トレンド
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
男の“甘味”党宣言 人形町「初音」
天保8(1837)年創業という、都内最古ともいわれる老舗の甘味処。店名は歌舞伎好きだった創業者が演目「初音の鼓」にちなんで命名。関東大震災など罹災のたびに再建し、今も創業時と同じ人形町で営業している。 国内産素材にこだわり、製法は昔ながらの手作り。例えば、あんは北海道産手選り小豆製、寒天は伊豆諸島産の天草製、黒蜜は沖縄八重山諸島産の黒糖製。 オススメは蜜で丁寧に煮て2晩寝かせた杏を乗せた「杏あんみつ」=写真。「クリームあんみつ」「筑前くずきり」なども人気メニューだ。 また、石ウスで毎朝ついているもちも隠れた名物。つきたての味わいは汁粉やぜんざい、玉子雑煮などで堪能できる。 ▼中央区日本橋人形町1-15-6
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
今週のスポッ人ライト キャッチセールス評論家・多田文明
テレビ番組「ついていったらこうなった」(フジテレビ)の原作でおなじみのキャッチセールス評論家、多田文明(44)の新刊「クリックしたら、こうなった」(メディアファクトリー)が話題を呼んでいる。テーマは最近多発している“ネット詐欺”。パソコンのメールボックスが迷惑メールでいっぱいだったことに驚いたのがきっかけだ。 「クリックしたら、この先に何が待っているのか興味が出てきて。占いサイト、出会い系、マルチ商法、セミナー、オークション詐欺の現状などについて書いています」と多田氏は語る。 占いサイトは「スピリチュアル鑑定」で検索。初回登録と占いは1500円分まで無料なので、最も人気のある占い師に申し込んでみた。 「登録後、頼んでもいないのに無料鑑定サービスのメールが毎日5、6件届くようになってね。無視してたら、あなたには『断絶相』が出ているから修復しておかないと大変なことになるとか、あなたは足を踏み外して転落しますとか(笑)。こうして恐怖心をあおってくるんですね」 また、ネット上にあふれる「お金あげます!」という出会い系広告も本当かどうか試してみた。「知らないうちにサイト内に私の“銀行口座”が設立されていて、おびただしい数の女性からお金が振り込まれておりますと。でも引き出すためにはポイントの購入が必要で、しかも審査があると。入金して連絡を待っていたら返事が来ましたよ、落ちましたと(笑)」 運営会社を訪ねてみるとマンションの1室に会社らしきものがあった。しかし、入居者のことを管理会社に尋ねても、個人情報を盾に頑として教えてくれない。 「登録以来、振り込まれた合計額は1億円を超えてました(笑)。でも、支払った1万円すら戻ってきませんけどね。この本を読むと腹が立つというより、バカバカしくて大笑い必至。皆さんも大いに笑って」どうやら多田氏のネットに関する“研究”は当分続きそうだ。
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
ウマしサケ探し隊 香り豊潤、軽妙な味「南部美人」
日本三大杜氏のひとつ“南部杜氏”の地元、岩手県二戸の蔵元。創業は明治35年。「南部美人」の銘柄は昭和26年に当時の社長と二戸税務署長の2人により命名された。 原料米のほとんどが岩手県産米で、地元の酒造好適米「吟ぎんが」「ぎんおとめ」などを中心に使用。 全国新酒鑑評会では2006酒造年度から4年連続で金賞を受賞。07年から純米大吟醸がJAL国際線ファーストクラスで機内提供酒に採用されるなど、評価は高い。 オススメは「特別純米酒」。ぎんおとめを55%まで磨き上げ、米の旨みを最大限に引き出した究極の一本である。
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
ポチッと鉄旅 魅力的な酒場多数
現在、高さが200メートルを超えた東京スカイツリー。その真下にある押上駅から青砥駅まで、京成押上線は5・7キロのミニ路線。だが、沿線には魅力的な酒場が数多く存在し、左党や下町酒場マニアにおなじみの路線。 代表的な酒場だけでも押上「もつ焼き稲垣」、京成曳舟「三祐酒場」、八広「日の丸酒場」、四ツ木「ゑびす」とこんなにある。さらに京成立石は下町酒場の聖地。三大モツ焼き屋「ミツワ」「宇ち多」「江戸っ子」をはじめ、昼間からどこも大繁盛だ。 青戸の隣駅、京成高砂が起点の京成金町線はさらに短い2.5キロ。駅も柴又、京成金町と2つしかないのだが、実は都内でも屈指の観光路線。 柴又といえば映画「男はつらいよ」。柴又帝釈天や葛飾柴又寅さん記念館の最寄り駅で、観光客の姿が絶えることがない。
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
関東日帰り百名湯 海と温泉を一度に味わえる贅沢「鵜の岬温泉」
上野駅から特急「フレッシュひたち」で2時間弱、十王駅からバスで約15分。日立市北部の伊師浜海岸は日本の白砂青松100選にも選ばれた風光明媚な国民休養地だ。 ここにあるのが、近くに海鵜の飛来地があることから命名された鵜の岬温泉。崖の上に立つリゾートホテルのような国民宿舎「鵜の岬」に日帰り温泉施設「鵜来来(うらら)の湯十王」がある。 3階の大浴場はガラス窓を多用した眺望重視の設計で、ジャグジー付き大浴槽や海の見える窓付きサウナ、寝湯などの入浴施設を完備。また、屋外の露天風呂は太平洋の眺望を独り占めできる。 大広間やラウンジ、リラクセーションルームなど休憩施設も充実。海と温泉を一挙両得で味わえるオトクな施設だ。
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
大江戸“立ち飲み”捜査網 出される酒肴は高級料亭並み「かねます」
言わずと知れた名店中の名店。築地市場から勝どき橋を渡ってすぐ、超巨大マンションの建築現場に行き当たる。店は以前ここにあった。現在は裏手の仮設店舗で営業中である。 供される酒肴の数々は“ツマミ”の域を越え、もはや“割烹料理”。黒板に手書きのメニューで最安は800円、あとは1000円を下らない。だが、看板メニュー「生ウニの牛肉巻き」や「生湯葉」など、クオリティの高さは一目りょう然。 飲み物はエビス黒の生ビールにハイボール、日本酒など。酒は料理の引き立て役というわけだ。店内は午後4時の開店から常に満杯状態となる。 しかも8時ごろには早々に閉店してしまう。行くなら早い時間にというわけだ。 ▼中央区勝どき1-8-3
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
邦画魂 浅田次郎原作、鈴井貴之監督作「銀色の雨」
浅田次郎の短編小説を、人気テレビ番組「水曜どうでしょう」の“ミスター”鈴井貴之のメガホンで映画化。デビュー作から前作「銀のエンゼル」まで地元の北海道を舞台に映画を撮ってきた鈴井監督が初めて北海道を離れ、鳥取県米子市でロケを敢行した。 和也(賀来賢人)は新聞配達をしながら陸上の練習に励む高2生。ある日、販売店主や母と衝突、家出して東京へ向かった。しかし、米子駅で最終電車を逃して途方に暮れていると、姉のような存在だった菊枝(前田亜季)の姿が。さらに元ボクサーという章次(中村獅童)が現れ、3人の奇妙な生活が始まった。 出演は濱田マリ、大島優子、音尾琢真ほか。シネマート新宿、同六本木で公開中。
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トレンド 2009年11月30日 15時00分
ポロリのパチスロ常勝理論 まずは「見(けん)」から
初見の相手と勝負事をするなら、まずは「見(けん)」から入っておけば間違いありません。それは、サッカーにしても、ボクシングにしても同じこと。相手がどんな攻め方をしてくるのか、すきはないのか…。ジャブを打ったり、パスを回したりして様子を見ながら間合いを探ります。じっくりと、必然的な勝ちを目指すわけです。 初見の相手でも、いきなりがむしゃらに攻める選択もないわけじゃありません。相手がいきなりの攻撃に面食らってくれれば勝機もありましょう。しかし、その攻撃をさばくことに長けた相手だったら、逆にこちらはカウンターを受けてしまうかもしれないし、そこまでひどくなくてもくたびれもうけになってしまうかもしません。だから、まずは相手をよく見てどう攻めるべきか考えるのが、勝負事で“負けないための鉄則”です。 もちろん、パチンコ・パチスロでもこれと同じことが言えます。初めて打つホールではどの機種に厚く設定が入るか分かりませんし、そのホールがどの設定から「優秀台」と考えているか定かではありません。それが分らないのに、自分の思い込みだけで「この機種に設定6が入るだろう」と攻めて行っても大抵うまくいかないものなのです。まあ、よしんば割の高い機種で高設定をツモれたとしてもそれは偶然の勝ちであって、次の勝負につながりませんし…ね。 さて、今回の収録ホールは南浦和駅前の「ベルシティ南浦和店」。書き出しからも想像できる通り、常勝理論はもちろんのことプライベートでも打ったことのない初見のホールです。これは相方のワサビ君も一緒らしく、新生常勝理論では初めて実戦人2人が初手合いのホールでの勝負となりました。 ホールに到着してほどなくすると、若い女性から声を掛けられてラッキー…と思ったら、パチンコ関係のライターさんではありませんか。何とこの日は常勝理論の収録だけではなく、他チャンネルのパチンコ番組も収録を行うとのこと。スロットは2階、パチンコは1階とフロアが別れているとはいえ、これは珍しい収録風景ですね。 朝イチの抽選はいつもの通り後ろから数えた方が早い数字。一応、エウレカの角台を打てれば…と思っていたのですけど、当然この番号では夢かないません。スルスルとホールの奥の方に抜けて見つけた空き台はエヴァ約束の時…。うーん、結局いつもと同じスタートになってしまいました。 ここでエウレカを狙っていた理由について解説しておきましょう。エヴァにしてもエウレカにしても人気機種で優秀台が投入されるのはほぼ間違いありません。ただ、2つの機種は狙いが全く異なっていて、エウレカはARTがREGにカウントされないデータカウンターだったため、朝からこの機種に根を張っておけば周りの状況が分かるので、最初の台を外した時に「あの台が当たりだ!」とあたりを付けられると思ったんですよ。このパターン以外では、エウレカは使えない機種になってしまうから、2手目を考えた朝の台選びならエウレカかな…と。 対して、エヴァは設定6だけではなく、長く打てば奇数偶数、具体的に4か5か6か…まで見抜けるところに魅力があります。初見のホールでこの機種を攻めれば、ホールのメールにある優秀台が設定4以上なのか設定5以上か、はたまた設定6のことなのか、はっきり分かるので次につながる選択ですね。4と5を断定するには自分でツモらないといけませんが、自分で打たなくても6はある程度見えるので、打たずの判別ができる点も評価できます。 勝負的には強制的にエヴァを打たされることになってしまいましたが、幸運なのは空いていたのが右の角台だったこと。実は、前日の状況から「打つなら角台」と決めていたんですよね。いや、もし空いているのが角台じゃなかったら打たなかったかな…。勝負事に「もしも」は禁物なんですけど、そう考えると10回中10回同じ選択をする場面ではなかったかもしれません。わずかなホール状況の違いで迷ってしまう、自信のない選択だったってことです。 1台目を外してしまい、果敢にバラエティーコーナーを攻めるワサビ君を横目に、シマ全体を眺めながらじっくりと打ち込む実戦。果たして、初見のホールでも結果を出せるのか…実戦結果は放送をお楽しみに!!(C)GAINAX・カラー/Project Eva.
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トレンド 2009年11月26日 15時00分
相川七瀬で勝負!
月曜なのにやたら人が多い。新装でもないのに一体どうしたのだろう。ふと疑問に思って携帯のカレンダーを見ると、勤労感謝の日となっている。そういうことか。今日は家族のため、そして祖国日本のために汗水たらして働いている人が、自分の好きなように時間を使える夢の一日。私のように年がら年中パチンコを打ってばかりで、まるで生産性のない人間には無縁の一日である。 一方、普通のサラリーマンにとって、この日は家族サービスも一切なし。妻や子供に「たまの休みなんだし、どこか連れて行ってよ、ねえアナタ」なんておねだりされても、「今日は俺のための休日なんだ。お前たちの相手をしているヒマはない!」と強い口調で言い放ってやるのが、正しい勤労感謝の日。ま、今は女尊男卑の世の中。関白宣言なんてしようものなら即座に離婚を切り出され、高額の慰謝料を請求されるのがオチか。 さすがにそれは大げさだが、ホールにはヒマを持て余したおっさんたちがわらわら。おそらくは「家でゴロゴロしないでよ」なんて言われて追い出された哀しきサラリーマンたち。もしくは少ない小遣いをなんとか増やしてやろうとたくらんでいるのかもしれない。がんばれ労働者。がんばれサラリーマン戦士たち! 同じ戦う男としてつい応援したくなったものの、店に入ればただの敵。残念ながらここは戦場なのだ。ところがライバルたちは私とは別のシマへ流れていく。おかげで狙い台の相川七瀬のシマには珍しく誰もいない。潜伏確変台が数台あるにもかかわらずだ。そういえば、先日沖海2と仕事人祭が導入されたんだっけ。だが、この2機種はただ今絶賛回収中につき決して座ってはいけない。「触るな危険!」「ペンキ塗りたて」とはこのことである。 さて、この店の相川は9台。うち潜伏確変台は3台。リミッターが存在するからか、相川に関してはRAMクリアをする店が少ないように感じる。ま、潜確台をゲットできたとしても、必ず出玉があるわけではないから、見た目よりもおいしくなかったりするのだが。 前日の履歴をチェックしながらリミッターから一番遠そうな台にタバコを投げ入れてコーヒーを買いに行く。戻ってくるとほかの潜確台もすでに埋まっていた。パチスロのシマでよく見かける若い連中だ。さすがによく勉強している。だが、おそらくその台は2回、ないしは1回しか確変が残っていないしおまけにクギも死んでいる。 さて、私の台は一発目から15R確変を引き当てることに成功。100回転近く引っ張られたのは誤算だったが投資は4000円。この回りなら終日勝負もありか。一方、若い連中はどっちも潜伏。左の台が2回、右が1回。計算上はどちらもこれで終わりだが、案の定、彼らははっきりとした残り回数が分かっていないらしく意地になって投資を続けている。潜確をわざと残しておいて金を落とさせる。これは明らかにホールの罠。 ところが朝イチから首尾よく3連チャンをかました私も、その後ずぶずぶと底なし沼にはまっていくことになろうとは思いもよらなかった。実戦中盤は潜伏しまくりで、おまけに潜確のまま300回近く回すハメに。いくら回る台だからといってもさすがにこれはツラい。しかも6回の確変すべてが潜伏という悲惨な展開。ヘソ入賞時の出玉アリ確変割合は29%、また突確も1%あるので、3割は電サポ状態に移行するはずなのだが…。当初、朝イチ確変を消化したらほかの狙い台に移動する予定だったが、回りの良さにまんまとだまされてしまった。 半ばあきらめムードが漂い始めた午後6時すぎ。潜確中にまたもや300以上ハマリ、ようやく出玉あり確変を手に入れ現金投資終了。思えば長い旅路だった。果たしてここまで意地になって投資を続ける必要があったのか。投資はすでに5万円オーバー。奇跡でも起きない限り逆転は不可能だ。 せめて負け額を減らせればいいのだが…と思っていたところで、時短中36回転目にオーバードライブさく裂! つまりは6回の確変を根こそぎゲットできるということにほかならない。地獄から天国。これで一撃1万発ゲット。最後まで何が起こるか分からない、それがパチンコなのだ。 しかしこれだけ回りが良いと欲が出てしまうのが人間というもの。結局、確変終了後も確率分だけ回してしまい、1箱半飲まれたところで実戦終了となった。1000円24回レベルで敗戦。やはり相川は朝イチ専用台なのだろうか。ま、某進化系なんかよりはよほど楽しいのだけど。マイナス2万7500円ナリ。<プロフィール> 白覆面T 競馬雑誌の編集者を経てギャンブルライターへ。現在はさまざまなパチンコ&パチスロ攻略誌で活躍している。鋭い洞察力によって書かれる記事の数々は業界内でも定評アリ。ただし、なぜかいくつものペンネームを使い分け行動しているため、正体を知るものはごくわずか。熱しやすい性格で湯水のごとく金を突っ込む姿が何度も目撃されている正真正銘のギャンブル狂だ。
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トレンド 2009年11月26日 15時00分
細川家の財宝紙上大公開
いま政界を代表する名家といえば鳩山家と麻生家だが、その両家に引けを取らない名門一族が細川護熙元首相を輩出した細川家だ。鎌倉時代から700年余り続く家柄。そんな華麗なる一族の家に眠るお宝が来年、特別展として大公開される。豪華絢爛(けんらん)なお宝の数々を本紙紙上で先行大公開。とくとご覧あれ。 細川家の歴史は鎌倉幕府の御家人時代にまでさかのぼる。幾多の戦乱の世を乗り越え、近代では肥後熊本の大大名として君臨し、その名を今日にも残す。 その700年余りの歴史の中で、細川家は数々の国宝級のお宝“細川コレクション”を所有してきた。歴代の中でも特に芸術品に目があったのが第16代当主の細川護立。志賀直哉や武者小路実篤ら芸術家たちのパトロンでもあった護立は、1950年に細川家伝来の文化財を後世に伝えるため、永青文庫(東京・文京区)を設立。「単なるお金持ちではなく、近現代を代表する美術パトロンだった」(永青文庫・竹内順一館長)と称されるほど、お宝ハンターぶりは有名だった。 そんな永青文庫を中心に細川家にザックザックと眠る約280点のお宝がこのたび、東京国立博物館の特別展としてお目見えすることとなった。 激動の乱世を生き抜いた細川家のお宝は、武家時代の物が多い。 関ヶ原の戦いでは東軍についた細川家。細川幽斎は敵将・石田三成に囲まれるも少ない人数で3カ月間逃げ続ける。幽斎は古今伝授を伝える数少ない人物だったため、後陽成天皇から異例の勅命が下り、講和が成立して命を取りとめた。その労を謝して、幽斎から勅使に贈られたと伝えられるのが「太刀 銘『豊後国行平』」(国宝)だ。 幽斎の子息・忠興が関ヶ原の戦いで着用した甲冑(かっちゅう)も存在する。「黒糸威横矧二枚胴具足」は、頭上から伸びるほうきを逆さにしたようなシルエットが強烈。山鳥の尾を束ねて作った“とさか”で細川家は黒田長政隊らとともに三成の軍に突っ込んだ。 近代に入り、お宝マニアの細川護立が収集したコレクションも一見の価値ありだ。 氏の芸術品への審美眼を如実に物語るのが「金銀錯狩猟文鏡」(国宝)だ。中国から出土した紀元前4―3世紀ごろのものと言われる古鏡。金銀を溝にはめ込む象眼技法によって虎狩りのシーンを描いたその鏡は、それまでまったく類似品のないものだった。しかし、護立は一目見てその価値を見いだし、古鏡に詳しくなかったにもかかわらず即断即決で購入。その一品がのちに国宝に認定されるに至ったのだからあっぱれだ。 展示に先立ち、第18代当主の細川護熙氏が細川家の重みを語った。 「細川家には美術品以外にも膨大な記録が残っています。古文書だけで約15万枚。その10分の1もまだ読まれていません。たとえば3代・忠利の時に巌流島の決闘がありました。細川家は元来記録を大切にする家。そこに書かれている記録によれば小次郎は死んでいなかった。木刀でたたかれて気絶しただけ。そこに遅れて家来がやって来て小次郎が起き上がろうとしたので『とどめを刺してしまおう』と…。また、細川家の記録によれば、有名な赤穂浪士の討ち入りの日は雪ではなく、曇りになっているんです。こんな話がまだまだたくさんあります。司馬遼太郎さんがよくうちの蔵に見にきては『これはどこで切っても細川家は大河ドラマになる』とおっしゃっていましたよ(笑)」 珠玉の“細川コレクション”は来年4月20日から東京国立博物館の平成館で公開される。◎開催情報 特別展「細川家の至宝 珠玉の永青文庫コレクション」 場所=東京国立博物館平成館。展示期間=2010年4月20日から6月6日。チケット=一般1500円、学生・団体割引あり。<プロフィール> 細川護熙(ほそかわ・もりひろ) 1938年1月14日生まれ。肥後細川家第18代当主。朝日新聞社記者から熊本県知事、内閣総理大臣などを歴任。1993年、非自民連立政権の首班となり、鳩山政権より16年早く“一時的な”政権交代を実現させた。 細川護立(ほそかわ・もりたつ) 1883年10月21日生まれ、1970年11月18日没。肥後細川家第16代当主。近代日本を代表する生粋の美術品コレクター。数々の芸術家たちのパトロンとしても知られた。