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社会 2020年06月08日 12時00分
安倍政権で再び浮上した東京都知事選との「ダブル選挙」
安倍政権の支持率がジリジリと低下、危険水域に突入しようとしている。永田町の水面下では「首相が東京都知事選とのダブル選挙を仕掛けるのではないか」という声が再び急浮上していた――。 直接のきっかけは、立憲民主党の枝野幸男代表の発言だ。新型コロナウイルス緊急事態宣言が全面解除された5月25日、党会合で「解散総選挙がいつあってもおかしくない」と言及したからだ。 全国紙政治記者が言う。「安倍政権が5月25日に東京など首都圏を含めた全国の緊急事態宣言を解除したことは、第1波の新型コロナの収束宣言です。本来は感染者も死者も極めて少なく、世界の中でも賞賛に値する勲章もの。にもかかわらず、各メディアの最新世論調査では安倍内閣支持率は毎日新聞で27%(5月23日)、朝日新聞で29%(同23、24日)と第2次安倍政権発足以来の最低支持率に見舞われてしまった」 最大の原因は検察庁法改正案だ。政治家の逮捕も可能な検察の人事は、これまで政治不介入の聖域とされてきた。ところが、安倍政権が目論んだのは、検察トップ人事に影響力を及ぼす危険性のある法改正。狙いは、安倍政権寄りの黒川弘務・東京高検検事長を検事総長に据えること、と指摘された。 その黒川氏は検察庁法改正案が国会論議の真っ最中、賭けマージャンに興じていたことを5月21日発売の週刊文春で暴露されてしまった。結果、世論は検察庁法改正反対のムード一色となったのだ。「文春砲を受け、黒川検事長は辞任し、改正案は先送り。ほぼ同時に、自民党内からも公然と安倍批判が沸き上がり、政権末期の様相に陥った」(同) 自民党中堅議員も安倍政権の危うさをこう分析する。「永田町には、かつての青木幹雄元参院会長が唱えた『青木の法則』がある。政権支持率と政党支持率を足した数値が50%を切れば、その政権は半年以内に倒れるという法則です。今回の毎日新聞、朝日新聞の調査で毎日新聞は足した数値が52%、朝日新聞は55%と倒閣に近づいている」 そんな大逆風の中、なぜ解散総選挙の風が吹くのか。新型コロナ禍は完全に終息したわけではない。5月末には北九州市や東京などで第2波と思われる感染者増が起きている。 さらに、決定的なのは緊急事態宣言で日本経済は飲食業を中心に自粛を強いられ、厳しい経営難に直面している。中小企業の倒産は相次ぎ、リーマン・ショック(2008年)、東日本大震災(2011年)以上の経済不況が確実視されており、安倍内閣が解散総選挙など打って出られる環境とはとても思えない。 枝野代表らをはじめとする永田町界隈の「都知事選とのダブル選挙もある」という声は現実的ではない。「もちろん、コロナ禍は完全に払拭されていない。しかも、安倍政権は低支持率。到底、選挙など無理というのが普通の政治家の発想だが、安倍首相は逆。野党は大多数の国民から国政の担い手として信頼されていない。求心力が衰えた安倍政権が総選挙を打つのは『野党が弱すぎる今しかない』という強気の発想なんです」(永田町消息筋) 確かに、先の朝日新聞の最新調査で自民党支持率は前回の30%から26%に下がった。しかし、野党の支持率は最高で立憲民主党の5%がやっと。安倍首相は支持率が危険水域になっても、野党がだらしないため、『青木の法則』は例外と高を括っているわけだ。「前回2017年の284議席の大勝は無理にしても、必ず勝てると自信満々ですよ。逆に安倍首相にすれば、このタイミングで解散総選挙をやらないと、支持率は20%を切り、与党内から退陣勢力が強まりかねない。つまり、今がラストチャンスというわけです」(同) 自民党幹部が続ける。「安倍政権も選挙を十分意識しているから、トータル事業規模234兆円、GDPの4割に達するコロナ対策費を打ち出した。その中には好評の10万円給付もあるし、ありとあらゆるところに徹底してカネをバラまき、クサビを打ち込んでいる。不評の検察庁法改正もあっさり先送りした。そして、ここでもう一つ総選挙を仕掛けトドメの経済対策をやる。安倍政権の隠し玉は消費税を5%か8%に引き下げる案です。国民の信を問い引き上げた消費税だけに、下げる時も国民の信を問うという論法だ。引き下げを説く政権に異論を唱える有権者は少ない」 東京都知事選とのダブル選挙については、「都知事選は6月18日告示、7月5日投票が確定している。小池都知事が満を持して出馬表明し、宇都宮健児弁護士、ホリエモンこと堀江貴文氏らとの戦いになるでしょう。一方、国会は会期末が6月17日です。会期末解散で7月5日投票なら衆院選選挙期間は12日間だから6月23日公示となる。安倍首相が解散をヤル気なら、コロナ禍でも消費税引き下げの大義名分がある。ダブル選挙で首相が小池支持に回り、共に選挙カーからコロナ終息での共闘を訴える。小池都知事の支持率はいまだ高いだけに、相乗効果は抜群。野党は足並みがそろわないから、いくら低支持率でも安倍政権の勝利は動かないでしょう」(選挙アナリスト) かくして、安倍首相はダブル選挙で勝ち、コロナを完全に抑えれば、2021年開催の東京五輪で首相のまま居座れる。死に体、安倍政権がゾンビのように復活する究極の手法が解散総選挙なのだ。
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社会 2020年06月08日 11時50分
『サンモニ』青木理氏、横田滋さん死去で「結果的に何も進まなかった」発言に「政権批判に利用するな」と批判
7日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、ジャーナリストの青木理氏が、6月5日に死去した北朝鮮拉致被害者横田めぐみさんの父で、拉致被害者家族連絡会の代表を務めた横田滋さんの名前を出して「安倍政権批判」をしたことに、視聴者から批判の声が上がっている。 番組は北朝鮮が設置した「南北共同連絡事務所」の撤廃や南北軍事合意の拒否を示唆していると紹介する。このニュースについてコメントを求められた青木氏は、「横田さんの亡くなったニュースもありましたけれど、拉致問題っていうのが、今の安倍政権のある意味、一丁目一番地ってかね。この問題で日朝首脳会談時に強硬な姿勢を取ったっていうことで、当時官房副長官だった安倍さんが一気に政界の階段を駆け上るきっかけになったんですね」と持論を展開する。 さらに、「この7年を見てみると、とにかく圧力を掛ければいいんだっていう路線で。最近は今度無条件の話をすると言ってるんだけど、結果的に何も進まなかった。日露にしても日中にしても、それからひたすらアメリカに追随するっていうこと姿勢にしてもね、安倍政権の外交ってなんだったんだろうかっていうことを、その北朝鮮のことも含めてですね、少しそろそろ総括をする時期に入ってきている」と話す。 続けて、「考えてみると、『何の結果も残せないんじゃないか』っていうようなことを言う人もいるんですね。なので、そろそろ総括するべきなのかなと僕はしていますけどね」と横田さんの名前を出し、安倍政権の外交政策批判に繋げた。 この発言に、一部視聴者から「横田さんの死を政権批判に利用している。許せない」「北朝鮮との交渉については、民主党政権もなんら動いてないし、むしろ軽視していた感がある。自民党政権にも責任はあるが、一部被害者の帰国には繋げている。拉致はないと言い続けていた党や民主党にも責任があるのに、なぜ安倍政権だけを批判するのか」「日本の国会議員全員が横田さんの想いに答えてあげられなかった。安倍さんは実際に北朝鮮に行ってるし、よくやってくれたほうなのではないか」「コロナ禍に外交の総括なんかしている場合じゃない。横田さんが亡くなったことに乗じている」と批判が殺到することに。 ただし、「安倍政権が外交で何も結果を出していないのは事実」「政権批判して何が悪い。実際政権が悪い」「とにかく安倍政権は責任を取れ」と、青木氏に同調する声もあった。 青木氏の主張についての是非はともかく、「横田さんの死を政権批判の道具にした」という印象を持った人がいたことは事実。そんな青木氏の発言に、思想を問わず発言を残念に思う視聴者が多かった。
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スポーツ 2020年06月08日 11時40分
西武・松坂、客寄せパンダじゃなかった? 1週間前の評価から一転、辻監督が開幕ローテ「無理」と断言したワケ
一週間余りで評価が一変した。6月7日の対中日戦後、埼玉西武・辻発彦監督から正反対のコメントが出た。 本拠地・メットライフドームで行われた中日戦で、注目の松坂大輔が3番手としてマウンドに上った。先頭バッターには四球を与えたが、その後はノラリクラリと変化球を内外角に散らし、無失点に抑えてみせた。昨季まで在籍していた中日の元同僚たちは一同に賛辞を送り、松坂も笑顔でベンチに下がって行った。 しかし、辻監督だけは違った。試合後の共同会見で「松坂の開幕ローテーション入りは?」と聞かれるなり、 「いや、無理でしょう、まだ」 と、言い切った。さらに、「ここで1イニングしか投げられないぐらいだったら、無理だと思います。悪くはないけど、良い時の松坂ではない。下(二軍)の方でローテーションを組めるようになれば」とも言った。 その言葉の通りなら、開幕一軍メンバーから脱落したことになる。当の松坂は「今日は試合カンを取り戻す、バッターと対戦することで感覚を思い出す作業がメインでした」と球団を介し、投げ終わった直後の笑顔からややトーンダウンしたコメントを発表した。 話は、5月27日に遡る。同日、50球弱だが、松坂はブルペンでの投球練習を行っている。辻監督もそれを見守り、「しっかり放れている。これだけ投げられているというのは、肩のトレーニングができているから」と評価していた。この時点で“開幕ローテーション入りは確定”と思われたが、一週間余りで指揮官の評価はガタ落ちしたわけだ。 また、辻監督は「1イニングしか投げられないようなら」とも言っていた。松坂は2イニング以上の登板が予定されていて、故障個所である右膝が“悲鳴”を上げたのか。こんな情報も聞かれた。「当初から1イニングの登板予定でした。右膝以外はほぼ万全なので、調整の一環で投げさせたんです」(球界関係者) とは言え、辻監督は「二軍でローテーション入りすれば」とも語っていた。この課題をこなすのはちょっと難しそうだ。 松坂が復活勝利を挙げた2018年、その登板間隔は“特別待遇”だったと言っても過言ではない。森繁和監督(当時)が投手コーチなどに状態を聞き、登板イニング数も松坂と話し合っていた。ローテーション入りとは、「中6日」の間隔で投げ続けること。2、3度ならともかく、今年40歳になるベテランにそれを継続させるのはかなり厳しいと思うが…。 「辻監督の松坂評を聞いて、西武は優勝を狙うチームなんだと再確認させられた関係者も少なくありません。エコ贔屓、特別待遇はしないという宣言ですよね」(前出・同) 19-20年オフ、辻監督は松坂の西武帰還について、「男気を感じる」とも話していた。右膝は回復に向かっているという。7日のピッチングは結果だけ見れば、ゼロに抑えたのだから、一軍で投げさせようと思えばできないこともないだろう。あえて、「良い時の松坂ではない」と言い切ったのは、中途半端な状態で投げさせて恥をかかせたくないとする指揮官の温情かもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年06月08日 11時00分
オリックス、開幕投手は予定通り2年連続で山岡泰輔!
19日に本拠地、京セラドーム大阪で東北楽天を相手に今シーズンをスタートさせるオリックスの開幕投手が、山岡泰輔に決定した。山岡は当初予定されていた3月20日の開幕戦でも、開幕投手として指名されており、新型コロナウイルスの影響で、シーズンが3か月延期されたが、オリックスは予定通り、山岡が2年連続の大役を務める。<オリックス練習試合成績>▼6月2日〜4日 大阪・京セラドーム大阪オリックス(山本) 1-2 (二保)ソフトバンクオリックス(アルバース) 5-10 (石川)ソフトバンクオリックス(荒西) 3-3 (バンデンハーク)ソフトバンク▼6月5日〜7日 大阪・京セラドーム大阪オリックス(山岡) 5-0 (大瀬良)広島オリックス(田嶋) 6-10 (床田)広島オリックス(山本) 6-3 (森下)広島(カッコ)内は先発投手※6試合2勝3敗1分け 山岡は5日の広島との練習試合に登板。7回を被安打1、奪三振5、無失点の好投を披露。「新しい球種のシュートを試すこともできましたし、久しぶりに打者相手に抑えられたということはよかったと思います。しかし、抜けたボールも多かったと思いますので、もう一試合の登板でしっかりと調整できたらと思います。開幕投手を伝えられたのは、全体練習が再開したころだったと思います。昨年の開幕戦は一球の大切さを感じましたし、悔しい思いもしました。リベンジの機会を与えていただいて嬉しく思います。そういった部分も含めて、慌てすぎず、しっかりと準備したいですね」と開幕に向けた意気込みを語っていた。 9日からは、福岡に乗り込みPayPayドームで、再びソフトバンクと3連戦、そして12日からは、京セラドームに戻り、阪神と3連戦を行い、最後の練習試合6連戦で、開幕ローテーション、開幕スタメン、開幕一軍選手の絞り込みを行っていく。ボーダーラインにいる選手にとっては、毎日が勝負の試合になることだろう。(どら増田)
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社会 2020年06月08日 06時00分
寄付金のため? インフルエンサーの女性が競売サイトに出品したものに批判 中止し謝罪も収まらず
新型コロナウイルスの医療支援や被害に遭った人のために、国内外で寄付活動が行われているが、海外では自身のとあるものを売り、新型コロナウイルスの支援金として寄付をすると発表した女性が話題になっている。 インドネシアでインフルエンサーとして有名な若い女性が、新型コロナウイルスの被害を受けた人のために、自身の処女を競売にかけ、そこで得た金銭を寄付すると発表して批判を浴びたと、海外ニュースサイト『VICE』と『India.com』が5月25日に報じた。女性はInstagramで34 万人近くのフォロワーを持ち、自身のアカウントで化粧品を紹介するなど、インフルエンサーとして活動していた。 報道によると、5月20日、女性は自身のInstagramのアカウントに動画を投稿し、自身の口から「自分の処女を競売にかけ、そのお金を全額、新型コロナウイルスの被害を受けた人々に寄付します」と発表したそうだ。女性は競売サイトに自身の処女の販売を登録し、値段は20億ルピア(約1500万円)からスタートさせた。 >>映画に影響を受けた男、出会い系アプリで女性からお金を騙し取る 映画に批判の声も<< 競売をスタートさせてすぐ、女性の元に「寄付ではなく売春婦のようだ」「女性を軽視している」と言った批判が多数寄せられた。批判が寄せられたことで女性は競売サイトから自身の処女の販売を削除した。 女性はその後、すぐに自身のInstagramのアカウントで処女の販売を取りやめたことを報告するとともに、「論争を巻き起こしてすみません。処女の競売はちょっとした冗談でした」と謝罪した。しかし、謝罪文を受けてさらに批判が殺到し、「冗談だったという方が最低」「窮地に追い込まれたから冗談だと言っただけ」などの声が寄せられた。現在、自身の処女を競売にかけると発表した動画の投稿は削除されているが、謝罪文の投稿は残っており、謝罪文の投稿には6月5日現在、19万近い「いいね」がついている。 このニュースが世界に広がると、ネット上では「寄付はいいことだけど処女を売るという発想は良くなかった」「女性の売名行為では」「冗談で競売サイトに販売の登録をすることは利用規約違反に当たらないのか。サイト側も迷惑」「どんな形にせよ、寄付をすることは素晴らしい」などの声が挙がっていた。 今回、この女性は自身の体を使った寄付に失敗したが、一方で成功した女性もいるようだ。 オーストラリアでモデルとして活動している20歳の女性が、2019年末から起きたオーストラリアの山火事への寄付と引き換えに、自身のヌード写真を送ると発表したと、海外ニュースサイト『INSIDER』と『Vox』が1月8日までに報じた。 同記事によると、女性は1月3日、自身のTwitterに「山火事を支援する団体に10ドル(約1090円)以上寄付した人には、私のヌード写真をメッセージに添付して送ります。寄付したことを証明するものを私にダイレクトメッセージで送って下さい」と投稿したという。女性の元には多くの寄付の報告が寄せられ、初日には約2万件の寄付証明が届き、寄付金の合計は4日間で100万ドル(約1億900万円)以上に達したそうだ。 主な寄付先はオーストラリアの慈善団体や世界自然保護基金だった。女性は実際に10ドル以上の寄付をした人全てにヌード写真を送っている。 自身の性を利用した寄付には賛否があり、目を引くアイデアであっても常識の線引きが必要だろう。記事内の引用について「An Indonesian Influencer Offered to ‘Auction Off’ Her Virginity for Coronavirus Relief」(VICE)よりhttps://www.vice.com/en_au/article/5dzp8k/indonesia-influencer-auction-virginity-coronavirus-relief「Instagram Influencer Auctions Her Virginity Online to Raise Funds for Covid-19, Apologises After Outrage」(India.com)よりhttps://www.india.com/viral/instagram-influencer-auctions-her-virginity-online-to-raise-funds-for-covid-19-relief-apologises-after-outrage-4038974/「A social-media influencer giving out nudes in exchange for donations to fight the Australian bushfires says she has raised $700,000」(INSIDER)よりhttps://www.insider.com/model-offers-nudes-scheme-donate-australian-bushfires-raises-700k-2020-1「Nude photos raised over $1 million for the Australia fires」(Vox)よりhttps://www.vox.com/the-goods/2020/1/8/21056863/australia-fires-nudes-charity-porn
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社会 2020年06月08日 06時00分
田中角栄「怒涛の戦後史」(25)元通産省事務次官・小長啓一(下)
通産大臣秘書官の小長啓一が『日本列島改造論』出版チームのまとめ役として汗を流した結果、本は昭和47(1972)年7月の自民党総裁選を前にした6月に完成した。 田中角栄が「ポスト佐藤(栄作)」の総裁選出馬を決意したことで、田中派幹部の二階堂進(のちに田中内閣官房長官)や田中の秘書の早坂茂三(のちに政治評論家)らから、「まだ出来ないか」「6月半ばの刊行は絶対に譲れないのだ」といった、やいのやいのの催促もあった。 また、その間には本のタイトルをどうするかでもだいぶ揉めた。当初、候補に挙がっていたのは「国土改造」「国土総合開発」などだったが、田中は「ちょっと堅いな」と首をタテには振らなかった。やがて小長が「日本列島改造論」と書いた紙を見せると、田中は「うん。これが一番分かりやすい。これで行く。ご苦労さん」と言って、表情を緩めたのだった。 田中は7月の総裁選に向け、右手にこの雄大な構想である『日本列島改造論』を、左手に「決断と実行」のキャッチフレーズを掲げて出馬、ライバルの福田赳夫を競り落として首相の座に就いた。尋常高等小学校卒、持ち前の明敏な頭脳に努力を重ね、それまでは官僚出身の天下だった政界に、「叩き上げ」が奇跡を起こした瞬間だった。「今太閤」「庶民宰相」との国民の熱烈な声に迎えられ、首相就任当初の支持率は、当時としては異例の60%を超えた。また、『日本列島改造論』は、最終的に93万部を超える大ベストセラーとなったのだった。 田中が首相に指名された7月6日、これで通産大臣秘書官から解放されて本省に戻れると思っていた小長に、すでに官邸に入っていた田中から呼び出しがかかった。小長は首相就任のお祝いの言葉の一つも送ろうと思っていたが、小長の顔を見るなり田中が切り出したのだった。「君、(総理)秘書官頼むぞ。列島改造をやってくれ」 いかにも、せっかちの「角さん」らしかった。やってくれるかではなく、ズバリ「頼むぞ」である。小長はその瞬間、通産大臣秘書官から総理大臣秘書官となり、2年余の政権を支えることになったのだった。 小長は総理大臣秘書官となって間もなくの、こんな思い出を語っている。「田中さんの日中国交正常化で、私も中国に同行した。向こうの人民大会堂で、突然、私に手を差し伸べてきた人がいた。なんと周恩来首相で、『あなたが“日本列島改造論”のゴーストライターですか…』と言われた。中国側の調査能力の凄さには、驚かされたものです」(『週刊新潮』2015年12月17日号) 人生において乗るかそるかのとき、物事を任せられる優秀な部下と出会えるかで、その後の運命もまた大きく変わる。小長という“忠臣”と出会った田中には、「運」の強さがあったということだった。田中の「報恩」次官 小長には忘れられない田中との思い出が、山ほどあるようだった。「初めて通産大臣秘書官として目白のご自宅に伺ったとき、いきなり田中さんから『今朝の新聞にはこう書いてあったが、これはどういうことか』と聞かれたことがあった。朝、早かったため、私は新聞を読んでいなかったが、その日のうちに全国紙など7紙の購読申し込みをしたものです。 田中さんという人は、決して人に『勉強しろ』とは言わないが、自然と人を勉強しなければならない状況に追い込んでしまう人だった」(前出『週刊新潮』) また、田中自身の「勉強家」については、こんな話もある。 田中は宴席に出ても、夕飯は目白の自宅でとるのを常とした。その後、風呂に入っていったん就寝、夜中の1時から2時ごろに起きて床の中で書類などに目を通し、また4時ごろひと眠りのあと6時には起き、7時すぎからの陳情客に備えるというものである。 そうした中、通産大臣秘書官の小長らは、夜のうちに翌日の国会での答弁資料などをつくり、田中の自宅の郵便ポストに入れておくことになっていた。それを、夜中に目を覚ました田中が自分で取りに行き、床の中で確認するというものだった。「勉強家、努力家、記憶力の凄さ、人への気配り、どれを取っても飛び抜けていた。あのようなタイプの政治家が出ることは、二度とないのではないか」 これも小長の述懐だが、小長が総理大臣秘書官を辞めて本省に戻り、やがて通産省事務次官となったさなかに、田中は脳梗塞で倒れることになる。 小長は岡山大学の法文学部卒、東大法学部卒がしのぎを削る通産省では異例の学歴だった。「岡山大卒の小長の次官就任は、田中のさしがねにほかならなかったのでは」との見方が、現在の経産省にも残っている。 田中の「報恩」ということのようであった。(本文中敬称略)***************************************【著者】=早大卒。永田町取材50年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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ミステリー 2020年06月07日 23時00分
古代マヤ文明、最古にして最大の建造物発見か
4日、イギリスの科学誌ネイチャーが、メキシコ南部のアグアダ・フェニックス遺跡より、古代マヤ文明最大規模とみられる建造物が発見されたと発表した。紀元前1000〜800年頃に築かれたとみられており、南北約1400メートル、東西約400メートル、体積は320万〜430万立方メートルに及ぶ巨大なものであった。上部には平面上の基壇(※きだん、石や土を組んで高くした部分で、上の建物を支えるために組まれる)があり、周辺から未使用の石斧などが発見されたことから、この巨大建造物は古代マヤの初期、社会的な階層ができていない時代に築かれ、共同祭祀に使われた場所であると考えられている。 >>「2020年3月20日に人類が滅亡する」!?世間を騒がせたマヤ暦とインド歴の予言とは<< 今回の研究は、2017年より日本やアメリカ、メキシコなど多くの国が参加した合同研究チームによる発掘調査の結果判明したもの。アメリカ・アリゾナ大の猪俣健教授や日本の茨城大、岡山理科大の研究チームが、グアテマラ国境近くのタバスコ州にて、航空レーザー測量やドローン等を用いての地上探査を実施し、翌18年には森林や牧草地になっていた場所の地下に、今回の建造物が含まれるアグアダ・フェニックス遺跡を発見する運びとなった。 今回の遺跡からは、権力者を示す彫刻などは見つかっておらず、研究者らからは、人々が集まった後に共同体としてのアイデンティティを確立するため、みんなで立てたものではないかという説が出てきている。言わば、マヤ文明における最古かつ最大の公共事業だったと言える。 だとすると、古代マヤ文明はこの場所から芽吹き始めたのだろうか。今後の調査・研究結果が楽しみである。(山口敏太郎)
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社会 2020年06月07日 22時30分
ショッピングビルで幻覚を見た少女が店員を刺殺!【背筋も凍る!女の事件簿】
かつて大阪府南区難波にあった某レジャービルの地下2階には、大きな池があった。 多くの店が立ち並ぶこのビルの池では、ショッピング客の憩い場として機能していたのだが、この池を舞台に衝撃的な事件が発生したのは、今から41年前の1979年2月のことであった。 1979年2月12日13時頃。池の近くの婦人用トイレで「キャー!」という女性の声が聞こえた。しばらくして、顔に血がべっとりついた若い女がヨロヨロとトイレから出て来て、「トイレで人を刺した…」とポツリとつぶやいたという。 >>女性が男性を線路へ突き飛ばし!?西船橋駅ホーム転落死事件【背筋も凍る!女の事件簿】<< 周囲は次第にパニックになり、騒ぎを聞きつけた巡回中の警察官が駆け付けると、そこには血まみれになりトイレで倒れていた女性、そして出刃包丁が転がっていた。 警察は顔に血の付いた女を逮捕。トイレに倒れていた女性はすぐに病院へ運ばれたが、背中を何度も刺されたため、すい臓や十二指腸、胃などが著しく傷ついており、しばらくして死亡した。いったい、この二人に何があったのだろうか。 刺された女性は、このビルに勤める25歳の店員Aさん。そして、Aさんを刺したのは、なんと年齢僅か17歳の無職女性・Bであった。 二人に面識はなく、犯行を目撃した人によると、Bが隠し持っていた出刃包丁を使い、Aさんの背中を突然刺したのだという。 実はこのB、元は喫茶店のウェートレスをしていたが、素行不良で退社。また、同時期に覚せい剤にも手を染めており、何度か幻覚症状を見て、病院に運ばれ、補導されていた過去があった。今回の凶行も、覚せい剤を使った幻覚から人を刺したもので、Bは逮捕後、「刑務所に入りたかった」「殺す相手は誰でもよかった」と口走っていたという。 げに恐ろしき覚せい剤乱用による衝動的殺人であるが、いったい何故17歳の少女が覚せい剤に手を染めてしまっていたのだろうか。 実は1970年代後半から1980年代初頭まで、大阪では一般市民を中心に覚せい剤汚染が広がっていたという。 特に、高校生など若い学生の間ではグループ単位で、暴力団から覚せい剤や大麻などを手にする不良学生が相次いで検挙された事件もあり、また20代~30代の若い世代のトラック運転手やタクシー運転手などにも覚せい剤の売買が行われていたという。 そのため、覚せい剤の大量摂取により、幻覚から犯罪を行う若者が例年よりも多く検挙されたのが1979年であり、本事件は「10代女性に広がる覚せい剤汚染」を世間に社会問題として強く訴えた事件であった。 なお、この2年後には、同じく覚せい剤乱用から包丁を振り回し死亡者4人を出した「深川通り魔殺人事件」が発生。覚せい剤汚染の恐怖は、何気ない日常にこそ潜んでいることを改めて世間にアピールした。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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レジャー 2020年06月07日 22時00分
執拗に怒りをぶつける男〜本当にあった怖い彼氏〜
田中亜由子(仮名・27歳) 2年くらい前、30代の男性と付き合っていた時のこと。彼は優しい性格だと思っていたのですが、たまにイライラすると抑えが利かなくなるようなところがありました。例えば、オンラインゲームをしているのを隣で見ている時も、銃で撃ってきた人間がいたら、必ず反撃をしに行きます。それだけなら別になんとも思わないのですが、私がちょっと異様だなと感じたのは、相手プレイヤーが死体になっても、さらに銃を何度も打ち込んでいたのです。彼は「雑魚のくせによ!」とか言って、しばらく血の噴出する死体に打ち続けていましたね。ただのゲームだとわかってはいるのですが、怖かったです。 >>飲み物の中に混ぜられていた彼の液体〜本当にあった怖い彼氏〜<< また、街を一緒に歩いていた時、人通りの多い場所で彼が見知らぬ人と肩がぶつかったことがありました。その時も彼は、相手が許せなかったようで喧嘩腰で絡み始めたのです。相手は、手を軽く上げて“ごめん”というポーズをしてそのまま立ち去ろうとしたとしたのですが、彼はその態度が気に入らなかったようで追跡を開始。 それで驚いたのは、彼は私のことを置いていき、相手をどこまでも追いかけていってしまったのです。その時、彼は歩き続ける相手の横にぴったりと張り付き、隣でずっと険しい表情で話しかけていました。後で携帯で連絡して合流すると、彼は「家まで行くぞって言ってやったら、やっと謝ってきたわ。俺の勝ちだな」とか言っていて恐怖でしたね。いつかこの人は警察沙汰の事件を起こすかもと不安になり、別れました。写真・Rapid Spin
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芸能 2020年06月07日 22時00分
〈貞淑美女タレントの性白書〉 NHK女子アナ“のるかそるか”三十路目前下半身(2)
SEXシンボル上原アナ! この赤木アナと同期ながら、いつも一歩前を進んでいるのが『NHKニュース7』平日担当の上原光紀アナ。「こんばんは、ニュース7です」という挨拶で始まる同番組のMC役だ。「コロナ禍の影響で、男性キャスターと“ソーシャル・ディスタンス”を保っていますが、右足を半歩前に出して頭を下げるところに、彼女の“やる気”を感じます。負けん気が強いと思います」(前出・女子アナウオッチャー) 学生時代、フィールドホッケー部に所属していたスポーツウーマンの上原アナが注目されるきっかけとなったのは、2016年のリオデジャネイロ五輪の時だった。「広島放送局在籍のままで現地キャスターを務めたのです。NHKには、“あの美人キャスターは誰? どこの事務所?”との問い合わせが殺到しました。もちろん、Eカップ級のプルプルおっぱいも大きな話題となりました」(スポーツ紙記者) 昨年、新元号発表の特別番組でも司会を務め、高視聴率をマーク。「局内では、“持っている女”と呼ばれています」(前出・NHK関係者) また、その“ナイスなバディ”にも絶賛の声が寄せられているという。「“花弁”を想像させるに十分な、少しめくれ上がっている半開きの唇。お尻の張りもパンパンでマーベラスです」(前出・女子アナライター) しかも、その唇は照明のせいかもしれないが、“いつも濡れ濡れ”のように見えるからタマらない。「彼女の美顔がアップになった際、思わず体の一部をくっつけてしまう“ステイ・ホームの男性視聴者”が急増しているという怪情報もあるくらいです。まさに、“NHKのマリリン・モンロー”。セックスシンボルです」(芸能ライター・小松立志氏) そんな上原アナの結婚が明らかになったのは、今年2月。相手は、てっきり“例の男”と思われたが…。「上原アナは昨年4月、写真週刊誌に大学の先輩でバスケットボール選手の商社マンとの“尻揉まれデート”をスクープされましたが、どうやら、結婚相手は銀行マンで“別の先輩”ということです。とにかく、見てくれも中身も“肉食系”というわけですが、次世代のNHKを背負って立つ逸材であることは間違いありません」(前出・女子アナウオッチャー) 唯一の心配は“妊娠”かもしれない。「女子アナとしては、今が一番大切な時期。しかし、新婚の上に世の中は外出自粛状態ですから、どうしても家庭内で“濃厚接触”が起こりやすくなってしまう。当然、計画出産を考えているとは思いますが、こればっかりは、分かりません」(同)
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スポーツ
【ドラディション】藤波辰爾とボブ・バックランドがタッグ結成&対決!ザ・コブラ参戦
2018年02月27日 21時45分
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スポーツ
【WWE】アスカの王座挑戦はシングル戦に!ロンダとトリプルH&ステファニー夫妻に因縁勃発!
2018年02月27日 21時40分
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スポーツ
イチロー粘り勝ち マリーンズとメジャー契約へ
2018年02月27日 18時00分
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スポーツ
【新日本】飯伏&ケニー対ヤングバックス!ライガー対ミステリオ!3.25アメリカ大会で実現
2018年02月27日 17時45分
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レジャー
ハッシーの地方競馬セレクション(2/28)「第64回エンプレス杯(JpnII)」(川崎)
2018年02月27日 16時16分
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社会
電波制度改革強行も…安倍政権VSテレビ業界 “憲法改正イヤー”の攻防戦
2018年02月27日 15時00分
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芸能
ひそかに“嫌いな芸人”3位…あばれる君、月収暴露も拭えないネタ切れ感
2018年02月27日 12時50分
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芸能
“30代が楽しみ”節目の年の戸田恵梨香、初の日本人ミューズに抜擢
2018年02月27日 12時40分
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芸能
「家始まって以来の恥さらし」西川貴教に熱愛報道相手の母が猛烈批判 娘の知名度アップに貢献
2018年02月27日 12時30分
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アイドル
須藤凜々花、受験不合格を報告 その日合否発表があった大学を受けた?
2018年02月27日 12時20分
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芸能
“ヒロイン”で仕事復帰!上原多香子、いつのまにか禊が済んだ?
2018年02月27日 12時10分
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スポーツ
羽生結弦、帰国会見で笑顔「つらい時期、苦しい時期」を乗り越え、次期大会へ意欲
2018年02月27日 12時00分
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芸能
亀梨主演ドラマ6%台失速! 草なぎを切ったフジテレビの大誤算
2018年02月27日 12時00分
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スポーツ
【日本ハム】荒木大輔新2軍監督率いるファームのチームスローガンが決定!
2018年02月27日 08時10分
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社会
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 仮想通貨の欠陥
2018年02月27日 08時00分
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スポーツ
傷心・高橋監督が若手にキツイ当たり方をするのはあの人のせい?
2018年02月27日 07時05分
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芸能
「お世話になった」香取慎吾、因縁の『東スポ』と歴史的“和解”!
2018年02月26日 23時10分
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アイドル
ジャニーさんが信じられなかった?亀梨が反発心を持ったワケ
2018年02月26日 23時00分
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スポーツ
【KNOCK OUT】「KO勝ちの次に評価が高いのはKO負け」木谷オーナー持論爆発!
2018年02月26日 22時50分
特集
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岡平健治「19」解散は「お金の問題じゃない」 岩瀬敬吾、地元に戻るのを「止められてよかった」 今後はバラエティーで「ポンコツっぷりを見て笑ってほしい」
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2025年08月05日 23時00分
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野球人生“燃え尽きた”元プロ野球選手・宮國椋丞氏 今後は「周りの人に頼られたり、笑顔にしたい」
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2025年07月25日 23時30分
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豊ノ島、YouTubeチャンネルで若乃花とコラボ熱望 タレントとして相撲番組で「冠番組」持ちたい
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2025年07月21日 12時00分
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宮迫博之「雨上がり決死隊」再結成は「蛍原さん次第」 ドジャース始球式の裏話も明かす
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2025年07月14日 17時00分
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元ザブングル松尾陽介、沖縄で芸人のセカンドキャリアサポート 芸人引退に「心境の変化」
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2025年04月28日 19時03分