トレンド
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トレンド 2009年11月18日 15時00分
「硬派くどき術」立ち飲みバー編
押忍! 男と女が出会う場所の筆頭格といえばバー。最近では「立ち飲みバー(スタンディング・バー)」がずいぶん増えました。だれですか、座って飲みたいなあ〜なんてオヤジくさいことを言っている人は。立ち飲みバーは、女性とお近づきになるにはカウンター・バーよりもずっと使えるんです。 まずは店を選ぶとき、立地条件に注意してください。繁華街中心部からちょっと離れた場所にある店が狙い目です。隠れ家っぽいムードがアバンチュール感を高め、単なるオヤジでも2割増しで“いい男”に見えます。 こういう店では軟派男はウケません。「ちぃ〜ス!」なんて声をかけられたらせっかくの雰囲気がぶち壊し。静かに酒を飲む男、すなわち硬派男の出番なのです。 何を飲んでもかまいません。ただし、ぐいぐいいかず、ゆっくりと酒の味を楽しみましょう。ツマミはごく少量にとどめてください。値段が安いからって、あれもこれも頼まないように。あなただけのテーブルではありません。皿を置く場所がなくなるような大量注文は野暮。控えめにナッツを一皿ぐらい…がかっこいいんです。 はやりのハイボールを軽くあおり、ナッツをひとくちかじる。またハイボールを飲んで、ナッツを口に放り込む。隣で立って飲んでいる2人連れの女性客はそのうち、まねッコでハイボールを頼みます。その瞬間からあなたはあこがれの存在。さあ声をかけましょう。 男「おいしい?」 女「あっ、ええ…」 男「アルコール度数が強いからゆっくり飲んだほうがいいよ」 女「実は初めて飲むんです(笑)」 男「よかったらコレ食べる? ナッツが合うんだよ」 女「えっ。ありがとうございます!」 女性の瞳の奥を遠くからのぞき込むようにほほえんでみてください。間もなくハートマークが浮かび上がってきます。
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トレンド 2009年11月18日 15時00分
高橋四丁目の居酒屋万歩計 凛(りん)
JR西荻窪駅西口から徒歩410歩 「一汁一菜 凛(いちじゅういっさい りん)」を名乗る。一汁一菜とは簡素な食事のこと。はじめに温かいスープと炊いた野菜を供する「凛」の、そうして、さしあげるものは粗餐(そさん)でございますという、謙遜(けんそん)をかねたごあいさつか。板場を仕切るのは、看板どおりに目元の涼しい、凛とした女子。女子というものが、台所に立つ自分を、いつから受け入れるのか周辺に聞いてみたことがあるが、みな言葉を濁すので、いまだ判然としない。ある女子は「石器時代に男子が狩りに出ていた名残かな」と答え、逆にわたしに問うた。「じゃあ男子は、獲物を持って帰らねばならない自分を、いつから受け入れるのよ」。 カウンターには、わたしともうひとりの男客が、その端と端に陣取っている。花板はどちらにお愛想するでもなく、仕事に集中。板場の女子2名も煮炊きにいそがしい。ひまなのは客だけ。湾曲したカウンターの両端にひとりづつ座れば、いやおうなく目と目が合う。人となりは隠しようもないが、はしの上げ下げや、さかずきの運びは見られたくないものである。 さて、見知らぬ客同士は、気まずい思いをさせられたのでしょうか。これが、絶妙な位置に生ビールのサーバーがあって、目隠しの役を果たしてくれたのでセーフだったのだ。女子たちは、そこまでたくらんだにちがいないと、一人客同士は納得したのでありました。女子が、その花も実もある仕事ぶりで逸品料理をものする過程を、さかずきをかたむけながら口腹を満たすのは、石器時代から今に続く男子のしあわせでありましょう。ああ、かえりみるに、私は家族の待つ洞穴に十分な獲物を背負って帰宅したのであろうか? 吹きすぎる風よ、教えておくれ…。鯛腸(たいわた)と、松茸の土瓶蒸しをそういう。酒は燗(かん)で、黒龍の二合徳利にした。鯛腸の朱の彩りが、土瓶蒸の香り立つ秋が、男子を酔わせた。しかしがんばって、凛とした客で通した。 居酒屋で“ドストエフスキーにまさる「つまみ」はない”とロシア文学者・亀山郁夫氏がおっしゃっている。なぜなら“親しい友人との酒の語らいに適度な重さが欠かせない”からである、と。「罪と罰」などの新訳でドストエフスキーを復活させ、世間をあっといわせた氏は、この店で翻訳原稿を手渡し、校正刷りを受け取り、編集者ともども常連になった。氏の、ドストエフスキーに次ぐつまみはアジフライ。「凛」が“西荻のガード下”にあると申し上げれば、いかにもロシア文学が似合いそうな立地と思われるだろうが、あとは見てのお楽しみということにしておきましょう。予算5000円。東京都杉並区西荻窪3-17-6
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トレンド 2009年11月17日 15時00分
「リアル・ミッション」番外編 ぜんぶ見せよう亀の穴 本紙独占亀田ジム潜入記
まるでペットショップ!? ボクシング亀田3兄弟が日々たゆまぬ努力を続けているのが亀田ジムだ。まだ内部が公開されたことはないが、今回は本紙だけに大公開。世界チャンピオンを育成する“虎の穴”ならぬ“亀の穴”の中はどうなっているのか。“一家の主”父・史郎氏に解説してもらった。29日、長男・興毅と内藤のWBC世界フライ級タイトルマッチを直前に控えた中での本紙独占“潜入記”。 葛飾区内の一角にとある民家がある。築20、30年は経っているだろうか。およそボクシングジムとは想像しがたいたたずまいが亀田ジムだ。扉の前には「世界王者養成場」「亀田ジム」と看板が掲げられている。 内部に入ると、どこのボクシングジムにでもあるように、リング、サンドバッグ、パンチングボールなどの一般的な用具のほかに、亀田流トレーニングのためのアイテムも置いてある。 ハンマーを振り上げてたたきつけるための廃タイヤや「毎日持ち上げろ」と書かれた張り紙のある重しなど、ほかにもさまざまなアイデアのトレーニングアイテムが存在。さらに日焼けマシンや減量をするためのサウナまで完備されており、まさに「すべてをボクシングに捧げるための部屋」となっている。 さらにジムの内部には亀田家の練習を見守っている“仲間”も存在する。まず、門扉を開けると不審者が入ってこないように番犬の役割を果たしているのがドーベルマンのロデム(1歳半、雄)だ。 史郎氏によれば、ドーベルマン専門のブリーダーショップで1年半ほど前に購入したという。 「あの犬はすごく頭がいい。言われたことを一回で覚える。しかも10キロぐらい走っても全然息切れしていない。いっつもトレーニングパートナーとして走ってるよ。一番かわいい」とでき愛している。 ちなみに本紙記者が最初に亀田ジムを訪れた時は、オリの中からエラくほえられたのを覚えている。しかし、2回目からはたとえオリが開いていたとしても、襲ってくるようなことは全くなかった。 ジムに入ると大きな水そうが2つあり、オレンジ色と金色の古代魚(アロワナ)が泳いでいる。これは史郎氏の「完全な趣味」で「(オレンジと金で)ゲンがいい」ため、この2匹を飼っている。エサは史郎氏自ら与えており、1カ月に2万円ほどかかるのだとか。 そして、亀田ジムの一番奥に“住んで”いるのがカメだ。13年ものゾウガメのガンちゃんとホシガメがいる。ガンちゃんはジム内部で放し飼いにされており「亀田家の守り神」(史郎氏)という。しかも驚くなかれ。なんと“ベジタリアン”でもあるのだ。史郎氏が買い物の帰りに八百屋で野菜のくずを段ボールいっぱいに分けてもらうのだが、ペロリとたいらげてしまう。 史郎氏は昔から動物が大好きで、ペットショップに行くと衝動買いしてしまうため、自ら「ペットショップに出向くことを禁止」している。それでも「広い場所があったら馬に乗って遊びたい」という衝動にかられるらしく、そのほかにもワニやウサギなども飼いたいそうだ。 将来の夢は「後々、ボクシング教えるのが終わったら小さい田舎でホノボノと動物たちと暮らしたい」という史郎氏。 亀田家の仲間たちが今日も練習を支えている。
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トレンド 2009年11月17日 15時00分
小林ゆう伝説つくる 大学の教室でライブ
日本の秋といえば、学園祭の季節。近年はアニソン系アーティスト、あるいは声優が多く招かれ、多くのファンをキャンパスに呼んでいる。そんな学祭イベントの中から注目のひとつをリポートしよう! 出現各所で必ず伝説をつくる希代のエンターテイナー声優・小林ゆうが8日、「早稲田祭2009」に降臨。「小林ゆうトーク&ミニライブ〜ワセダにLovi'n YU!〜」に集まったファンの期待を裏切らない、良い意味でカオスなイベントを成功させた。 主催の「早稲田大学二次元文化研究会」(別名・妹研究会)は05年以降、平野綾、井上麻里奈、小清水亜美など数々のゲストを招いてきた実績あるサークル。一方、小林ゆうは07年以来2度目の早稲田祭訪問であった。 一教室で行われるイベントにもかかわらず、1000人以上の応募があったこのイベント。当日は立ち見券も発売され、800人以上の前で、まずトークの部からスタート。事前に集めた質問を交えつつ、「アニメロサマーライブ2009」、「アニソンぷらす」、DVD「小林ゆうのDVD(仮)」についての裏話を次々と披露。その後、サイコロトーク、小林ゆう自身が撮影した(パックの豚肉、アスファルト上の葉っぱといった不思議な)写真を紹介するコーナーを経て、ミニライブへ。 ミニライブは、講義教室の席に座ったままで、ということで、ファンはもどかしい思いに襲われただろう。だが、そんなファンの思いをくんで(その分、主催者側を困惑させて)、盛大なパフォーマンスを見せるのが小林ゆう。ステージを下りて机の間を縫い、ファンとハイタッチを繰り返しながら、「HANAJI」「FIGHT OR FLIGHT」「ROCK YU!!」「ミックスジュースdeマックスパワー」の4曲を歌いきった。そのパフォーマンスぶりには、イベント中で意気込みを語ったユニット「Crush Tears」(今冬から活動開始)に期待を抱かずにはいられないほど。 最後のプレゼントコーナーでは、期せずして“画伯”の腕前を目の当たりに。“徹子”の物まねを存分に味わうなど、終始見どころ聴きどころに満ちたイベントは、2時間の予定が3時間近くまで大幅にボリュームアップして終了した。
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トレンド 2009年11月17日 15時00分
今週のオススメシネマ
「DISNEY's クリスマス・キャロル」(公開中、丸の内ピカデリーほか) 子供たちだけでなく、大人に、特に、お金の亡者や、セックスのことで頭がいっぱいの人に見てほしい。俳優たちの演技をデジタル的に取り込むパフォーマンス・キャプチャーを駆使した映像は、デフォルメしたリアルな表情が見事だ。 冷酷な主人公のスクルージをはじめ、7役もこなしているのは、ジム・キャリー。素顔はけっこうハンサムなのに、弾けた強欲ジジイぶりはさすが。 160年前のチャールズ・ディケンズの名作が、最新の技術で鮮やかによみがえる。 「笑う警官」(公開中、丸の内TOEIほか) 原作は、北海道警を舞台にした作家・佐々木譲氏の「道警シリーズ」第1作。累計100万部超えの人気シリーズだ。北海道警の組織ぐるみの汚職事件をヒントに、警察内部の腐敗した闇にメスを入れた社会派もの。 札幌市内のアパートで女性警察官の変死体が発見される。すぐ元交際相手の巡査に容疑がかけられ射殺命令までもが出る。不審に思った若手警察官の数名が、組織の命令に逆行して、秘密裏にチームを組み捜査を始めると、何かを隠ぺいしようとする悪意が…。出演は大森南朋、松雪泰子。監督は角川春樹。 「きみに微笑む雨」(公開中、新宿シネマスクエアとうきゅうほか) 「私の頭の中の消しゴム」で日本中の女性を泣かせたチョン・ウソンの主演最新作。今度もまたしっとりとしたロマンチックな愛の無常を演じ、胸をキュンとさせている。 ドンハ(ウソン)はアメリカに留学中に知り合い、お互いが恋心を抱きながら愛を告白できないまま別れてしまったメイ(カオ・ユアンユアン)と、仕事で出張先の中国四川省・成都で偶然再会する。10年間のブランクを埋めるように再び急接近するふたりだったが、メイには悲しい秘密があったのだった。2008年の四川大地震が物語の核になっている。
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トレンド 2009年11月17日 15時00分
いよいよ「東のエデン」スクリーンに登場
映画「東のエデン」がテレビシリーズから半年後の世界を舞台に製作され、劇場版Iが11月28日、そして、劇場版IIは2010年1月9日に公開が予定されている。 同作の舞台は近未来。死傷者がひとりも出なかったことから「迂闊な月曜日」と呼ばれるミサイルテロ事件発生から3カ月後、記憶を失った青年・滝沢朗が、82億円の電子マネーがチャージされた未来型携帯電話「ノブレス携帯」を駆使しながら、失われた記憶と「迂闊な月曜日」の真相を求めていく姿を描く物語。深夜帯の放送にもかかわらず、瞬間最高視聴率5.7%を記録する人気作品だ。 原作・監督は神山健治。ハイクオリティーな映像とともに、鋭い洞察力で深遠な人間ドラマを展開してきた神山監督が描く、この国の“空気”に戦いを挑んだ、ひとりの男の子と、彼を見守った女の子のたった11日間の物語。 テレビシリーズから劇場版へと続く、壮大なプロジェクトだ。 キャラクター原案は、「ハチミツとクローバー」で知られるベストセラー漫画家・羽海野チカ。現在ヤングアニマルで連載中の「3月のライオン」(白泉社刊)でも、男女問わず幅広い層から支持される彼女が、初めてアニメーションのキャラクターを手掛ける。イラスト羽海野チカ(C)東のエデン製作委員会
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トレンド 2009年11月17日 15時00分
蟲の世界にも極道は存在する
まるっきり極道モノの作品を見ているような錯覚に陥るかなりおかしな蟲(むし)の物語を描くDVD「蟲極道」(GPミュージアム)。 夜の新宿森。昆虫たちの樹液酒場とその界わいで、体を狂わすという蜜(みつ)団子が流れ出した。どうやらクワガタ組の組長“スイギュウ”が入れ込んでるクラブアゲハの“ユウコ”が絡んでいるらしい。 それに対応して裏の情報屋カミキリムシ“キリ”や泣く子も黙る虫斬鬼“ヒトシ”が動く。 “ユウコ”の背後に見え隠れする妖艶な女王バチと、彼女を追う美しきチョウ“アゲハ”。金と権力、愛と憎悪が真夏の一夜を悪夢に染める。クワガタ組、カブト組、スズメバチ一家に、金で釣られたコガネムシ組までも巻き込み血で血を洗う大抗争がぼっ発する。 この作品は人形劇でもアニメでもない。新しいジャンルの作品といえるだろう。 同作第1巻「闇にうごめく蟲たち(は甘い蜜が大好き)」は12月25日、2巻「災の中の蟲たち(は黒い煙に身を隠す)」は来年1月25日にレンタル開始。 予告編はhttp://www.gp-museum.com/のリリース情報で。(C)2009GPミュージアムソフト
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トレンド 2009年11月17日 15時00分
新連載 シネマのココがエロいんです「愛人 ラマン」
今回、紹介する映画は「愛人 ラマン」。1992年に製作されたフランス・イギリス合作映画。監督はジャン・ジャック・アノー。 時代は1929年、舞台はフランスの植民地インドシナ(現在のベトナム)。中国人の富豪の息子(レオン・カーフェイ)が貧しいフランス娘(ジェーン・マーチ)にメコン川のボート乗り場で声を掛けたことから2人の物語は始まる。愛らしく生意気な白人娘に興味を抱いた中国男。男は少女を中華街の通りにある薄暗い部屋に連れていき娘の処女を奪おうとする。しかし、いざ、事を起こそうとすると男は良心にさいなまれてか躊躇(ちゅうちょ)する。すると、娘は言う、「抱いて」と。男は「いいのですか?」と尋ねると、「かまわない」とまっすぐ男の顔を見て答える。そう、娘にとって処女であることは恥ずかしいことなのだ。早く大人になりたい、処女から抜け出したい。その娘の欲望を満たすために性欲の対象となったこの中国男こそタイトルの愛人なのだ。 肝心のセックスシーンはと言うと、いや〜、多彩なセックスを見せてもらいました。処女喪失のシーンでは、少年の体に柔らかい胸がポンッと乗った裸体を堪能させてくれる。娘がセックスにこなれて娼婦化したエロシーンでは激しいことこの上ない。こっちまで汗が吹き出そう。そして、2人の心が離れていく中、下半身だけ交わらせるシーン。このメークラブには哀愁が漂い、心が締め付けられる。 映画のラスト。娘は映画の初めと違ってもう処女ではない。身体的に子供でないのはもちろん、痛みを経験し、精神的にも処女ではなくなった。
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トレンド 2009年11月16日 15時00分
増殖するシンデレラ男
童貞が増加傾向にあるという。彼らはなぜ貞操を守り、女性との性的な関係を築こうとしないのか? その背景には男性間に広がる「シンデレラ症候群」があった。フリーセックス時代ともいわれる現代に生きる、童貞男性の生態に迫った。 昨年12月、一冊の本が出版され、話題を集めた。「30歳の保健体育」(三葉著/一迅社/1429円+税)。中身はセックスのハウツー本だ。 担当編集者の土方敏良さん(=写真)は「僕も高校は男子校だったし、大学でもモテなかった。経験がなくても誰かに聞くのも恥ずかしいし、マニュアルもなかったので」と明かす。今年8月に出版された第2弾の「30歳の保健体育〜恋のはじまり編〜」と合わせ、現在までに12万部を売り上げている。 読者の中心は25歳前後の男性。「その世代は結婚も意識し始める。でも、経験もない、どうしよう…といった感じなのでは」と土方さんは分析する。AVやH系のゲームなどでセックスの知識はあるが、実践することに自信が持てない…そんな心理から購入するようだ。 本の出版に当たり、土方さんは「スタートラインを手前に持ってくることを心掛けた」という。「例えば、パソコンを使ったことがない人に『マウスでクリックして…』と言っても分からない。まずはマウスの説明、持ち方から始めないと」。デートの誘い方や告白はもちろん、乳房や膣(ちつ)、陰核への愛ぶ方法、ポピュラーな体位の解説に加え、女性のセックス観、避妊方法まで内容は多岐にわたる。 特徴的なのは、仮想世界と現実のギャップへの配慮が多いこと。「ゲームの常識を捨てよう」という項目では、基本的に信じてはいけないものとして「処女なのに感じる」「顔にぶっかけ」などが取り上げられている。「恋の始まり編」でも、女性との出会いについて「アニメなどの典型である、朝遅刻しそうになりながら学校へ向かう途中でパンをくわえた女の子とぶつかるというようなことは、現実ではまずありません」と説明している。 女性との交際や性交経験がある男性から見れば、バカバカしいと思える内容もある。だが、「アニメやゲームでは、女性との出会いをを待ち続けていると女性の方から自分を好きになってくれるという内容も多い」(土方氏)そうで、童貞は現実世界ではあり得ないような夢物語をピュアな心で信じているようだ。 現在の童貞はどういった男性たちなのか。 「よく草食系男子と一緒にされますが、それは違う。今の童貞の人は理想の“お姫さま”を待ち続けているのです。セックスも好きな人としかしたくない。結果的に経験がないのかな、と」(同) 実際、童貞男性に意見を聞いてみると、「“初めて”は好きになった女性とシたい。風俗は病気とかも怖いから嫌だし、ボッタクリとかも聞くので何だか怖い気もする。きちんと女性と付き合った上で経験したい」(25歳・会社員)。童貞は早く捨てるものではなく、守るべき神聖なものととらえているようだ。 かつて、白馬に乗った王子さまを待ち続けるという女性たちのシンデレラ症候群が取りざたされた時代があった。だが今は、男性が「カボチャの馬車に乗ったお姫さま」(土方氏)を待ち続ける。だから彼らは、性風俗店でオーラルセックスをしようとも思わない。 本の初版から、1年が経過する。「何も行動を起こさなければ、恋も生まれない。この本を見て積極的に動いてもらえればと思います」と土方さん。編集部には「彼女ができた」という報告も数は少ないながら届いているという。 現在の“シンデレラ男性”たちは、今も理想の女性を求めて貞操を守り続けている。◎30〜34歳男性の35%が未経験!? 30〜34歳の童貞の数が増えている。 国立社会保障・人口問題研究所が2005年に行った「結婚と出産に関する全国調査(独身者調査)」で、「これまでに異性と性交渉を持ったことがありますか?」という質問に対して肯定的な回答をした男性は64.3%にとどまった。前回(02年、71%)からガクンと落ちている。つまり童貞の数が上昇傾向なのだ。 前回、調査から4年が経過しており、最新のデータは不明だが、1992(72.3%)、97(71.3%)、02年と微減した後の急降下だけに、男性の貞操概念が高まっていることがうかがえる。 アキバ系の童貞ヲタクたちの間では「30歳まで童貞を守れば魔法使いになれる」という迷信もささやかれている。
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トレンド 2009年11月16日 15時00分
女性のためのアダルトグッズ店「LOVE PEACE CLUB」代表・北原みのりさんインタビュー
女性による女性のための女性客専門のアダルトグッズ店。東京・文京区にある「LOVE PEACE CLUB(ラブピースクラブ)」はオープン以来13年間、多くの女性たちに親しまれてきたショップだ。代表を務める、北原みのりさんに聞いてみた。 1996年、北原さんは女性客専門のアダルトグッズショップをオープンさせた。もともとショップ開店が目的ではなかった。大学では性教育などを学び、大学院を中退後に出版社に入社。「女性向けのポルノを作る」という夢を実現するためだ。出版業界ではヘアヌード写真集が全盛の時代だった。 しかし、思うように事は運ばなかった。まだまだポルノは男性の物だった。また、「私にはファンタジーであるポルノは書けなかった」と自分自身に壁も感じていた。 この時代のもう一つの大きな変換がインターネットの普及。ホームページ制作のベンチャービジネスを始めた。当時はまだ「ネットといえばエロの時代」。自然とネット上でアダルトグッズを目にし、興味を抱くようになる。海外のサイトで、“日本のエログロな物ばかり”とは違う、オシャレな物の存在を知った。「ポルノはファンタジーだけど、グッズは物だし、もともと女性が使う商品。これなら私にもできる」と開店を決意する。 北原さんは性に対して偏見はなかった。「子供のころ、祖母が副業でラブホテルを経営していて、そのキャンペーンのため、近所でコンドームを配っていた。祖母に『これは何?』と聞けば、『それはコンドームといって…』と教えてくれた」という環境で育ったからだ。 中学生時代、クラスの男子生徒が教室にコンドームを持ってきて大騒ぎしているような時も「それ、コンドームでしょ!?」といった感じ。北原さんにとってみれば、それはただの避妊具でしかなかった。だが、男子生徒たちからは「“エロ先生”って呼ばれて…それがすごく嫌でしたね(苦笑)」という。そのころから、「性教育とエロは違うのに…」と感じていた。そんな体験が大学で性教育を学ぶキッカケにもなった。 開店から13年。多くの悩みを聞いてきた。今も昔も変わらず多いのは「イケない」「イキたい」という悩み。「自分は他人とは違うんじゃないか、おかしいんじゃないかと悩む女性は少なくない」という。下は18歳から、上は70〜80歳代まで幅広い年齢層の女性が訪れる。 「最近のコは、セックスにもマジメで勉強熱心なコが多いですね。向上心を持ってスキルアップしようとしている。必死な感じもする。ちょっと自由じゃない」。セックスや性に真摯(しんし)な女性が目立つという。 珍客もいた。ある日、ギャラリーを訪れたカップルは「リモコン系バイブを装着していたようで」店内にディスプレイしてあるリモコン系のバイブやローターが“うなり声”を上げた。「アノ手は周波数が一緒なので(笑)」なんだそうだ。 将来の夢は「“女は灰になるまで女”というけれど、私もそうありたい。80歳のおばあちゃんになっても、バイブ片手に『コレ、いいわよ』って言っていたい」。これからも女性の味方として性とエロを伝えていく。<プロフィール> 北原みのり(きたはら・みのり) 1970年11月24日生まれ。神奈川県横浜市出身。津田塾大学国際関係学科卒業後、日本女子大学大学院で教育心理学を専攻。中途退学し、出版社の編集者などを経て、95年、ホームページのデザイン会社を設立。ネットで海外の女性向けセックスグッズのショップに共感。96年、日本初の女性が経営するセックストーイショップ「ラブピースクラブ」(http://www.lovepiececlub.com/)を立ち上げた。