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水嶋ヒロ『KAGEROU』単行本が早くも予約開始!

 水嶋ヒロさんが「第5回 ポプラ社小説大賞」を受賞したデビュー小説『KAGEROU』の単行本発売日が12月15日に決定した。既にamazonなどオンライン書店での予約受付も始まっており、予価は税込1,470円。本名の齊藤智裕名義で出版されるようだが、BK1では「齊藤智裕(水嶋ヒロ)」となっている。また水嶋さんは11月5日から絢香夫人と共に公式サイトをオープンさせると共にTwitterも始めており、17日には「デザイン案がほぼ決まりました!」とTwitter上で報告している。

 10月31日の受賞決定から2か月半での出版は異例の速さだが「実はまだ書いていないのではないか」などの憶測がなされたことへのフェイントとして、出版を急ぐことになったのかもしれない。何にせよ彼の作品を待ち望んでいたファンにとって、年内に読めるのは嬉しい話だ。

 『KAGEROU』のように発売前から話題を呼んでいた小説といえば、昨年5月に発売された村上春樹さんの『1Q84』(新潮社)があった。事前に内容が全く明かされなかったにも関わらず、予約だけで2巻併せて初版38万部を売り切り、発売後12日で100万部を突破。今年4月に出た3巻も含め、累計300万部を超えたとか。村上さんは『1Q84』以前からベストセラー作家だったが、水嶋さんの場合は初めての単行本。果たして今年のランキングをどれだけ揺るがすことになるのか。

 水嶋さんの受賞が決まる直前の10月29日に初の小説集『マボロシの鳥』を出していた爆笑問題の太田光さんは『1Q84』を超えるつもりで書いたそうである。太田さんは過去にもラジオで「同じ作家に影響を受けてきた自分から見て、村上春樹の小説はつまらない」などと豪語しており、対抗心は相当なものだったようだ。一方で水嶋さんが村上さんをどう思っているのか定かではないが、ポプラ社の公式サイトで公開されている内容説明によると「自殺を食い止める話」だそうである。12月10日から公開予定の映画『ノルウェイの森』は村上さんのベストセラー小説が原作だが、そちらは簡単にいうと「自殺を食い止められない話」であり、意識したかどうかはさておき、水嶋さんは真逆の方向性で勝負をしかけたようにも受け取れる。

 水嶋さんは太田さんの小説集を読んだ感想もTwitterに記している。「ストーリーを経る毎に変化する愛のカタチにはピュアなロマンを感じます。光と闇が表裏一体であるように、物事を表と裏の両面から捉えている太田さんは凄いです。最後のページをめくると不思議とスターウォーズのテーマ曲が聴こえてきました。太田さん、どんな魔法をかけたんですか? 笑」作家らしい機転の効いた見事なレビューぶりに、これならきっと小説も面白いに違いないと思った。(工藤伸一)

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