もともと2016年11月に開場が予定されていた豊洲市場は、土壌汚染対策が不十分として移転が延期され、その後も度々欠陥が浮上する混乱が続き、ようやく今年10月11日の開場が決定した。しかし、そこへ今度は“狭さ”の問題が出ているのだという。
'80年代に築地市場が老巧化したことで、一時は代替案も浮上した大型の大田市場(大田区)は開場から30年が経過しようとしているが、この10年間の流通業界の変化により、今では手狭と言われている。
「大型トラックによる輸送が増え、そこに荷物を移動させる台車が行き交うようになったことで、当初は十分だった道幅も狭くなってしまった。東京都の場合、大手の業者だけでなく、都内の個人経営の鮮魚や青果、飲食店まで買い出しに来る。豊洲市場の場合、ピーク時には狭すぎて身動きができなくなることが予想されるのです」(市場関係者)
さらには、こんな問題も。
「建物の構造上、品物を運搬するフォークリフトやターレなどがコーナーを素早く回れない。また、豊洲は冷蔵庫からトラックに荷物を直接運び込むことを想定して設計されている。時間短縮のために業界の主流になっているウイング型のトラックを使用したいのですが、建物の屋根に引っかかるなど難題も多い」(業界紙記者)
結果、築地と比べ豊洲では、荷物の運搬に6倍の時間を要することが予想されているという。
「そうなると、構内のみならず周辺道路でも渋滞の発生が予想される。都は観光拠点より、これらの問題を先に解決すべきですよ」
またもや延期!?