首位・ソフトバンクとゲーム差こそ開いているが、2位をがっちりキープ。その功労者である梨田昌孝監督(58)とは再契約せず、新しい指揮官を招聘するという。梨田監督と衝突があったわけでもない。チーム関係者によれば、「次のステージに進む」そうだ。しかし、それ以上に驚かされたのは、選手に『指揮官交代』の動揺が全く感じられないこと。プロ野球界には過去、公式戦を残して解任、退団が露呈した監督も少なくない。その際、選手は「試合に集中したい」とは言いながらも、顔見知りの取材陣を捕まえ、「どうなってるの?」と“内情”を聞き出そうとする。
チームの指揮官が代われば、野球のスタイルも変わる。戦略が変われば、起用される選手も変わってくる。「気にしない」と言う方が無理なのである。
「03年、トレイ・ヒルマン監督がロイヤルズの『監督面談』を受けるため、日本シリーズ前に一時帰国しました。そういうこともあったので、選手にも“免疫”が出来ているのかもしれませんね。選手たちも『フロント主導のチーム』であることも承知していますし」(球界関係者)
しかし、こんな情報も聞かれた。梨田監督自身にも、契約任期を延長する意志がなかったらしい…。
「古巣・旧近鉄バファローズのルートから『将来の阪神監督候補』に挙げられたことを聞かされたようなんです」(前出・同)
阪神は真弓明信監督(58)に契約任期を全うさせる方向を固めた。序盤戦のもたつきで一時はファンの反感も買ったが、中盤戦以降、優勝戦線に復活させてみせた。一方、南信男・阪神球団社長はオリックスに転じた岡田彰布監督の『将来の帰還』も考えていたという。一部関西メディアにそれが露呈し、同社長は「南個人の意見。球団の総意ではない」と否定し、それ以上には発展しなかったが、阪神は「真弓監督との契約任期が終了する後のこと」も考え始めている。本格的な審議はこれからだが、これはこれで決して不思議な話ではない。当然、真弓監督の続投も選択肢の1つになるが、候補者の1人として、梨田監督の名前も挙げられたという。
「近鉄、阪神両電鉄の一部が直結し、友好な関係にあると聞いています。その経緯で旧近鉄バファローズの打撃コーチも務めた真弓監督の阪神指揮官となり、今、また同じ流れで梨田監督の名前も出てきたようです」(同)
梨田監督は日本ハムで指揮官としての評価を高めた。古巣・旧近鉄バファローズのあった関西圏で“帰還のラブコール”が起きたとしても、ラブコールが起きたとしても、決して不自然な話ではない。先の先の話ではあるが、梨田監督はマンザラでもないとか…。もし本当なら、日本ハム内部から聞かれてきた「次のステージに進む」の声は、梨田監督のことも指していたのかもしれない。