社会
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社会 2018年06月21日 14時00分
豊洲市場 開場4か月前なのに続出する“狭すぎ”問題
築地市場(東京都中央区)の移転により開場する豊洲市場(江東区)の観光拠点『千客万来施設』を巡って運営業者と東京都が揉めているが、ここへきて肝心の豊洲市場に建物の欠陥が次々に見つかり、市場関係者の間で不安の声が上がっている。 もともと2016年11月に開場が予定されていた豊洲市場は、土壌汚染対策が不十分として移転が延期され、その後も度々欠陥が浮上する混乱が続き、ようやく今年10月11日の開場が決定した。しかし、そこへ今度は“狭さ”の問題が出ているのだという。 '80年代に築地市場が老巧化したことで、一時は代替案も浮上した大型の大田市場(大田区)は開場から30年が経過しようとしているが、この10年間の流通業界の変化により、今では手狭と言われている。 「大型トラックによる輸送が増え、そこに荷物を移動させる台車が行き交うようになったことで、当初は十分だった道幅も狭くなってしまった。東京都の場合、大手の業者だけでなく、都内の個人経営の鮮魚や青果、飲食店まで買い出しに来る。豊洲市場の場合、ピーク時には狭すぎて身動きができなくなることが予想されるのです」(市場関係者) さらには、こんな問題も。 「建物の構造上、品物を運搬するフォークリフトやターレなどがコーナーを素早く回れない。また、豊洲は冷蔵庫からトラックに荷物を直接運び込むことを想定して設計されている。時間短縮のために業界の主流になっているウイング型のトラックを使用したいのですが、建物の屋根に引っかかるなど難題も多い」(業界紙記者) 結果、築地と比べ豊洲では、荷物の運搬に6倍の時間を要することが予想されているという。 「そうなると、構内のみならず周辺道路でも渋滞の発生が予想される。都は観光拠点より、これらの問題を先に解決すべきですよ」 またもや延期!?
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社会 2018年06月21日 12時40分
“産婦人科に入っていくJK、避妊具も付けずにアホか”現役有名教師、ツイッター発言が炎上
現役教師で教育者の佐山透氏が自身のツイッターで展開したある批判が、ネット上で騒動を巻き起こしている。 著書『いじめをやめさせる!―現役教師が本音で語る、現実的対処法』(草思社)や自身のブログ、ツイッターなどで、たびたび教育現場の問題を訴えてきた佐山氏だが、12日に自身のツイッターを更新し、「近所の困難校近くの産婦人科は時々制服を着たJKが入って行く」と、教育困難校の生徒らしき女子高生がたびたび産婦人科の診察を受けているとツイート。佐山氏はこれに「頭は良くなくとも下半身は人並み、いや随分先端を行っているが、避妊具も付けずにアホか!と言いたい」と付け加えつつ、「金八先生で中学生の出産を美化するような内容が放送されたが困るんだよね。あれではフリーセックスを奨励しているようなものだ」とつづった。 産婦人科の診察を受ける目的が妊娠に関することのみだと決めつけるようなこの物言いに、ネットユーザーは激しく反応。「婦人科は様々な女性特有の疾患を診るための診療科目です。偏見を拡散しないでください」「産婦人科は妊娠出産する女性だけが通うところではありません。婦人科系の病気があることを知らないんですか?」「生理痛がひどくて婦人科に行く人がいます。産婦人科=セックス関連だと思ってる辺りひどく無知で恥ずかしいですね」といった批判が集まっている。 産婦人科はその名前の通り、妊娠に関することだけを扱っているわけではなく、婦人科系の病気や検診も行っている。さらに、佐山氏がいっているであろう“中学生の妊娠・出産”が描かれた『3年B組金八先生 第1シリーズ』(TBS系)の放送は1979年で、現在の女子中学生がこぞって視聴しているとは考えにくく、教育者にも関わらず、その一方的な決めつけに疑問を抱くネットユーザーもいた。 佐山氏は寄せられた批判の声に応えつつ、その後も持論を展開。20日にも「産婦人科の意味の取り違え、制服を着て産婦人科に行く女子高生は皆妊娠中絶などと勝手に解釈されているみなさんへ。あなた方が勝手に解釈して拡散して人を悪者にしているだけですよね」「困難校では妊娠して産婦人科に行って下ろす生徒がいると言っているだけ」とツイート。 なぜその教育困難校で堕胎する生徒が存在することを知っているかについては言及していないものの、「中絶のこと以外には確かに疎いですが何故そのことをそれほど話題にするのでしょうか、誰でも知らないことはある。それを鬼の首を取ったみたいにぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ騒いで何でしょうかね?」とつづり、産婦人科が女性特有の疾患を扱っていることを知らなかったことなどを暗に認めていた。記事内の引用について佐山透公式ツイッターより https://twitter.com/biglalaguna
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社会 2018年06月21日 08時00分
たかが八ツ橋、されど八ツ橋 創業年巡り法廷バトルもマイナス効果だけ…
京都の銘菓『八ツ橋』は、観光客の40%が購入すると言われ、売り上げ規模も100億円を超す、京都を代表する和菓子の一つだ。 たかが八ツ橋、されど八ツ橋…この『八ツ橋』をめぐって、ある騒動が持ち上がっている。『八ツ橋』の老舗である「井筒八ッ橋本舗」が6月6日、同じく老舗の「聖護院八ッ橋総本店」に対し、創業を元禄2年(1689年)とする表示の使用禁止と、600万円の損害賠償を求める裁判を京都地裁に起こし、地元土産商店の話題をさらっている。 井筒側の主張によれば、聖護院は文献に記載がないにもかかわらず、自社の宣伝のために創業を元禄2年とし、京都で最初に『八ツ橋』を創ったかのように記載しており、この虚偽表示が不正競争防止法違反にあたり業界の信用を傷つけたというもの。井筒のグループオーナーである津田佐兵衛氏は記者会見で、「創業年がでたらめ。業界全体への影響が大きく、やめてもらいたい」と語気を強め、聖護院を痛烈に非難している。 京都市には『八ツ橋』の製造・販売会社が14社あるが、中でも井筒、聖護院の両社は、ともに代表する老舗として『八ツ橋』界を長らくリードしてきた。 「その関係に波風が立ったのは昨年5月。業界団体である京都八ツ橋商工業協同組合が聖護院に対し、根拠のない表示の中止を求め、京都簡裁に調停を申し立てたのです。この時は聖護院側の“民事紛争に該当しない”との訴えが認められ調停は不成立に終わったのですが、今回はそれに白黒をつけるべく起こされたとの見方が強い」(地元記者) 同組合関係者は、こう語っている。 「これまで共存共栄のええ関係でやってきたんやからと思うんやけど、事は『八ツ橋』の起源にも関係してくるから、放っといたら業界全体の信用にかかわる、そう言われたら、やはり見逃がすわけにはいかんでしょう」 ただし、そうした対立は、今に始まったことではないとの見方もある。 「6年前、聖護院の専務に、鈴鹿且久社長の一人娘で京都大学卒の鈴鹿可奈子氏が就任し、新製品の開発や洋菓子とのコラボなど、積極的な販売戦略を展開するようになった。“創業元禄2年”を打ち出したのも、その一つ。こうした改革の動きが、伝統を重んじるとされる井筒側の反発を買い、それまでの協調路線にヒビが入ったのではないか。そこへ、昨今の外国人観光客の急増が火をつけた。彼らは単純に歴史のある方を選ぶため、売り上げに直結しますからね」(同) いずれにせよ、この『八ツ橋』騒動が「ヤケッ八」や「八ツあたり」となってイメージを壊すことのないように願う。
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社会 2018年06月20日 08時00分
「安倍さんに引導を渡す」小泉進次郎氏 総裁選出馬への“本気”
自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長が、今秋の総裁選出馬の覚悟を決めたともっぱらだ。最近の金正恩氏に相当刺激を受けているらしい。いよいよ安倍政権倒閣に動き始めた。 「進次郎氏の動きは、せいぜい勉強会を開く程度までと思っていたが、どうやら違うらしい。本人も言っていたが米朝会談を見ていて、居ても立ってもいられなくなったというのが本音だろう」(自民党ベテラン議員) 確かに進次郎氏は、すでに今年4月の時点で、経済団体主催の会合に出席した際、北朝鮮の金正恩委員長について「すごく注目している」「同年代の彼が今、世界の地図を動かしている。こういった動きを見ている中で、日本の遅さ、そういったことに危機感を覚える」とまで語っている。 「さらにここへ来て、米朝首脳会談などでトランプ米大統領との駆け引きのテーブルにつく正恩氏の姿を見るにつけ、焦りを感じているようだ。以前は閣僚も党三役も未経験の中、まだ党内で雑巾がけをしてからと考えていた節があったが、今は違う」(進次郎氏周辺関係者) そうした中、進次郎氏の発言内容がますます過激になっている。加計学園の獣医学部新設を巡っては、6月10日、青森県三沢市で講演し、「一つのことに『おかしい』と言えなくなり、黙っていることに慣れてきたら終わりだ」と訴え、真相究明に取り組む姿勢を強調した。 「加計学園については党内で幕引きを図ろうとしていただけに、かなりの批判が出ているが、一方で内心は疑問を抱いている人が多い。進次郎氏はそうした議員の背中を押す発言を繰り出す一方で、自分にとっての敵、味方を判断しているのではないか」(自民党若手議員) さらに反安倍の姿勢は、先頃の新潟県知事選にも表れた。それまで重要な選挙では必ずと言っていいほど“人寄せパンダ”として応援に駆けつけていた進次郎氏だったが、原発再稼働の行方を左右する同知事選で、新潟入りの党の要請に抵抗し続けたという話があるのだ。 「自公推薦の花角英世氏が野党候補に競り勝ったことであまり目立ちはしなかったが、進次郎氏は結局、最後まで断り続けた。父の小泉純一郎元首相が野党側に立ったためとの話はあるものの、実際は安倍自民と距離を置き、総裁選出馬へ向け身動きを取りやすくすることが目的だったとも言われている」(同) 進次郎氏の一挙手一投足には全国民が注目している。彼が“次の一手”をどう指すか、自民党執行部も気が気ではない。
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社会 2018年06月19日 21時30分
芥川賞・直木賞、松尾スズキらがノミネート 他の賞と違い、なぜ年2回発表?
第159回芥川龍之介賞と直木三十五賞のノミネート作品が6月18日に発表された。芥川賞には劇作家の松尾スズキがノミネート、直木賞には芥川賞に四度ノミネートされた島本理生のノミネートが話題だ。 芥川賞、直木賞は数ある文学賞の中でもとりわけ注目度が高い。過去には、ピースの又吉直樹が『火花』お笑い芸人として史上初めて芥川賞を受賞している。 「芥川賞と直木賞は、文藝春秋内に事務所を持つ日本文学振興会によって主宰されています。実質的に文藝春秋の賞であり、受賞作は、芥川賞は『文藝春秋』、直木賞は『オール讀物』と同社の雑誌に掲載されます」(文芸ライター) そもそも両賞はなぜ年2回の発表なのだろうか。ほかの文学賞は年1回の発表が基本である。そこには文藝春秋を設立した菊池寛のアイデアがあるといわれる。 「これはあらゆる商売が落ち込む2月と8月を意識したといわれていますね。いわゆる“ニッパチ”と呼ばれるもので、2月は寒すぎ、8月は暑すぎて消費が落ち込むというものです。あるいは2月はうるう年以外は28日までしかなく、8月はお盆休みがあるため書店の営業日数が少なく、売上が落ち込むといった説もあります。ただ、これらは真偽が定かではなく、都市伝説の類ともいわれていますね。それでも菊池寛は『文藝春秋』を売る商売目的で賞を設立したのは確かでしょう」(前出・同) 1935年にはじまった芥川賞と直木賞は、戦時中の中断を挟み、戦後史とともに歩んできた。出版不況にあっても話題を提供し続けている両賞は、成功したプロモーション戦略としては元祖的な存在とも言えそうだ。
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社会 2018年06月19日 21時00分
「彼らも被害者意識を持ってる」テリー伊藤、北朝鮮擁護発言で炎上 マニアの過去も
6月15日に放送された『深層NEWS』(BS日テレ)におけるテリー伊藤の発言が炎上中だ。この日は米朝首脳会談を受けて、拉致問題をはじめとする日朝交渉の行方について意見が交わされた。そこでテリーは「日本は圧力しかかけていない。北朝鮮も我慢強い国なので簡単にはへこまない」「拉致問題で会いましょうって北朝鮮が会う訳ない。端から向こうが加害者で日本が被害者みたいな。彼ら自身も被害者意識を持ってる」といった発言を繰り返した。 この日の放送には、拉致被害者の横田めぐみさんの弟である横田拓也さんも同席しており、ネットでは「横田さんの前で言うことか」「テリーはまるで北朝鮮の代弁者だな」といった声が聞こえる。なぜテリーは北朝鮮擁護とも取れる発言を繰り返すのか。 「テリーさんのコメントは一貫して“逆張り”だといえます。過去には、矢口真里の不倫騒動に関しては『夫である中村昌也に甲斐性がなかったのではないか』、脱法ハーブ(危険ドラッグ)が問題となったときには『若い時はシンナーとかで遊ぶ時もある』といった発言を行っています。もともとテレビ演出家出身であり、あえて場を引っかき回すような発言をしているともいえるでしょう」(放送作家) さらに、テリー伊藤と北朝鮮に関しては浅からぬ縁もある。 「現在のように“核”や“拉致”問題が表面化する前の1980年代から北朝鮮に興味を持ち、書籍や軍服などのグッズを収集していたそうです。現在の北朝鮮に関する書籍は批判的な論調が大半ですが、テリーが収集していたのは同国を『地上の楽園』と絶賛するものがメインでした。これも“逆張り”といえるでしょう。さすがにテレビの企画では取り上げられなかったようで、訪問記として書籍『お笑い北朝鮮』(飛鳥新社)を1993年に上梓していますね」(前出・同) 変則的であるにせよ、テリー伊藤が「北朝鮮に詳しい」のは確かであろう。今後の発言にも注目が集まりそうだ。
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社会 2018年06月19日 18時10分
“鬼夫婦”をなぜ起訴できなかった? 5歳児虐待死事件の無念
どうして行政や周囲の大人は小さな命を救えなかったのか、やりきれない。東京都目黒区のマンションで両親の虐待により5歳女児が死亡した事件で、警視庁は6月8日、父親の船戸雄大容疑者(33)と、母親の優里容疑者(25)を、保護責任者遺棄致死の疑いで送検した。 「長女の結愛ちゃんの死亡が搬送先の病院で確認されたのが、今年3月2日。頭部や目の周囲に打撲痕があり脳内出血も確認され、死因は低栄養状態や免疫力低下で引き起こされた肺炎による敗血症。明らかに虐待死でした。体重も平均で20キロのところを12キロしかない状態だったのです」(社会部記者) これにより翌日、すでに雄大容疑者は傷害容疑で逮捕、起訴されている。 「夫婦はもともと、香川県善通寺市に住んでおり、一昨年12月には自宅近辺で唇から血を流し歩いている結愛ちゃんが保護され、いったんは児童相談所が保護していた。さらに昨年3月の寒い中、屋外に放置されている結愛ちゃんをパトロール中の警官が発見。この時も結愛ちゃんは、児童相談所が一定期間保護していたのです」(同) 優里容疑者は前夫との間に結愛ちゃんをもうけ、'15年に離婚。'16年4月に結愛ちゃんを連れ雄大容疑者と結婚した。そこへ'16年9月、夫婦の間に長男が生まれ、結愛ちゃんへの雄大容疑者の虐待が始まったとされる。 「雄大容疑者は香川県内にある大手冷凍食品会社に勤めシステム関係を担当し、リーダー的な存在だったという。周辺関係者によれば、当時は『家事を分担して妻を助けていかないと』などと、よく嬉しそうに家庭について話していたそうですが、実際はその裏で、娘への虐待を繰り返していた。事件を知った同僚たちは、雄大容疑者の二面性に驚いていたほどです」(地元記者) そうした香川での生活で、3度目の児童相談所の介入が近いことを察した雄大容疑者は、とんでもない行動に出る。 「他の土地への逃走を思いつき、今年1月に一家で目黒のマンションへ引っ越したのです。香川の施設から引き継いだ都の品川児童相談所も家庭を訪問したが、優里容疑者に頑なに拒まれたといいます」(児童相談所関係者) 香川では保護された際、2度とも傷害容疑で送検されたが、起訴までには至らなかった。こうした流れが、結果的に最悪の事態を招いたのだ。 生まれてから5年間、苦しさしか知らなかったであろう、結愛ちゃんが哀れだ。
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社会 2018年06月19日 12時20分
『報道ステーション』の大阪地震報道が大炎上 配慮のないインタビュー、最後は政権批判の材料に…
18日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日系)の内容に批判が集まり、炎上状態となっている。 番組は大阪地震の被害を詳しく報道。ヘリコプターを飛ばし、小学校で校庭に避難する児童の様子や、地震が原因と思われる火災、ブロック塀の倒壊、水道管破裂などの様子を淡々と放送する。 富川悠太キャスターも現地入りし、高槻市の様子をレポート。午後5時頃に被害住民の家に上がり込み、「水が出ない」「ガスの復旧に1週間程度かかる」などの様子を伝えた。 視聴者を唖然とさせたのが、地震によってブロック塀が崩れ、下敷きになった女児が亡くなった事件の報道。被害者の実名を報じたうえ、同級生の小学生に「亡くなってどう思うか」などが趣旨と思われるインタビューを行ったのだ。子供は絞り出すようにコメントしていたが、「なぜ子供にこんなことを聞くのか」と怒りの声があがる。 さらに午後8時半、避難所で「帰れなくなった」と不安な日々を過ごしていると思われる男性にインタビュー。また、「生中継」で高槻市の女児が亡くなった現場にて、富川キャスターがブロック塀を見て「鉄筋がない」「違法建築だった」などと糾弾する。 この様子に、「子供に『友達が亡くなってどういう気持ち?』と聞くのはありえない」「被災者にインタビューする神経がわからない」「富川アナはなぜ大阪に行ったのか」などと、怒りの声が噴出した。 そして、その怒りを増幅させたのがジャーナリストの後藤謙次氏。地震について聞かれると、「違和感を感じたのは(発言のまま)参議院の決算委員会が行われたこと」「被害が拡大しているときに政府がどうするのか。そこに思いが至っていない」と発言。 さらに、「早く政府が正確な情報をあげ、交通の情報を発信するというタイミングをこの予算委員会(発言のまま)が奪ってしまった。果たしてそれで良いのか。ちょうど3.11のときにも決算委員会があった。このときは菅(直人元総理)さんの政権でしたけども、中断されて直ちに官邸に全員集合した。大都市で起きた地震ですから、官邸に全員集合してですね、対応することも十分可能だったと思いますね」と、菅直人元総理の東日本大震災対応を称賛するかのような形で政府批判を展開したのだ。 また、小川彩佳アナも「国民の安心のためにもすぐに対応する姿勢を示して欲しい」と、政府を糾弾。この報道姿勢に、視聴者は「大阪地震を政府批判の材料にしている」「結局政府を批判したいだけだったのか?」「菅直人元総理の東日本大震災対応を称賛しているのか?」などと、怒りの声が噴出することに。 その怒りは凄まじく、放送中、「#報道ステーション」のハッシュタグがTwitterトレンドの上位に上がり、そのほとんどが報道姿勢について糾弾する内容。『報道ステーション』の伝えたかったことは、人々に受け入れられていない。この事実を、関係者はどう見ているのだろうか? テレビ朝日に限らず、阪神大震災、東日本大震災、熊本地震など、大きな災害が起こるたびにテレビ局による報道が問題になる。最近はメディア関係者による無神経な対応に、不満の声がネットを通じて明るみに出ているが、残念ながら今回も同じような事案が繰り返されている状況だ。 震災時に正確な情報を伝えるテレビやラジオの存在は、被災者にとって頼りになるものだが、過度な取材は現場を混乱させ、落ち込んだ人の気持ちを侮辱する。「視聴率欲しさ」にスクープを欲しがる行動は、慎むべきではないだろうか。
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社会 2018年06月19日 10時30分
米朝首脳会談 日本切り捨て最後の「トランプカード」
1950年1月、米国のディーン・アチソン国務長官は、アリューシャン-日本-沖縄-フィリピンを結ぶラインを共産主義からの防衛ラインと決め、韓国を除外した。この『アチソンライン』が、結果として北朝鮮南侵の呼び水となったのは歴史的な事実だ。 5カ月後の6月25日、暗号コード「暴風!」の命令一下、10万の朝鮮人民軍がソ連製T34戦車を先頭に38度線を越え、韓国に一気になだれ込んだ。朝鮮戦争は、韓国から米軍が引いたその間隙を突いた“電撃作戦”だったのだ。 「先の米朝会談では、朝鮮国連軍(実質米軍)と北朝鮮&中国の間で休戦状態にある朝鮮戦争('50〜'53年)の“終結”が重要議題の一つになっています。現在、朝鮮国連軍の司令部はソウルにあり、在韓米軍のブルックス司令官が同軍司令官を兼務しています。朝鮮戦争終結となれば朝鮮国連軍は撤退しなければなりませんが、現実に実動部隊は常駐しておらず実態はありません。ですから戦争終結は、トランプ大統領にも金正恩委員長にも受け入れやすい“歴史的偉業”として残るのです」(軍事アナリスト) ただし、CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)実現の見通しが立たないうちに朝鮮戦争の終結宣言を行えば、今後の非核化交渉で北朝鮮が在韓米軍撤退を求めた場合、その主張の根拠を与えることにならないかという懸念は残り、しかもアチソンラインがよみがえることになると“統一朝鮮”気分に浸る韓国はよしとして、日本のみならず米国、台湾にとっても取り返しのつかない事態に発展しかねない。 米朝会談を“成功”させるための北朝鮮の根回しに抜かりはない。北に融和的な韓国・文在寅政権という“理解者”と地政学的に北を支え続ける中国・習近平政権という“後ろ盾”との間で、わずか2カ月の間にそれぞれ二度にわたり首脳会談を行った。 その中韓は「朝鮮半島の非核化」で一致している。日米の「北朝鮮の非核化」とは似て非なるものだ。中国は在韓米軍の撤退を強く望んでいるが、韓国も腹の中ではこれに異存はない。 4月下旬、米国の外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』に驚くべき記事が掲載された。《北朝鮮と平和協定が締結されれば、在韓米軍の存在を正当化し続けることは難しい》――。寄稿したのは親北派の重鎮、韓国大統領府の文正仁統一外交安保特別補佐官だ。 「6月2日にシンガポールで講演したマティス米国防長官は、米朝会談で在韓米軍の問題が取り上げられることはないと強調しましたが、その一方で『北朝鮮による脅威が減少すれば、米韓の間でこの議題が浮上する可能性はある』と付け加えています。ということは北がこの問題を持ち出したことを暗に認めたことになります。中国が“統一朝鮮”と平和条約を締結することになれば、中国の太平洋進出という野望は一気に実現します。これは日米台にとって重大な危機です」(安全保障アナリスト) 米軍のいなくなった韓国本土には、朝鮮戦争時の北朝鮮軍ではなく、中国人民解放軍が南下してくる。韓国・済州島が中国の海空軍基地化する恐れを指摘する軍事専門家もいる。 「つまり38度線が対馬海峡まで南下してくるということです。そうなれば日本はフロントライン・ステート(最前線国家)になります。在韓米軍が撤退することにより、朝鮮戦争が休戦した'53年以来、日本が65年間も依拠してきた安全保障の基本構造は突き崩され、防衛態勢の変容を迫られることになるのです」(同) トランプ氏からはCVIDを主張してきたときのような勢いは感じられなくなった。なおかつ6月1日に正恩委員長の最側近、金英哲党副委員長とホワイトハウスで会談した後には「非核化を急がなくていい」とまで伝えている。 「第三者が把握できる北朝鮮の核保有数は、隠蔽しているものを含めた実際の数よりはるかに少ないのが実態でしょう。隠蔽された核を引きずり出せないという自信があるからこそ、北は米国と非核化を巡り堂々と協議し始めることができたのです。折しもシリアのアサド大統領が近く平壌を訪問するらしい。北のフェイクの可能性大ですが、核兵器をシリアに極秘輸送し保管するという闇取引をするゾ、という脅しかもしれません」(北朝鮮ウオッチャー) トランプ大統領が1987年に著した自伝には次の一節がある。 《大事な取引をする場合はトップを相手にしなければラチが明かない。その理由は、企業でトップでない者は皆ただの従業員にすぎないからだ》 トランプ大統領が非常識にも実務者協議をすっ飛ばし、いきなり正恩委員長との首脳会談に踏み切った背景には、重要な取引はトップダウン方式が最も効果的だというトランプ流のビジネス哲学が見え隠れする。正恩委員長と個人的な信頼関係さえ構築できれば、詳細は実務者レベルで詰められると安易に考えているフシが見られるのだ。 もしそうなら、米国を実務者協議に引きずり込み、小さな譲歩ごとに見返りを勝ち取っていく北朝鮮の術中にはまった公算が大きい。 北朝鮮が何らかの形で核・弾道ミサイルの放棄に応じるにせよ、在韓米軍の撤退は日本の安全保障を直撃する。トランプ大統領がぞんざいに切るカードが“日本切り捨て”ではないことを祈るばかりだ。
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社会 2018年06月18日 08時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 小渕恵三・千鶴子夫人(下)
のちの昭和天皇の病状が芳しくない中、竹下内閣官房長官の小渕恵三は緊張の日々をすごしたが、妻の千鶴子も同様の緊張を余儀なくされた。千鶴子は当時の心境を、のちに雑誌で次のように吐露している。 「陛下がご病気になられ、崩御されるまでの主人はまさに緊張の連続でした。都心から1時間以上かかる場所へは行くことができず、週末は帰宅しても(自宅は東京・北区)官邸から連絡がありしだい、すぐ出掛けて行かなくてはなりません。私も同様で選挙区の群馬以外はどこにも行かず、出掛けるのは主人の泊まっているホテルに着替えを持っていくくらいでした。2人とも相当ストレスが溜まりましたが、ああいうときに、あのようなお役目をいただいたことは、ありがたいことだと思っています」 崩御をもって「昭和」から「平成」への改元を発表した小渕官房長官は、国民から「平成長官」の異名を頂戴した。小渕といういささか地味な政治家が、初めて人口に膾炙されたときでもあった。 その後、竹下首相がリクルート事件に関与した責任を取って退陣、竹下は全幅の信頼をかける後継として小渕を指名、小渕は自民党内最大派閥の「力学」により、ライバルの梶山静六、小泉純一郎を押しのけて総裁選に勝利、首相に就任した。小渕は「冷めたピザ首相」との酷評に対し、「レンジに入れれば温まるものだ」と、なかなかのウイットで切り返したものであった。 しかし、20%台という“低空飛行”から出発した小渕政権は、自民党を離党して自由党を率いていた小沢一郎、さらには公明党を引き入れて「自自公」連立を組んで政権基盤の強化を策したが、政権運営は必ずしも思うに任せなかった。 折からの不況対策で「景気最優先」を掲げて積極財政政策を打ち出したが、広く知恵を集めるという調整をより重んじた持ち前の「ボトム・アップ」のリーダーシップも、結局は多くつくった有識者会議に「丸投げ」姿勢が問われ続けたのだった。 一方、野党や自由党、公明党の対策も「丸呑み」したことから「真空総理」ともヤユされたが、小渕は「譲るべきは譲り、貫くところは貫いている」とシタタカさを誇示もした。外交問題でも、時の中国の江沢民国家主席が強く求めた歴史認識には譲ることなく、従来の政治方針を貫いたものだった。 じつは、決断力はなかなかの人でもあったのである。 しかし、人生の舞台は、大方、暗転で幕となるようにできている。とくに、権力者のそれは、自ら望まない形で幕を下ろすケースが多い。小渕の場合も「低空飛行」からの出発から右肩上がりの支持率上昇のさなかに、それは起こった。 平成12年(2000年)4月、異論もある中、自ら「二千円札」発行を決断したように、あえて沖縄でのサミット(主要国首脳会議)も決めた。そのサミットの直前、小渕は父・小渕光平元代議士と同様の脳梗塞で倒れた。折から、自由党の小沢一郎代表と「自自公」連立の離脱問題を孕みながらの応酬のさなかであった。結局、意識の戻らぬまま、倒れて42日後、死去した。享年62、まだまだこれからの、若すぎる、惜しまれての死であった。 「オレは“ボキャ貧”だからな。ボキャブラリーが貧困だから、いい言葉がなかなか出て来ないのだ。『お疲れさま』の一言ですましている」と、生前の小渕は憶することなく口にしていたものだった。政権の実績は残念ながら20世紀から21世紀へ向けての「踊り場政権」にとどまったといえる。 小渕は生前、妻・千鶴子によくこう言っていた。「人の良いところだけを見るのが一番いいんだ」。小渕本人が生涯、実践したことでもあったと同時に、千鶴子もそれを守ったのである。「上州女」は、芯の強さで定評がある。いま小渕の後継となった娘の小渕優子代議士の後援者などから頼まれる色紙に、千鶴子は「明るさを見て、暗さを見ず」と書くことが多い。小渕の“遺言”を守る一方、自らの生き方の指針としているようでもある。 その娘、“忘れ形見”の娘・優子代議士は、一時は「政治とカネ」で躓いたが、こと永田町では完全復活を果たしている。かつての竹下派は額賀派となり、いま竹下元首相の実弟である竹下亘が、“復活”竹下派の新会長となっている。こんな囁きが、根強いのである。 「引退はしているが、かつて“参院のドン”と言われた青木幹雄・元参院議員会長は、いまでも新竹下派への強い影響力を持っている。青木と小渕恵三は“盟友”でもあった。その青木氏と竹下亘会長はツーカーの仲で、青木は亘氏のあとは優子代議士に派閥をと考えている。小渕の無念を晴らすために、優子代議士を派閥会長として“総理のイス”に押し上げたいというのが夢とされている」(竹下派担当記者) “母・千鶴子”の「明るさを見て、暗さを見ず」の色紙の枚数は、まだまだ増えそうである。=敬称略=(次号は、森喜朗・智恵子夫人)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。