スポーツ
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スポーツ 2011年09月15日 11時45分
「隠し球」はいない!? 本番直前2カ月前 12球団ドラフト情報 福岡ソフトバンク編
私事で恐縮だが、2011年のプロ野球選手名鑑の編著に参加した。その際、福岡ソフトバンクホークスの選手データ資料を見せられ、強く思ったのは、「身体能力の高い選手がかなり多い」ということ。50メートル走、遠投などの数値はもちろん、「故障で学生時代はその潜在能力を発揮できなかった」という選手も少なくなかった。身体能力が高く、素質のある選手を集めていく…。選手名鑑からもそんな球団の方針が強く窺えた。 また、07年以降、高校生の指名人数も増えている。分離ドラフトだった07年は大学生・社会人の指名は2人、高校生は3人。ウェバー制の08年以降だが、大学生・社会人(独立リーグを含む)と高校生の指名人数の割合は、以下の通り。08年は「3人対4人」、09年は「1人対4人」、昨年は「1人対4人」。レギュラー選手、並びに一軍クラスの戦力が安定しているから『育成』を重視できるのだろう。しかし、今年も『育成重視』で行くかどうかは、まだ決まっていない。 投手陣は充実しているが、杉内俊哉(31)が国内FA権を取得したように、和田毅(30)、馬原孝浩(29)、摂津正(29)など“ビミョ〜な年齢”に差し掛かっていた。06年・大隣憲司(希望枠)、07年に大場翔太を1位指名し、08年にも大田泰示の抽選に外れた後、巽真悟(近畿大)に切り換えたのは、現主力の杉内たちがピークを過ぎる近未来を見越してのこと。大場たちの伸び悩みは、岩嵜翔(21)、山田大樹(22)がカバーしてくれたが、「即戦力投手を補うべきか、将来性で行くか」で、今年のドラフト戦略は判断が分かれる。 即戦力で行くならば、『ビッグ3』の藤岡、菅野、野村の入札に参加だろう。3人のうち、誰に行くかは分からない。しかし、その抽選に外れた場合も「即戦力なのか、高校生なのか」も決定していない。即戦力で選ぶのなら、日体大・辻孟彦投手(右投右打)かもしれない。同投手の視察には、ソフトバンクと中日が熱心だと聞く。 また、近畿大学の左腕・中後悠平投手に対しては「左で150キロが出る投手はなかなかいない」と各紙にコメントを出しており、『ビッグ3』と対等か、それ以上に評価しているような口ぶりだった。 高校生なら、宮崎日大の159キロ右腕・武田翔太投手、唐津商の北方悠誠投(右投右打)は早い時期から12球団が注目していたが、夏の佐賀県大会で888球を投げ、さらに評価が高まった。武田投手については小林至取締役ら総勢5人で視察したこともあり、北方投手は永山勝スカウト部長が「球威はピカイチ。闘争心もいい」と、コメントを出している。ホークスの選手層の厚さは12球団トップ。20代前半の育成も遅々としてではあるが、進んでいると聞く。20代前半の選手たちの成長度合いを見極め、即戦力か、将来性かを決めることになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2011年09月14日 19時10分
『あしや夢プロレスまつり 2011』、福岡県芦屋町で開催!
芦屋町出身のレスラー、間下隼人が兄弟子スーパー・タイガーと激突! 初代タイガーの佐山サトルに憧れてプロレスラーになったという間下、20歳の誕生日にリアルジャパンプロレスの第一期生入門テストに合格以来、ひたすらジャパンプロレスを愛してきた男が、故郷において第5代レジェンドチャンピオンのスーパー・タイガーとガチンコ対決。 また伝説のレスラー、上田馬之助はこれまた地元出身の富豪2夢路と激突するメインイベントも見逃せない。■大会名:芦屋町町政120周年記念 間下隼人 芦屋町初凱旋/富豪2夢路デビュー15周年記念特別試合 『あしや夢プロレスまつり 2011』■開催日時:9月25日(日) 16:30開場 17:00試合開始■会場:芦屋町総合体育館 〒807-0141福岡県遠賀郡芦屋町山鹿239■席種・料金:一般¥3000/中高生¥2000(各席種 当日¥500増)※小学生以下は無料。■主催:プロレスリング九州活性化実行委員会■後援:芦屋町教育委員会/九州産業大学プロレス研究部■協力:リアルジャパンプロレスリング、プロレスリングFTO、プロレスリング求道軍、FUKUOKAプロレスリング タフス、プロレスリング華☆激、株式会社バンプマン、ジョイファクトリーカフェ、プロレス居酒屋がむしゃら、株式会社 天華堂■お問い合わせ:ジョイファクトリーカフェ■対戦カード<第五試合 メインイベント 九州無差別級選手権試合 シングルマッチ>[王者]上田馬之助(FTO) VS[挑戦者]富豪2夢路(バンブマン)<第四試合 セミファイナル シングルマッチ>スーパー・タイガー(第5代レジェンドチャンピオン/リアルジャパンプロレス) VS 間下隼人(リアルジャパンプロレス)<第三試合 タッグマッチ>xXXx(フォーエックス/FTO)&谷口勇武(華☆激) VS スカルリーパーA-ji(FTO)&THE KABUKI(天龍プロジェクト)<第二試合 シングルマッチ>アズールドラゴン(FUKUOKAプロレスリングタフス) VS KAZE(フリー)<第一試合 シングルマッチ>若鷹ジェット信介(ハッスルMAN'Sワールド) VS 前田裕司(ダブプロレス)●特別立会人:“東洋の神秘”ザ・グレート・カブキ(プロレスリング九州活性化実行委員長) ■出演アーティスト:芦屋町を愛する、日本を代表するレゲエバンド DUB ROCKERS
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スポーツ 2011年09月13日 15時30分
「隠し球」はいない!? 本番直前2カ月前 12球団ドラフト情報 広島東洋編
広島東洋カープのドラフトと言えば、育成。若い逸材を集め、じっくり育てるのが広島のやり方だったが、昨年のドラフト指名は20代のオトナに偏重した。指名選手7人のうち、高校生は5、6位の2人だけという“異例のスカウティング”となった。「即戦力の投手を加えれば、優勝圏内に」と読んだからだが、今季、頭角を現した新戦力は、2年目の投手・今村猛(20)、4年目の外野手・丸佳浩(22)と外国人…。9月8日の時点で、一軍登録されている新人投手は、ドライチ・福井優也(23)だけだ。 しかし、98年以降、Bクラスに沈んだままなので、今年も「即戦力」の補強に重点を置かざるを得ない。地元・広島県の広陵高卒で、『即戦力=ビッグ3』の一角でもある野村祐輔投手(明治大)の1位入札をすでに表明している。現時点で、野村投手の1位入札を表明した球団はほかにない。同投手の一本釣りに成功した場合、球団史上初の「2年連続の大学生1位指名」になるそうだ。 今年のキーワードは『地元』。広島の候補者名簿の上位には野手も何人かリストアップされているそうだ。その筆頭と目されているのが、昨年秋のリーグ首位打者・土生翔平外野手(早大/右投左打)と、広陵高の丸子達也選手(左投左打)だ。土生外野手は複数球団がチェックしている。4年春はやや調子を落としたが、広島は地元出身の好スラッガーを他球団に行かせたくないと意気込んでいた。丸子選手は「昨夏の甲子園」時点で、スイングと打球の速さに12球団スカウトが釘付けになり、「T-岡田よりも…」、「金本2世」とも称されてきた。 巨人は今夏の広島県大会に「編成本部統括ディレクター」がわざわざ足を運ぶほどの熱を入れようだった。そういえば、03年に西村健太朗(広陵高)を2位指名され、広島は地団駄を踏まされた。丸子選手の進路はまだ明らかにされていないが(同時点)、プロ志望ならば、2〜4位あたりで両球団の駆け引きが展開されそうだ。 有名どころの大学・社会人投手も追い掛けているが、「磨けばさらに光る原石」として調査してきたのが、岡本亮投手(大阪産業大/右投右打)だ。西武投手・岡本洋介(26)の弟で、兄同様、キレのあるストレートを投げるが、こちらは「変化球のキレ」でも一目置かれていた。 私見だが、大砲タイプをもっと獲るべきでは? チーム本塁打数は「39」(同時点)。セのワーストだが、パ・リーグの本塁打王レース1位の中村剛也はこの時点で38本を放っている。統一球の影響、機動力の伝統的チームスタイルも分かるが、セ・リーグのチームは東京ドーム、神宮球場、横浜球場と、狭い球場でも公式戦を戦わなければならない。打線の破壊力を高めるためにも、土生、丸子両選手だけではなく、3人目、4人目の大砲候補も上位リストに加えるべきではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2011年09月13日 11時45分
日ハム退任の梨田監督に、早くもあの球団がラブコール!
北海道日本ハムファイターズは、『オトナの球団』である。 首位・ソフトバンクとゲーム差こそ開いているが、2位をがっちりキープ。その功労者である梨田昌孝監督(58)とは再契約せず、新しい指揮官を招聘するという。梨田監督と衝突があったわけでもない。チーム関係者によれば、「次のステージに進む」そうだ。しかし、それ以上に驚かされたのは、選手に『指揮官交代』の動揺が全く感じられないこと。プロ野球界には過去、公式戦を残して解任、退団が露呈した監督も少なくない。その際、選手は「試合に集中したい」とは言いながらも、顔見知りの取材陣を捕まえ、「どうなってるの?」と“内情”を聞き出そうとする。 チームの指揮官が代われば、野球のスタイルも変わる。戦略が変われば、起用される選手も変わってくる。「気にしない」と言う方が無理なのである。 「03年、トレイ・ヒルマン監督がロイヤルズの『監督面談』を受けるため、日本シリーズ前に一時帰国しました。そういうこともあったので、選手にも“免疫”が出来ているのかもしれませんね。選手たちも『フロント主導のチーム』であることも承知していますし」(球界関係者) しかし、こんな情報も聞かれた。梨田監督自身にも、契約任期を延長する意志がなかったらしい…。 「古巣・旧近鉄バファローズのルートから『将来の阪神監督候補』に挙げられたことを聞かされたようなんです」(前出・同) 阪神は真弓明信監督(58)に契約任期を全うさせる方向を固めた。序盤戦のもたつきで一時はファンの反感も買ったが、中盤戦以降、優勝戦線に復活させてみせた。一方、南信男・阪神球団社長はオリックスに転じた岡田彰布監督の『将来の帰還』も考えていたという。一部関西メディアにそれが露呈し、同社長は「南個人の意見。球団の総意ではない」と否定し、それ以上には発展しなかったが、阪神は「真弓監督との契約任期が終了する後のこと」も考え始めている。本格的な審議はこれからだが、これはこれで決して不思議な話ではない。当然、真弓監督の続投も選択肢の1つになるが、候補者の1人として、梨田監督の名前も挙げられたという。 「近鉄、阪神両電鉄の一部が直結し、友好な関係にあると聞いています。その経緯で旧近鉄バファローズの打撃コーチも務めた真弓監督の阪神指揮官となり、今、また同じ流れで梨田監督の名前も出てきたようです」(同) 梨田監督は日本ハムで指揮官としての評価を高めた。古巣・旧近鉄バファローズのあった関西圏で“帰還のラブコール”が起きたとしても、ラブコールが起きたとしても、決して不自然な話ではない。先の先の話ではあるが、梨田監督はマンザラでもないとか…。もし本当なら、日本ハム内部から聞かれてきた「次のステージに進む」の声は、梨田監督のことも指していたのかもしれない。
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スポーツ 2011年09月12日 15時30分
「隠し球」はいない!? 本番直前2カ月前 12球団ドラフト情報 東京ヤクルト編
将来性を見据えたドラフト指名になりそうだ。高校生と大学・社会人を分離した3年間を含め、05年以降に1位指名した高校生投手が主力級の働きを見せている。村中恭兵(05年)、増渕竜義(06年)、(佐藤)由規(07年)、赤川克紀(08年)…。昨年は早々と斎藤佑樹(現日本ハム)の1位入札を表明し、抽選に外れた後の2度目の入札でも塩見貴洋(現楽天)を選んだ。3度目で“将来性”に切り換え、高校生内野手・山田哲人を指名した。昨年は「即戦力投手が欲しい。抽選に外れた場合は有望高校生野手に切り換える」という方針だった。今年は違う。05年以降に指名した高校生投手が順調に成長し、年齢的にもまだ「伸びしろ」もあるので、今年は有望野手の上位指名が優先される。 新聞紙上でも紹介されているが、8月29日に開かれたスカウト会議では「候補者リストは50人程度に絞り込んだ」という。その際、「1位候補はまだ決まっていない」としつつも、5人程度に絞り込んだことを明かしている。東洋大・藤岡貴裕投手、明治大学・野村祐輔投手、東海大甲府・高橋周平の3人がリストアップされたそうだが、「あと2人」は分からない。渡辺進編成部長が高橋内野手を「ピカイチ、外れ1位ではなく、1位で消える逸材!」(7月10日)と絶賛していたのが思い出される。 また、本拠地・神宮球場は大学野球の聖地でもあり、「慶応大学のスラッガー・伊藤隼太外野手も無視できない」と聞いている。青木宣親がメジャー挑戦を視野に入れている以上、伊藤外野手に注目するのは当然だろう。 4人目の候補者が伊藤外野手だとしたら、5人目は武田翔太投手(宮崎日大高=右投右打)か、土生翔平外野手(早稲田大)ではないだろうか。土生外野手は『主将・4番』だ。チームを牽引できる逸材は数少ない。伊藤外野手には阪神も熱視線を送っており、土生外野手は広島県・広陵高卒である。渡辺編成部長が「好野手は少ない。競合になる」ともこぼしていたのは、そのためだろう。 増渕の弟・雅也投手は鷲宮高の左腕エース。今夏の埼玉県大会は5回戦で敗れたが、「(佐藤兄弟に次いで)2組目の兄弟選手も…」とヤクルト関係者は“リップサービス”していた。岩手・盛岡中央の大向涼介投手も高く評価していた。同投手に関しては「打者」として評価する球団も多かったが、ヤクルトは「徒手」として見ているそうだ。 ただ、小川淳司監督は「投手の補強を求めている」とも聞いている。 有望高校生についてはプロ志願届の提出期限が過ぎるまで、各球団とも慎重にならざるを得ない。08年11月、ドラフト本番の直前で進学希望を一変した大田泰示(巨人)のような例もあれば、有名大学のスポーツ入学が可能になった瞬間、プロ志望のコメントを撤回した球児もいないわけではない。ヤクルトは1位候補を決めかねている。それは小川監督との意見のすり合わせが終わっていないからだが、高橋内野手で勝負し、抽選に外れた場合も高校生の指名が念頭にあるからではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2011年09月12日 15時30分
八百長問題のツケは大きかった! 大相撲秋場所初日は歴史的不入り!
大相撲秋場所(東京・両国国技館)が9月11日、初日を迎えた。 2場所ぶりの優勝を目指す横綱・白鵬(宮城野)は、小結・阿覧(三保ヶ関)を寄り切りで下し、綱取りが懸かる大関・日馬富士(伊勢ヶ浜)は、物言いがつくきわどい相撲の末、掛け投げで豊ノ島(時津風)を破り辛勝。大関の把瑠都(尾上)、琴欧洲(佐渡ヶ嶽)は相次いで敗れたが、大関昇進を目指す関脇の琴奨菊(佐渡ヶ嶽)と鶴竜(井筒)は白星発進となった。 ところで、日本相撲協会はこの日の入場券が3709枚売れ残ったと発表した。前日、前売券の売れ残りが過去ワーストとリリースされていたが、当日券も伸び悩んだ。東京場所の初日の残券数としては、05年秋場所の2896枚を大きく上回り、85年1月に現在の国技館が開業して以来、最多のワースト記録となった。 相撲界では1月の初場所(両国)後に八百長問題が発覚し、3月の春場所(大阪)は中止された。5月の夏場所(両国)は入場無料の技量審査場所として開催。先の7月の名古屋場所より、通常開催に戻った。この秋場所は八百長問題が収束して以来、初の東京場所となったが、そのダメージは大きく、相撲ファンの信頼は失墜。歴史的な不入りにつながった。 この事態に放駒理事長(元大関・魁傑)は、「残念だが、いい相撲が多ければお客さんもまた来てくれるだろう」と語ったが、一度堕ちた信頼は一朝一夕に取り戻せるものではなく、営業面でも苦しい闘いが続くことになるだろう。(落合一郎)
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スポーツ 2011年09月12日 11時45分
聖地CORE STADIUMの地下プロレス、巡りめぐって27戦目は…観るも地獄、闘うも地獄! 9・11『EXIT-86 CORE:A2』
米国・ニューヨークの同時多発テロからちょうど10年、東日本大震災からちょうど半年の忘れ得ぬ「9・11」に、地下プロレス『EXIT-86 CORE:A2』が、反原発デモで騒然となった東京・新宿はCORE STADIUMにて挙行された。 2008年5月に地下プロレスが初開催されて以来、“地下の聖地”として定着したCORE STADIUMでは、試合開催のたびにアルファベットで開催数がカウントされてきた。しかし初開催以来、驚異的なペースで試合を重ねてきたCORE STADIUMでは、すでにアルファベット「Z」まで開催数がカウントされている。以降の開催試合はどうナンバリングされるのか、多くの地下フリークたちの間で注目されていたが、一巡した27戦目の開催試合である今回は『CORE:A2』の名が冠せられた。以降二巡、三巡しても“聖地”の闘いは未来永劫続いていくことと、この日の観客に印象づけられたことは間違いない。 そして聖地CORE STADIUMは、“地下戦士育成基地”すなわち“地下の虎の穴”たる過酷な闘技場であるため、残暑厳しいこの日も当然ノーエアコン・ノー冷房。季節外れの猛烈な湿気も相まって、選手も観客もうだる酷暑の中汗まみれで“共闘”する、過酷極まる27戦目となった。【第1試合 地獄脱出五番勝負・第一戦】“第1回地獄トーナメント優勝者”“地獄妖怪”入道 vs“執念の空手デビル”326 8・14『EXIT-83 CORE:Z!!』の地獄トーナメントで最後まで負け残り、“優勝者”という烙印を刻み込まれた入道。同日のトーナメント直後には“暗黒サラブレッド”ジャガー・ロゴフスキーとのシングル戦を組まれ、8・28『EXIT-84 KEY』では富豪2夢路、小笠原和彦との連戦を強いられるなど、“地獄の覇者”となって以降、まさに地獄にふさわしい責め苦が彼のもとに降りかかり続けている。 この日から入道の闘いに「地獄脱出五番勝負」の名が冠せられることとなった。その初戦に立ちはだかるのは、地獄トーナメント決勝で相まみえた宿敵・326。この闘いに敗れれば、地獄の災いが自分に降りかかってくる…とばかりに危機感に満ちた326は、開始直後から突きと蹴りで入道を圧倒。 しかし一連の地獄の責め苦により、打たれ強さとタフネスにさらに磨きがかかった入道は、十八番のセントーンで形勢逆転。すかさずキャメルクラッチで畳みかけ勝利、地獄脱出への第一歩をまず踏み出した。【第2試合】“人間狂気”紅闘志也 & “頭突鬼世界一”富豪2夢路 vs“ジャパニーズ和尚”日龍 & “執念の空手デビル”326 これまで幾度もタッグを組んできた紅&夢路の“地下ツートップ”だが、この日の両者の出で立ちに、居合わせた誰もがどよめいた。紅と夢路が身に纏う青い道衣。それは夢路が先日のベトナム遠征で出会った、彼の地に伝わる秘伝の武術「ボビナム」の道衣であった。 ベトナム秘伝の武術・ボビナム。それは、フランスの植民地支配下にあった20世紀初頭のベトナムにおいて編み出された。この武術の威力を恐れた時のフランス統治府は、ベトナム人民にボビナムの習得を禁じたという。夢路はベトナムに赴いた際、ボビナムの高名な師範に出会い“秘伝書”を授かった。夢路が日本に持ち帰った秘伝書は紅闘志也の目にも留まり、地下王者の飽くなき格闘への探求心をさらに高めることとなった。そしてこの日の紅と夢路に「ボビナムで闘え」と命じたのは、地下プロレスを支配する、かのフランス暗黒組織。やはり地下のすべては、フランスに通ずるのか−−。 青い道衣に身を包んだ夢路は、軌道のつかめない想定外の動きから廻し蹴りやフックを打ち込む。相手のタックルをガブった道衣姿の紅は、背中にヒジではなく首筋に手刀を叩き込む。この一戦ではボビナムの全容を掴むには至らなかったが、その片鱗だけは垣間見ることができた。 しかし結局は両者ともに途中から道衣を脱ぎ捨て、通常のコスチュームに。紅もムエタイ殺法に闘いを戻し激勝した。ボビナム戦士としては、未だ発展途上のネパール無差別級王者と地下世界王者。今後、彼らの闘いにボビナム秘伝の奥義が加われば、とてつもない戦力アップとなりそうである。【メインイベント】“リバプールの貴公子”KENDO KEITA vs “タックル将校”竹嶋健史 記念すべきCORE STADIUM“二巡目初戦”のメインを飾ったのは、地下の未来を担うにふさわしい若きレスリングマスター同士のシングル対決だった。 矢野啓太改めKENDO KEITA、23歳。竹嶋健史24歳。地下プロレスといえば、“劇画王”として知られる故・梶原一騎氏が連綿と描き続けてきた“梶原ロマン”そのものに他ならないが、この二人はいわば“梶原を知らない世代”。竹嶋にいたっては、一昨年のCORE STADIUM初戦の当時は地下のリングに上がってすらいない。そんな両者がCORE STADIUM開催二巡目の一夜を締めくくるのは、地下プロレスの未来を示す、ある意味象徴的なマッチメイクといえる。 試合は観る者すべての期待を寸分も裏切らない、静かながらも秘めたる熱をはらんだ、スリリングなグラウンドレスリングの攻防が続く。KEITAが難解極まるストレッチを極めれば、竹嶋は腕十字と三角絞めの連携で対抗。 試合時間が20分に差しかかろうとする刹那、KEITAがサマーソルトドロップで勝負を懸けるが竹嶋がかわし不発。すかさず竹嶋は命綱の低空タックルを三発続けて打ち込み、一気に形勢逆転! リング中央で片羽絞めを極め、誰もが竹嶋の先輩超えを確信した瞬間に、レフェリー小笠原和彦は試合のストップを宣告。しかし手を挙げられたのはKENDO KEITAであった。絞められながら、竹嶋の脚を極めていたのだ。 勝利しながらも試合後、脱水症状でマットに這ったまま身動きがとれないKEITA。それほどまでに壮絶な試合であり、竹嶋の成長・猛追はKEITAをそこまで苦しめるレベルに達していたのだ。酷暑の中のCORE STADIUMで、また一つ地下の名勝負が誕生した。 全試合結果は以下の通り。◆地下プロレス『EXIT-83 CORE:Z!!』2011年9月11日(日)開始:18:00会場:東京・新宿歌舞伎町二丁目「CORE STADIUM」<第1試合 地獄脱出五番勝負・第一戦>○入道(7分59秒 ラクダ固め)●326<第2試合>○紅闘志也、富豪2夢路(11分33秒 TKO)日龍、●326 ※飛びヒザ蹴り→サヨナラスパーク<第3試合>○KENDO KEITA(19分44秒 足固め)●竹嶋健史※試合はすべて時間無制限一本勝負。KO、ギブアップのみで決着。地下プロレスtwitterhttp://twitter.com/Chika_Wrestling地下プロレス データベースhttp://www43.atwiki.jp/wuw-exit/梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?http://npn.co.jp/article/detail/97320773/地下プロレス“天国地獄トーナメント”はまさに…負けたら地獄! 8・14『EXIT-83 CORE:Z!!』http://npn.co.jp/article/detail/05756967/
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スポーツ 2011年09月12日 11時45分
「続投」で広がった? 原監督とナインの溝
またしても、澤村拓一(23)の好投が報われなかった。中日との第15回戦(9月8日)は両軍無得点の“痛み分け”となったが、勝機を逃したのは原巨人の方かもしれない。 試合後、報道陣の質問は「澤村」に集中した。原辰徳監督(53)は『10回無失点被安打2』という内容に、「非常に安定したものがありました」と頷いた。投手陣を預かる川口和久・投手総合コーチ(52)は「最高のピッチングをしてくれた」「(打線の援護に恵まれないので)かわいそう」と答えていた。 澤村が好投しても、勝ち星に結びつかないのは説明するまでもないだろう。ここまで6勝11敗、防御率2・32(リーグ7位)。この日、3回を投げ終わった時点で「今季の規定投球回数144」に到達。12球団の新人のなかで一番乗りである。善戦する新人に「申し訳ない」との気持ちからだろう。巨人ナインの足取りにも重かった…。 川口コーチはこうも話していた。「(澤村は)自分で考えているところがいい」−−。好投が勝ち星に繋がらない点を反省し、創意工夫を続けているという。そう言われてみれば、前回登板(9月2日)よりも投球テンポが早かった。捕手からの返球を受けるなり、すぐにサインの交換に入る。投球の間合いを短くすることで味方野手にも守りやすいリズムができる。 この努力が報われる日もそう遠くないだろう。 ネット裏の解説者の1人は「勝敗のポイントは8回表の巨人の攻撃だった」という。澤村の犠打失敗の場面を指して、こう首を傾げていた。 「8回表、無死一塁で澤村に打順がまわってきたとき、代打を送るべきでした。だいたい、試合終盤に入った投手に犠打を決めろという方が無理。本人に自覚はなくても、投球の疲れで手首に力が入らないんです」 延長12回裏、最後の守備。新クローザー・久保裕也(31)が得点圏の二塁に走者を出す窮地を招いている。 原監督はマウンドに行き、久保と内野陣に二言三言伝えた。今季、原監督は投手コーチに差し置いてマウンドに行くことがあまりにも多い。巨人関係者によれば、「誰かを介すより、直接言った方が伝わると判断した」とのことだが、この場面での檄について批判的な解説者も多かった。わざわざ指揮官がマウンドに行くということは「一打サヨナラ負けのピンチ」をナインに植えつけ、むしろ逆効果だという。クローザーとして定着した久保に関しても、守っている野手は「監督に信頼されてないのかな?」と、疑心暗鬼になるそうだ。 試合後、原監督は笑みを浮かべながら久保たちを出迎えた。「よくやった!」ということなのだろうが、引き上げてきた巨人ナインは疲れ切った表情を見せていた。渡辺恒雄会長は再び「他にいない」と口にしており(5日)、「監督交代はない」と見て、まず間違いないだろう。 「この日は阿部を先発マスクから外し、代打出場だけでした。澤村との相性も問われています。でも、阿部がスタメンから外れた瞬間、巨人ナインにいつもと違う緊迫した空気が漂っていました」(球界関係者) 逆転優勝の可能性はまだ残されている。負け試合でもないのに、巨人ベンチに流れるこの重苦しい空気は一体、何なんだ!? (スポーツライター・飯山満)※原監督以下巨人関係者のコメントは共同通信社配信記事を参考にいたしました。
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スポーツ 2011年09月10日 17時59分
西田隆維のマラソン見聞録 第12話「体育協会のイベント」
僕は今、タレントの傍ら『日本体育協会・長距離指導員』、『NPO法人・知的障がい者が豊かに暮らせる会(スポーツ担当)』の仕事もしている。今回はその中で先日(9月1日、5日)、開催した『体育協会』でのイベントについて綴っていきたいと思う。 まず9月1日、群馬・安中榛名にある『松井田北中』で行った陸上教室についてレポートする。 当日は、残念なことに雨。グラウンドが使用できない事から体育館で開催した。参加生徒は1〜3年生で45名ほど。さすがに体育館では大規模なトレーニングは出来ないので、陸上長距離選手が実際におこなっている簡単な練習を実践してもらった。《その1》 まず5分走り、その後5分歩く。次は10分走って、10分歩く。それをこの1セットで終了。しばらく休憩。《その2》 今度は『ファルトレック』という練習。これは90秒強めに走り、90秒経過したら、90秒ジョギング。そして60秒強めに走り、60秒ジョギング。これをもう1セット。2セット終えたら、30秒強く走り30秒ジョギングを3セット。最後に15秒強く走り15秒ジョギングを4セット。これが1セットで合計2回セットおこなった。 練習後、簡単な講義をおこない、僕が競技について思う事を披露した。どういう事かと言うと−−。 「僕はマラソンが好きだからずっと続けられたのではありません。練習をやりたくない時はよくあったのです。ではなぜ続けられたのか−−。強くなりたかったからです。自分の中で頑張ろうと思ったからです。辛い日々の連続です。しかし、自分を信じて頑張ってきたのです。テレビのニュースで輝かしい結果が報じられていますが、実は全員、皆さんの英語や数学に対する思いと同じように、毎日が苦痛なのです。ですから、皆さんも“英語が嫌いだから”“数学は苦手だから”と言って、机の上から逃げないでください。人は千差万別、それぞれ違いはありますが、最後まで頑張れば必ず道は拓けます」 何人の生徒が理解したかは分からないが、その後は生徒たちと「彼氏」「彼女」の話など、フレンドリーに接する事が出来た。 続いて9月5日−−。千葉・木更津の『岩根小』での練習について。 9月1日もそうだが、僕の練習は大前提として「決して無理はさせない」「隣の人とおしゃべりが出来るペースで走らせる(強い練習以外は)」がベースになっている。 勿論、この日も前述が練習の“柱”。しかも相手は小学生だ。将来がある子を僕の指導で才能を潰す訳にはいかない。 この日は晴れたのでグラウンドを使用してのトレーニング。参加者は5年生65人。6年生63人の計128人。時間は9時30分から途中休憩を挟み11時15分までおこなった。《メニュー》 最初の15分、ペンギン歩き(かかと歩き=踵だけで歩行する事)。次の15分は歩きながら身体を左右にねじるストレッチだ。 それが終了したら5分走って5分歩く、3分走ったら3分歩く西田スタイルの練習。これを1セットおこなったら休憩を入れ、これまた前述の『ファルトレック』を実施した。 こちらは小学生なので最初の90秒を80秒に短縮してスタート。80秒強く走り80秒ジョギング。60秒強く走り60秒ジョギング。30秒強めに走り30秒ジョックを2セット。最後は15秒強く走り15秒ジョックを2セット。これを1セットのみおこなった。 しばらくの休憩。小学生は遠慮知らずというか、僕のプライベートをずけずけ突いてくる。「なんで結婚しないのですか〜」「今まで何人の人と付き合いましたか〜」…参った。ただ、これで彼ら彼女たちの気持ちをしっかりつかんだ。みんな楽しそうに僕にじゃれてくる。 最後に希望者を募り、僕と200メートルの勝負をおこなった。僕は10メートルのハンデをあげ210メートル走る事に。当初、僕は「相手は小学生だから」とナメていた訳だが、どうしてどうして。速い男子がいて、最終的には「勝てない」というアクシデントも発生したのだ。 情けない話だが僕が負けた事により、小学生たちは大変、満足したイベントになった事は確かだろう−−。<プロフィール>西田隆維【にしだ りゅうい】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ陸上長距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。09年2月、現役を引退、俳優に転向する。9月3日スタートのラジオ番組「週刊 西田隆維(りゅうい)」(FMたちかわ)のメーンパーソナリティ。
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スポーツ 2011年09月10日 17時59分
「隠し球」はいない!? 本番直前2カ月前 12球団ドラフト情報 オリックス編
球団名をバファローズと改めた04年のドラフト以降、1位指名のほとんどが戦力になっている。金子千尋(04年自由枠)、岡田貴弘(現・T-岡田/05年高校生D)、岸田護(同年大学生・社会人D)、小松聖(06年大学生・社会人D)、古川秀一(09年)、後藤駿太(2010年)。1位は即戦力、もしくは近年中に主力戦力になる逸材という獲り方であり、岡田彰布監督の就任以降は、木佐貫、寺原、朴賛浩など先発タイプの投手もトレードなどで補強してきた。この流れから察するに、1位候補は即戦力投手だろう。だが、チームの弱点は捕手であり、レギュラー野手陣を脅かす中堅、若手の出現が見られない。そんな停滞したチームの雰囲気を変えるためにも、投打ともに即戦力が欲しい。 ドラフトのキーマン・長村裕之編成部長が度々口にするのは「戦略としては、今後のチーム状態を見て判断することになるでしょう」なるコメント。意中の選手をライバル球団に悟られまいとしているのだろうが、「本命が二転三転している」との情報もある。 エース・金子千尋、近藤など主力投手が離脱していた前半戦は、即戦力の先発タイプに重点を置いていたそうだが、甲子園大会が始まったころ、「高校生を見終わってから」なるコメントもオリックス内部から出始めた。オリックスもビッグ3(藤岡貴裕=東洋大、菅野智之=東海大、野村祐輔=明治大)の視察にも熱心だった。彼らの入札・抽選に敗れたときは、将来性の高校生中心に切り換えるという意味だろうか。それとも、バランス良く、即戦力と高校生(将来性)の両方で行くのか…。関西圏には『外れ1位』ではもったいない社会人、大学生の逸材もいる。三菱重工神戸・守安玲緒投手と、大阪教育大・山本翔がスカウトの注目を集めている。 守安投手は2年前の富士大学時代もドラフト候補として名前が挙がっていた。53イニング連続無失点、リーグ新となる通算30勝など記録ラッシュで、社会人に進んでからはさらに評価が高まったようである。昨年夏のJABA北海道大会では救援登板するなり、いきなり自己最速に近い140キロ台後半を出した。すぐに肩が温まり、エンジン全開で投げられるタイプは、プロのリリーバーでもあまり多くない。また、山本投手は「4年生になって直球が速くなった」という。オリックスは『地の利』で、彼らに関する情報収集は終えている。 弱点の捕手を補うなら、小林誠司選手(同志社大)だろう。他球団との競合は避けられないので、即戦力投手枠ともなる「1、2位」のカードを1枚犠牲する覚悟も必要だ。オリックスが「チーム状況を見て」と繰り返すのは、岡田監督の意向が強く反映されるからでもある。T-岡田の前後を託せるクリーンアップ候補が急浮上してくるかもしれない。だとすれば、岡田監督の母校・早大後輩の渡邉侑也内野手だろうか…。(スポーツライター・飯山満)