発音は「フェイヴァリット」のようだが、日本人ユーザはローマ字読みで「ふぁぼり」と言ったり「お気に入り」されることを「ふぁぼられ」と言ったりもする。このボタンをクリックすると自分の「お気に入り」欄に表示されるが、更に「ふぁぼったー」や「favstar」などのTwitter関連サイトで、どのツイートが何人に「お気に入り」され、累計数は幾つかなども確認できる。 2006年6月のTwitterサービス開始から4年ほど経っているが、1万回以上ふぁぼられている人は多くはない。もともと有名人であれば10万を越えている場合もあるが、有名人でない場合は沢山ふぁぼられるのは難しい。Twitter ID @esehara こと似非原さんは、5万回以上もふぁぼられている人気Twitterユーザの一人だ。そんな彼が今月から突然、路上生活を始めた。携帯電話とノートPCは所持しているため、時おり飲食店などで充電して旺盛にツイートをしている。Twitterを使ってイベントなどを実況することを、それを得意としていたジャーナリスト津田大介さんのTwitter ID @tsudaに由来して「tsudaる」と言うが、ホームレス生活のtsudaりは見たことが無い。もしかするとあったのかもしれないが、少なくとも人気Twitterユーザのものは前例がないように思う。 ちなみに僕(工藤伸一)は、似非原さんのことはホームレスになる前から知っていたので、特に驚いたわけである。知り合ったきっかけは、松平耕一さんが編集している批評誌『新文学02』への寄稿。『新文学』創刊号は、講談社BOX主催の批評家養成企画「東浩紀のゼロアカ道場」第五回関門で、松平さんと天野年朗さんによる道場破りチームが作り、僕もその企画に参戦していたが、第一回関門で落選していた。その後、松平さんと何度か会う機会があり『新文学02』に執筆することに。同誌には似非原さんの過去の面白ツイートを松平さんが厳選した「Twitter文芸」も掲載されている。12月の文学フリマを皮切りに発売予定の『新文学03』にも、似非原さんの「Twitter文芸」の続きが収録される見込みだと聞いている。 渋谷区立宮下公園ではナイキへの公園貸与に反対しているアーティストがいて、彼ら自身もホームレスだったりしている。似非原さんが週1日くらいのペースで店員をしていた「早稲田あかね」には、それらの活動を支援する方も来店していた。路上生活に至った経緯について詳しい事情は今のところ明かされていないが、そこでの交流の影響もあったのだろうか。似非原さんは「あかね」にもそのうち復活するつもりだそうだが、元の日常をすぐに取り戻せるのか心配ではある。しかし身体を張った非日常的な日常報告は、ジャーナリスティックかつエンタメ性にも満ちていて、更に「ふぁぼられ」数は増え続けている。似非原さんが今後どうなっていくのか目が離せない。(工藤伸一)似非原路上日記http://togetter.com/li/60272新文学02についてhttp://d.hatena.ne.jp/shinichikudoh/20090814/1250583004交流イベントスペースあかねhttp://sapporo.cool.ne.jp/hommelets/akane/
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芸能 2010年10月29日 18時30分
AKB48の「マクラ大戦」疑惑について
マルチクリエイター・広井王子さん(56)さんが、アイドルグループAKB48・秋元才加メンバー(22)宅にお泊りしたとする『週刊文春』10月21日号のスクープ記事が元で、34歳差の熱愛発覚かと話題になった。2ちゃんねるには沢山のスレッドが立ち、広井さんが手がけた人気ゲーム『サクラ大戦』と、性を武器にして仕事をとる「枕営業」をかけた「マクラ大戦」なんて言葉も飛び交った。 広井王子さんといえば、『サクラ大戦』の主要ヒロイン・真宮寺さくらなどを演じた声優・横山智佐さんと同棲していたとか夫婦ではないかとも言われていた。ところが横山さんは、11歳年下のバンドマンと2009年11月に入籍。その際「初めて戸籍をいじることができました」とブログで報告していたことから、広井さんとは結婚していなかったことが分かった。 その翌年のタイミングで今回の件となると、広井さんの新恋人ではないかとも勘繰りたくなる。秋元さんは既に成人しているし、広井さんも独身であれば、法的には何の問題もない。とはいえAKB48はアイドルグループだから、合宿所に泊まり込んだだけだったとしても、ファンは怒って当然である。そもそもAKBには恋愛禁止のルールがあり、彼氏との熱愛ぶりを感じさせるツーショットプリクラが流出したメンバーは解雇されてきた。解雇騒ぎは今回の騒動の直後にも起きている。 秋元さんは広井さんに演技指導をしてもらっていたと説明しているが、確かに人気ギャルゲーをプロデュースしてきた広井さんは、男性ファンの心をとらえる女子力の演出は上手そうに思える。かつて広井さんが付き人をしていた森本レオさんも、演技指導と称して新人女優を手込めにするなんて噂がちらほらあった。石原真理さん(元の芸名は石原真理子さん)が2006年に出版した自叙伝『ふぞろいな秘密』では、17歳だった石原さんの処女を奪ったのが森本さんだったとされている。真偽の程は定かでないにせよ、スキャンダルへの危機意識は広井さんも知っていたことだろう。もし話題性を得るためにわざとスクープさせたのであれば、やましいことは何もなかった可能性もある。 さらに秋元さんが演技指導をしてもらっていた理由として、広井さんが過去に泉鏡花の作品を扱っていた点も気になる。オムニバス舞台『ACT泉鏡花』の「天守物語」で、秋本さんは魔性の姫を演じた。ファンやおじさんを手玉にとるくらいでないと魔性さは出まい。一連の騒動は、その術を身に付けるために仕掛けられた、壮大な演技指導の一環だったのかもしれない。秋元さんはファンを心配させた責任をとってAKB内のチームキャプテンを辞任したが、舞台は大成功に終わったとか。結果的に演技指導が功を奏して、見事に芸の肥しになったようである。やはり広井さんが宿泊したAKB合宿所のマクラは、本来の使用目的である睡眠のために使われただけだったのではないか。マクラそれ自体には何の罪もない。(工藤伸一)
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社会 2010年10月28日 13時00分
「ガラケー」は保護されるべき【ゆるふわクラウドてんねん代】
「ゆるふわ」と「クラウド」と「てんねん代(2010年代=天然代)」は似ていると指摘した文章の続きである。今回は具体例として「ガラケー」を取り上げたい。 9月末に発表されたシャープの電子書籍端末「ガラパゴス」のネーミングが波紋を呼んでいる。アップルのiPhoneなど世界中で支持されている機能を搭載したスマートフォンに対し、江戸時代の鎖国の尾を引く閉鎖性から独自の進化を遂げた日本のケータイは、海流の影響で外部と隔絶されたガラパゴス諸島の奇異な動植物のようであるとして「ガラパゴス・ケータイ」略して「ガラケー」と呼ばれていたからだ。その代表的機能はテレビを観られる「ワンセグ」や、電子マネー・割引クーポン・会員証として使える非接触型ICカード「FeliCa」による「おサイフケータイ」だろう。 更にシャープはau向けスマートフォン「IS03」を今冬に発売予定だが、こちらはアップルやマイクロソフトのスマートフォンに対抗すべくグーグルが開発したOS「Android2.1」と「FeliCa」や「ワンセグ」を搭載した「スマート・ガラケー」とでも呼ぶべき、かつてない仕様。来春発売予定の富士通東芝モバイルコミュニケーションズ「REGZA Phone IS04」もIS03同様の「スガケー」で、しかも12.2メガカメラと4インチのモニタに防水機能が付いている。最新のiPhone4のモニタは3.5インチでカメラは5メガかつ防水機能がないため、それを凌ぐスペックで勝負に挑む意気込みが感じられる。その他「IS05」のモニタは3.4インチで小さめだが、ワンセグ・おサイフに、最新のAndroid2.2と自分撮りがしやすいインカメラが付いている。「IS06」のみ、ガラケー要素を排したスマートフォン路線になるようだ。 さて「スマートフォン VS ガラケー」とクラウドの関係は何か。巨大なスーパーコンピュータによる一極集中ではなく、普通のPCによる助け合いで負荷を分散するクラウドコンピューティングは、それぞれの個性を維持しながら威力を発揮できる側面も持つ。これは絶滅危惧種を守るべきだとして最近注目されている「生物多様性」の活発な議論ともリンクする。そもそも「ゾウガメの島」という意味を持つ「ガラパゴス」を、トカゲを意味する「ザウルス」の名を冠したPDA(携帯情報端末)を出していたシャープが採用するのは、イメージ的にも自然な流れだ。ガラパゴス諸島に住む動物たちの独特な生態系がダーウィン進化論の成立に大きく貢献したことを考えると、ガラパゴス的文化は尊重されるべきものだとも言える。 モバイル市場はiPodやiPhoneが登場する以前から日本が率先してきた分野でもあった。ソニーのウォークマンや任天堂のゲームボーイは世界中で人気があり、今も後継機は売れ続けている。閉鎖的な文化というなら日本語も同じだが、開国の頃に日本語を捨てようという声こそ出ていたものの、そうしなかったがゆえに川端康成さんや大江健三郎さんがノーベル文学賞を受賞するなど、世界に誇る現代の日本文学を生み出すことができた。あるいはそれがなければジャパニメーションと呼ばれ世界を席巻した、日本独自のアニメやゲームも育たなかったかもしれない。哲学者の東浩紀さんも『動物化するポストモダン』において、オタク文化は江戸文化に通じるところがあると考察していた。江戸時代に活躍した葛飾北斎らの浮世絵が、ゴッホなどヨーロッパの印象派画家にも影響を及ぼしたように、閉鎖的環境で純粋培養されなければ獲得できないイノベーション(技術革新)もあるということだ。 だからガラパゴス諸島の絶滅危惧種が保護されるように、ガラケーも世界遺産として保護されるべきであろう。そして多様な天然の地域文化とゆるく助け合いながら、空を漂う雲のようにふわりと共生していくのが、真の地球主義(グローバリズム)ではないだろうか。(工藤伸一)
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社会 2010年10月01日 16時30分
ノーベル賞作家らが講演 国際ペン開会式(2)
9月26日(日)の国際ペン東京大会開会式では作家2名による基調講演が行われた。マーガレット・アトウッドさんはカナダ在住で、アーサー・C・クラーク賞やブッカー賞を受賞。高行健(ガオ・シンジェン)さんは中国出身でフランス在住。2000年にノーベル文学賞を受賞している。 アトウッドさんの講演。 「何を書くべき書かざるべきとお説教するつもりではない。それは説教者自身の首も絞める。ヴォネガットは苦情の手紙に“自分で書けば?”との刻印を押した。明言なのでTシャツにしてほしい。空気・水・食糧がなければ文学は存在しない。人がいなければ読者がいなくなる。だから環境保全は文学が成立するための大前提。知的生物が全滅し他星からの来訪者が文献を解読するSFは多い。既にマヤなど滅んだ文明は多い。私はトースターやPCと共に埋葬され地球外学者の研究に役立ちたい。文学は自然の中で種を存続させる知恵を伝えるべく生まれた。シャーマンが語る死者や別世界の話にも事実は含まれていた。物語る能力は超自然的な魔力として迫害もされた。だが超自然は自然そのもの。物語は自然から教えを請うための魔除けかもしれない」 高行さんの講演。 「自然や社会環境はメディアの重要トピックだが破壊は加速するばかり。人類の生存条件を明らかにすべく現在をどう描くか。文学が政治介入しても奉仕させられるだけ。政権は大長編の完結を待たず崩壊する。イデオロギーからの脱却が必要。哲学は完全を目指すが文学は不完全な美を描く。美は主観であり善悪ではない。カフカやカミュやベケットの不条理は神や運命や死と同義。今も状況は殆ど同じ。文学は進化を超越しており進化史として記録できない。先人の作品を参照して座標を求め文化を更新すべき。その時その場所の人生を深く描けば政府の歴史書より役に立つ。英国混乱期にシェイクスピアが登場したように停滞した時代にこそ文学が必要だ」(工藤伸一)
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社会 2010年09月30日 13時30分
高校生による島唄も 国際ペン開会式(1)
第76回国際ペン東京大会は9月26日(日)に開会式を迎えた。日本での開催は1957年と1984年に続き3度目。テーマは、環境と文学「いま、何を書くか」。フォーラムやセミナー、朗読会は23日から始まっている。関連行事は30日まで各所で行われ、入場無料で一般参加できるものも。 今年4月に亡くなった井上ひさし氏(日本ペンクラブ前会長)の群読劇『水の手紙』で幕開け。「人間の80%は水。水から産まれた私たちは水そのもの。隅田川の水はテムズ川に繋がる。地球の水はひとつだ」と環境保護の大切さを訴える。 阿刀田高氏(日本ペンクラブ会長)は「今回のテーマには、現実直視と未来を見通す文学者の力を発揮することで、様々な環境を改善していけたらとの思いが込められている。獄中作家委員会の創立50周年目でもあり、自由に表現できる環境を目指したい」と挨拶。 ジョン・ラウルストン・サウル氏(国際ペン会長)は「文化の中枢たる言葉を操る作家は、権力者にとって脅威。だから文学は弾圧を受ける。ブロガーやジャーナリストが処罰されるケースも増えている。言葉は政局の道具ではない。自分本位でもチャリティーでもなく言葉を取り戻すために書く。そして表現された言葉は人々のものになる。地球の所有者として声をあげてほしい」と。 伴野豊氏(外務副大臣)は「日本人である前に地球人。自然の一部として世界と溶け合うべき」と話し、土田健次郎氏(早稲田大学副総長)は「本校の卒業生や中退者には作家が多数いる。同校出身の阿刀田会長の意向により大隈講堂での開会式が実現した」と語った。 また奄美高校郷土芸能部の高校生らが「島に生きる」と題し、沖縄の島唄を披露。奄美特産の大島紬をまとった女子6名による歌と踊りに三味線、ハッピを着た女子15名の太鼓に男子3名の口笛で、祭りの熱気を再現。海外ゲストらはスタンディング・オベーションで感激を伝えた。(工藤伸一)
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