社会
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社会 2015年03月02日 11時00分
『大塚家具』ドタバタお家騒動 父娘の骨肉バトル
「倍返しだ!」のセリフを地で行く企業内バトル−−。大手家具メーカーの大塚家具で父と娘が骨肉の争いを繰り広げている。大塚勝久会長(71)は桐ダンス職人から上場会社(ジャスダック)を作り上げた立志伝中の人物。一方、長女の久美子社長(46)は一橋大卒、旧富士銀行出身の実務派だ。 2009年に社長を継いだ久美子氏は、割安なライバル店舗『ニトリ』や『IKEA』などへの対抗のため、従来の会員制の手法を取りやめたとされる。しかし、昨年4月の消費税増税の影響もあり、売り上げは低迷。すると勝久会長は昨年7月、久美子社長を電撃解任。ところが、同社は'14年12月期決算で4億円の赤字(前期は8億円の黒字)を出した。 今度は久美子氏が、1月28日付で社長に復帰するやいなや実父に“引退勧告”を突きつけた。この人事に勝久会長が反発し、3月27日に開かれる株主総会に向け、久美子氏の社長退任を求める株主提案を提出。これに対する久美子社長率いる同社取締役会は、この提案を「企業価値と株主利益を毀損させる」と批判し、無視したのである。 「今後はプロキシーファイト(委任状争奪戦)になる可能性が大きいでしょう。持ち株比率は、勝久会長側が約20%。一方、久美子社長側は約10%と現状では負けています。プロキシーファイトの主人公といえば“ハゲタカファンド”が相場ですが、大塚家具の場合も同じ。とはいえ、父と娘のどちらに“理”があるかなんて、青い目の連中にとってはどうでもいい話。要は高配当を出してくれる方に付くわけですから、配当をつり上げるために父と娘を競わせ、キャスティングボートを握って、ひともうけしようと舌なめずりしていますよ」(兜町関係者) プロキシーファイトには“白馬の騎士”(調停役)が現れるケースも多いが、親子ゲンカの間に好んで分け入るナイトは、さすがにいないかもしれない。
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社会 2015年03月02日 10時00分
厳重警戒 日本で起こす「地下鉄テロ」の全容 イスラム国スパイ疑惑2人に接触(1)
「イスラム国との全面対決を強調する際は、日本人2人の拘束を含め、プラスとマイナス両方の材料を天秤にかけた。予想される全てのシナリオを机上に並べ、対処をシミュレートした」 政府高官は悪びれるどころか、むしろドヤ顔でこう話す。1月20日、イスラム過激派組織『イスラム国』による邦人2人の殺害予告に、世界が震え上がった。しかし、安倍晋三首相を筆頭にした官邸からすれば“想定の範囲内”だったというのだ。 確かに2人が殺害されるという結末を迎えても、マスコミ各社が調査した内閣支持率は、どれも落ち込むどころか上昇した。「断固としてテロ組織と対峙する」という姿勢を保ったことも、国際社会から評価された。このため、官邸内部には「一世一代のギャンブルに勝った」(首相側近議員)という高揚感が漂っているようだ。 コトが動き出したのは昨年11月。世間の注目が、衆議院の解散・総選挙の行方に集中していたころだった。 「米国は間違いなく、イスラム国との戦いを強くバックアップするよう求めてくる。尖閣諸島が中国に侵攻される事態に備え、米国に貸しを作っておきたい」 安倍首相は、別の政府高官にこんな指示を出した。有志の連合国によるイスラム国の壊滅戦に、日本の自衛隊が積極的に関わる口実と方法を見つけよ−−。極秘扱いのミッションは、ただちに官邸と外務省、防衛省に伝えられた。 「しかし、現実的に自衛隊を出動させて戦闘行動に加えるのは不可能です。何とかひねり出したのは、イスラム国にとって最大の資金源となっている原油の密輸を、自衛隊が米軍と共同で取り締まることくらいでした」(防衛省関係者) とはいえ、米軍はまだこの手の“兵糧攻め”に着手していない。返ってきた苦し紛れの回答をはねつけた安倍首相は、もともと年明けに予定していた中東歴訪を生かそうと思い付いた。 「当初の目玉は、中東和平に積極的な姿勢を世界にアピールすることでした。ヨルダンからイスラエルとパレスチナを結ぶ2本の橋は、日本の財政支援で架け替えられたのですが、おかげで経済・社会的な交流が進み、国際的にも高く評価されています。安倍首相は、わざわざヨルダンから橋を渡ってイスラエルに入り、橋の上から周辺を眺めるというパフォーマンスを計画していました。それを取りやめて、対イスラム国戦への金銭支援と受け取れるスピーチを決行したのです」(外務省関係者) このスピーチとは、1月17日にエジプトの首都カイロでぶちあげた「イスラム国と戦う周辺各国への支援」のこと。名指しで敵視するなど、イスラム国を批判するトーンをより一層激しくする一方で、非軍事の支援という色をところどころ薄めてみせた。 「安倍首相は2億ドルの支出を表明した部分で、あえて人道支援や難民支援という文言を切り離しました。このため『イスラム国と戦う国々に、軍の人材や施設を整えるための資金を提供する』とも読める内容になった。もちろん安倍首相からすれば、『支援金は軍事作戦に回しても一向に構わない』というメッセージを密かに潜り込ませたつもりでした。ところが、イスラム国も馬鹿ではないので簡単に気付いた。そして殺害予告に至ったわけです」(外務省幹部)
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社会 2015年03月01日 12時00分
イスラム国だけじゃない 世界の危険都市ワースト20(3)
15位の『キンシャサ』はコンゴ民主共和国の首都。その昔、プロボクサーのモハメド・アリが劇的な逆転KOを収めた“キンシャサの奇跡”で知られ、アフリカ有数の経済発展を遂げた都市だったが、'00年代半ば以降治安が大きく悪化。シェゲと呼ばれるストリートチルドレンがギャングとなって犯罪集団化。アフリカ屈指の危険都市として名高いナイロビやヨハネスブルグ以上とも謳われている。 16位の『シウダー・フアレス』は、メキシコ麻薬戦争を世界中に印象付けた街。'00年代後半には“戦争地帯を除く世界で最も危険な都市”と恐れられ、'09年には7600人が亡くなった。 「大半が麻薬グループによる犯行で、意識がある人間をチェーンソーで切断したり皮を剥いだり、残虐性はイスラム国顔負け。当時に比べて殺人事件は3分の1に減りましたが、それでも世界の上位に入る凶悪レベル」(前出・高島氏) なお、この街と同時期に殺人事件発生率世界1位を争っていたのが、17位南米ベネズエラの首都『カラカス』。郊外のほかに街の中心部にもスラム化した45階建ての高層ビルがあり、昔の香港・九龍城のように犯罪の温床になっている。 18位はアフリカ大陸最南端の『ケープタウン』。南アフリカの危険都市といえばヨハネスブルクが有名だったが、「'10年のサッカーW杯を機に治安が改善」したという。しかしケープタウンでは治安回復は見られず、ヨハネスブルグから無法者が移り住み、むしろ治安が悪化する一方だという。 19位はパナマ運河で有名な『パナマシティ』。タックスヘイブン(租税回避地)による買い物目当ての外国人観光客も多いが、彼らを狙った強盗などが日常茶飯事。タクシー乗車中に銃やライフルを持った武装強盗団に襲われることもあると、移動中も油断できない。 最後の20位、『ポートモレスビー』はパプアニューギニアの首都だが、「アジア・オセアニア地区で最も危険な街」として知られている。現地を訪れた日本人ビジネスマンによると、「タクシーから降りて、お店やホテルに入る5メートル足らずの間で強盗に遭ったケースをいくつも知っている」と、熱帯の国らしいのどかなイメージはない。 ここに挙がった都市は、警戒の強い首都やそれに準ずる街。平和な日本に住んでいると想像もつかないが、海外には生活のためには平気で人を殺す無法地帯が、現実にこれほど数多く存在するのだ。 仮に誘われたとしても、行ってはいけない。
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社会 2015年02月28日 15時30分
物乞いは違法!? 動画配信サイトで流した男が書類送検
物乞いが法に触れる行為であることを、どれほどの人が知っていただろうか? 香川県警生活環境課は2月24日、インターネット動画配信サイトを使って、物乞い(こじき)行為をしたとして、軽犯罪法違反の疑いで、無職の男(23=同県高松市)を書類送検した。 送検容疑は、1月6日午後5時半〜6時10分頃、同市浜ノ町のJR高松駅周辺で、パソコンを使って動画サイトに接続し、「僕お年玉もらってないと思う。高松駅周辺にいるので、お年玉をこのカップに入れてください」などと中継し、不特定多数の人に金品を乞うた疑い。 動画を見た視聴者が警察に通報し、県警のサイバーパトロールが動画を見て、場所と人物を特定した。 調べに対し、男は容疑を認めており、「お金をもらいたかった」と供述している。 軽犯罪法第1条22号では、「こじきをし、又はこじきをさせることを禁止し、違反者には拘留又は科料に処する」と規定してあり、物乞いはれっきとした犯罪なのだ。 これが違法であるならば、ホームレスの物乞いや、街頭での募金活動などはどうなる? との疑問も浮かぶ。 ただ、実際に処罰される例は極めてまれ。今回のケースは動画を配信するなど、その手法が悪質だったため、書類送検につながったようだ。 男はまだ23歳と、その気になれば、いくらでも仕事はある年齢で、パソコンも所有している。物乞いする暇があれば、「仕事を探せ!」と言いたくなる人も多いだろう。少なくとも、動画を見た人から共感は得られなかったようだ。(蔵元英二)*写真イメージ
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社会 2015年02月28日 13時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 表現の自由を守れ
2月9日に参議院議員会館で、元経産官僚の古賀茂明氏らが、「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」を発表した。一言でいうと、「言論の自由を守ろう」という主張だ。なぜ、そんな当たり前のことを発表しなければならないのかと思われるかもしれない。しかし、事態はとても深刻なのだ。 もちろん日本には、戦前の治安維持法のような法律があるわけではなく、検閲が行われているわけでもない。しかし、いま大手メディアに政権批判を自粛しようとする空気が広がって、批判的なことを言うとメディアから干されてしまうということが、現実に起きているのだ。 その典型が、古賀氏がテレ朝の『報道ステーション』で行った発言だ。古賀氏は、「安倍総理は、日本がイスラム国に対抗する有志連合の有力メンバーになりたかったのではないか」という見立てを示したのだ。 日本は法律の制約で、イスラム国を空爆するようなことはできない。だから、イスラム国と対決する周辺国への人道支援を行うことでイスラム国との対決姿勢を明確にする。支援表明をした時点で後藤さんが拘束されていることは知っていたが、身代金を支払うつもりは全くなかった。そんなことをすれば有志連合の中で孤立してしまうからだ。 こうした古賀氏の見立ては、菅官房長官が示した「イスラム国とは直接交渉をしていないし、身代金の検討をしたこともない」という政府見解とも合致する。 しかし、有志連合の中での地位を確保するために政府が後藤さんを見捨てたとも取れる古賀氏の発言は、懸命に努力を重ねる政府を冒涜する不謹慎な発言として、ネット上で大きな批判の対象となった。同時に、大手メディアも古賀氏を危険な思想の持ち主と判断するようになった。 実は古賀氏とは、私がシンクタンクに勤務していた時代に何年か一緒に仕事をした。古賀氏は経済産業省の中で、「10年に1人の逸材」と言われるほど切れ者で有名だった。実際、古賀氏の豊富な知識と経験、そして誰より高い洞察力は、余人をもって代えがたい。その古賀氏が、いま排除されようとしているのだ。 もちろん声明は、古賀氏のことだけを採り上げているのではない。政府を批判する評論家が、自粛の名のもとに次々に発言の機会を奪われている。 そのことに対する危機感は、ジャーナリストや作家、映画監督など、1200人もの人が賛同人に名を連ねたことからもわかる。 ただ、人数は多かったものの、テレビによく登場する御用学者の名前は、ほとんどみられない。つまり、大手メディアでは政府の茶坊主の発言しか聞けなくなっているというのが、悲しい現実なのだ。 私は憲法が保障した国民の権利の中で、表現の自由が最も大切だと思っている。多様な意見を聞かないと、国民が適切な判断をできなくなってしまうからだ。 幸いなことに『週刊実話』の編集部からは、私に何の圧力もかかってこない。ただ、このように自由に書けるメディアは、いまや絶滅危惧種になってしまった。だから、私は本欄をできるだけ長く書き続けたいと思う。本当のことを伝えることができる、とても大切なメディアだからだ。
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社会 2015年02月28日 12時00分
イスラム国だけじゃない 世界の危険都市ワースト20(2)
8位『サナア』は中東の最貧国イエメンの首都。400年前と変わらぬ街並みで、欧米では人気の旅行先だったが、'11年の「アラブの春」の影響で政権崩壊後は治安が急激に悪化。強盗などが多発しているほか、外国人を狙った身代金目的の誘拐が激増。アルカイダ系テロ組織がイエメンを拠点としており、テロの脅威にも絶えずさらされている。 9位はソマリアの首都『モガディシュ』。PKOの自衛隊派遣先の一つで'80年代初頭から内戦状態にあり、「今の暫定政権も影響力は極めて弱く、沿岸部では未だ海賊行為で生計を立てている村も多い。あまりの治安の悪さに支援団体ですら最近まで活動できなかったほど」(前出・高島氏)というから驚きだ。 10位もアラブの春以後、治安機能を著しく失ったリビアの首都『トリポリ』。独裁体制だったカダフィ政権崩壊後も治安は回復せず、昨秋には空港や石油貯蔵施設など要所を襲撃され、イスラム武装グループなど反政府組織に押されっ放し。シリアほどではないが今も大きな混乱が続いている。 そんな中、11位のメキシコ『アカプルコ』は、カンクンなどと並んで有名な同国のリゾート地。ハリウッド映画の舞台にもたびたびなっており、意外に思われる人も多いかもしれないが、10万人あたりの殺人事件発生率は142.9件('12年)と世界第2位。ここ数年はメキシコ麻薬抗争の新たな舞台の一つで、今は夏場のシーズンでも閑古鳥が鳴く状況だという。 リゾートという点では12位『レシフェ』も同じだが、ここもブラジル最凶都市との一面を持つ。ブラジル人の多くが『国内で最も治安の悪い街』に挙げており、実は凶悪事件の発生率はリオデジャネイロやサンパウロよりも高いのだ。 一方、13位の西アフリカに位置するシエラレオネの首都『フリータウン』は、凶悪事件やテロなど治安面ではなく別の意味で危険だ。 「昨年猛威を振るったエボラ出血熱の最流行地の一つで、現在もいまだ予断を許さない状況。病気の影響で街の治安が悪化したとの報告もある」(前出・高島氏) 14位の『ディストリト・セントラル』は、7位のサンペドロスラ同様ホンジュラスの主要都市。人口10万人あたり102件との高い殺人事件発生率もさることながら、強盗事件も日常茶飯事。
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社会 2015年02月27日 13時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第114回 「インフレ率」について正しく知ろう
日本銀行が「インフレ目標2%」の達成について、日に日に主張を後退させている。 1月21日に公表された日銀の展望レポート中間評価では、2015年度の消費者物価指数上昇率を1.0%とした。'14年10月の見通しでは1.7%だったため、大幅な下方修正である。 日本銀行は、黒田東彦日銀発足後「2年('15年4月まで)でインフレ目標達成」どころか、'15年中の2%達成も不可能と認めたに等しい。 事実上の、日銀の敗北宣言だ。岩田規久男副総裁らに主導された、 「日本銀行が2年間で2%のインフレ目標の達成をコミットメント(責任を伴う約束)し、量的緩和を実施することでデフレ脱却を実現する」 という、黒田日銀の基本路線は失敗に終わった。 何しろ、岩田副総裁の主張は「中央銀行のコミットメント」に重きを置いている。ボーダーラインが次々に引き下げられるのでは、もはや「コミットメント」でも何でもない。 なぜ、日本銀行の「コミットメント」戦略は失敗したのか。理由は明らかだ。 岩田副総裁を始め、「中央銀行のコミットメント」をやたら重視する人々は、インフレ率について正しく理解していない。 もちろん、表面上は理解しているのだろうが、「真の意味のインフレ率」についてはわかっていないとしか思えないのだ。 黒田日銀は、'13年3月末時点では146兆円だったマネタリーベース(日本銀行が発行した現金紙幣と日銀当座預金残高の合計)を、'15年1月末には278兆円にまで拡大した。2年弱で、何と130兆円強の「新たな日本円」を発行したわけである。 それにもかかわらず、我が国の消費者物価指数は、コアコアCPI(食料・エネルギーを除く消費者物価指数)で見ると、直近で対前年比0.1%の上昇に過ぎない。 なぜなのか。 インフレ率を理解していないといえば、日銀が国債を買い取ると聞くと、途端に、 「そんなことをするとハイパーインフレーションになる!」 と主張する人がいる。 ちなみに、ハイパーインフレーションの定義は年のインフレ率1万3000%だ。 そもそも、ハイパーインフレと口にする人は、定義を知っているのか? という疑問はさておき、「インフレ率」とは何か、是非とも真剣に考えて欲しいのだ。 インフレ率とは、社会に出回ったお金の量の変動率ではない。 「国民が働き、モノやサービスという付加価値を生み出した、その価格の変動」 が、インフレ率になる。 すなわち、国民が働いて生み出した付加価値ではない商品(土地、株式、為替、国債など)の値段が変動しようとも、インフレ率には直接的には何の影響も与えない。 「いや、日銀が国債を買い取り、マネタリーベースを拡大すれば、日本はハイパーインフレーションになるはずだ!」 などと思われた人は、日銀が2年弱で130兆円強の日本円を発行したのに、コアコアCPI上昇率がわずか0.1%という現実を、どのように説明するのか。 また、最近までのスイスは、対ユーロで「1ユーロ=1.2スイス・フラン」を維持するために為替介入を実施し、しかも、 「スイス国立銀行(中央銀行)がスイス・フランを発行し、ユーロを購入する為替介入を実施し、発行したスイス・フランをそのまま放置する」 といういわゆる非不胎化介入(為替介入の手法の一つ。自国通貨の放出、または吸収による通貨流通量の増加または減少を容認しつつ行う介入)を継続していた。 結果的に、スイスのマネタリーベースは何と「5倍強」に拡大したわけだが、同国の物価上昇率は、直近('14年11月)のデータで「ゼロ」である。 何しろ、中央銀行がそれまでの「5倍」のお金を発行したわけだ。インフレ率は1万3000%とまではいかずとも、2桁、3桁に達していないとおかしい、とインフレ率について「正しく理解していない」人は思うのではないか。 落ち着いて、考えてみて欲しい。インフレ率とは、「モノやサービスという付加価値の価格」の変動率なのだ。 中央銀行がどれだけ国債を買い取り(スイス国立銀行はユーロを買っていたわけだが)、マネタリーベースを拡大したところで、その時点では物価に何の影響も与えない。 例えば日本政府が、日銀により発行されたお金(例えば年に70兆円)を全て「モノやサービスの購入」として使えば、インフレ率は間違いなく上昇する。 さすがに70兆円も「政府のモノやサービスの購入(=需要)」が増えれば、日本経済はデフレギャップ(供給能力>需要)からインフレギャップ(需要>供給能力)に移行し、 「モノやサービスの需要に対し、生産が追い付かない。結果、物価が上がる」 という局面に入るだろう。 とはいえ、中央銀行が国債を買い取り、マネタリーベース、マネーストック(世の中に出回っているお金の総量)が拡大したとしても、お金が「モノやサービスの購入」に回らず、ひたすら株式市場、為替市場、土地取引、先物取引に投じられてしまうと、インフレ率はほとんど影響を受けないのだ。 とにかく、株式も為替も土地も先物も、国民が労働することで生産した付加価値(モノ・サービス)には該当しない。 無論、株価上昇や土地上昇が資産効果を発揮し、モノやサービスが買われた結果、インフレ率が上昇するという「間接効果」はあり得る。とはいえ、資産効果ならぬ「間接効果」がいくらなのか、この世の誰にもわからない。 いずれにせよ、中央銀行がお金を発行したとしても、モノやサービスが購入され、総需要が供給能力を上回るインフレギャップ状態にならない限り、継続的なインフレにはなりようがないのだ。 また、インフレになったとしても、1万3000%というハイパーインフレーションの定義を達成するためには、いったいどこまでインフレギャップを拡大すればいいのだろうか。 現在の日本銀行の首脳陣は、「ハイパーインフレ論者」同様に、 「インフレ率はお金の量で決まる」 と、間違った理解をしているとしか思えない。最終的なインフレ率はお金の量ではなく、「インフレギャップの規模」で決まる。 お金など、単なる物差しに過ぎないという事実を日銀や政府が理解しない限り、我が国がデフレから脱却する日は訪れないだろう。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2015年02月27日 12時00分
イスラム国だけじゃない 世界の危険都市ワースト20(1)
イスラム国から「テロの標的」と名指しされ、国内の警備を強化した日本。しかし、過去四半世紀の間に起きた組織的無差別テロといえば、'95年3月の地下鉄サリン事件が思い当たるくらいで、依然、凶悪事件の発生率は低く、東京は「世界の大都市の中で最も安全な街」と評価されている。 では、世界で治安が悪い街、常に命の危険にさらされている街はどこなのか? テロ危険度や殺人事件発生率などさまざまな角度から各都市の危険度を調査。ワースト20都市を発表する。 まずワースト1位は、シリア内戦の最激戦地の一つ『アレッポ』だ。'12年8月に日本人ジャーナリスト山本美香さんが殺害された同市はシリア第2の都市。中世の雰囲気を残す古い街並みは世界遺産に認定されていたが、市街戦の影響でかつての面影はない。 これまで世界50カ国以上を訪れたというフリーライターの高島昌俊氏によると「現在は政府軍と反政権派、イスラム国の3勢力乱れて戦闘が継続中。多数の市民が疎開したがいまだに暮らしている人も多く、内戦開始から同都市だけで数万人の犠牲者が出ているといわれている」と警鐘を鳴らす。 2位も同じくシリアの都市『ラッカ』。街を実効支配するイスラム国が首都に定めているが、彼らが身柄を拘束していたヨルダン人パイロットの処刑動画を2月上旬に公開したことでヨルダン軍が報復の空爆を開始。イギリスなど反イスラム国の各国も空爆に参加し、ラッカでは市民を含む多数の犠牲者が出ている模様だ。 続く3位はナイジェリア北東部の『バガ』。国際的にも無名に近い都市だが、今年1月上旬、ナイジェリア版タリバンと呼ばれているイスラムテロ組織「ボコ・ハラム」が同市を襲撃。わずか1週間で近隣の町や村と合わせて2000人以上の住民が同組織によって虐殺されている。亡くなった女性は子供も含めてその多くがレイプされており、さらに略奪などイスラム国に劣らずの非道ぶりだ。 4位『ガザ』はニュースや新聞でイスラエル軍による空爆や地上軍侵攻がたびたび取り上げられている。大勢のパレスチナ人が家族や住む場所を失い、長期間危険にさらされている。 「国際ボランティアも多い地域ですが、彼らですら命の危険にさらされているほど」(前出・高島氏) そして、5位は政府軍と親ロシア派の戦闘が続くウクライナの都市『ドネツク』。昨年7月のマレーシア航空機撃墜事件は記憶に新しく、上空を通過するにも大きな危険が伴う。また、戦闘には小規模な核兵器が使用された可能性も指摘されており、今月8日にキノコ雲を伴う大規模な爆発が起きた際には「核攻撃では?」との噂も広がっている。 6位にはイラクの首都『バグダッド』がランクイン。フセイン政権崩壊から11年が経ち、治安は回復傾向にあったが、「最近はイスラム国の犯行と見られるシーア派住民を狙った爆破テロが増えており、治安が再び悪化しつつある」という。 紛争地帯以外で最上位だったのは、7位の人口約75万人の中米ホンジュラス第2の都市『サンペドロスラ』。 「ギャングなど犯罪組織の力が強く、警察など治安機構が機能していない。戦場を除いた“最も世界で危険な街”」と、旅行者も立ち寄らないほどだ。 ちなみにこの街の人口10万人あたりの殺人事件発生率は169.3件('12年)と世界1位。これに対し日本はわずか0.3件。実に564倍もの開きがあり、信じ難い数字である。
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社会 2015年02月27日 11時45分
後藤浩輝騎手が自宅で自殺
後藤浩輝騎手(40)が27日未明、茨城県阿見町の自宅で首をつっているのが発見された。自殺とみられている。 同騎手は1992年に美浦の伊藤正徳厩舎所属として騎手デビュー。初騎乗は1992年3月1日。2014年4月27日の東京競馬第10競走で、ジャングルハヤテに騎乗していたが最後の直線で落馬。頸椎骨折の怪我を負い休養をしていたものの、競馬メディアでの仕事と並行しリハビリを続け11月22日に復帰し、24日の東京5レースでは復帰後初勝利を挙げていた。ただ、今月21日開催されたダイヤモンドステークスでも落馬。頸椎捻挫の診断を受けていた。 JRAの通算成績は1万2949戦1447勝。
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社会 2015年02月27日 11時45分
吉野家で客が店員の顔に牛カルビ丼を押しつける
大手牛丼チェーン「吉野家」で、客が男性店員(41)の顔に、運ばれてきた牛カルビ丼を押しつけるという前代未聞の珍事件が起きた。 事件の舞台となったのは、「吉野家・五合橋線尾浜店」(兵庫県尼崎市尾浜町1丁目)で、2月23日午前1時45分頃、同市内の塗装業の男(36)が友人2人とともに来店。男は牛カルビ丼大盛りとみそ汁を注文した。 店員が注文された物を運んできたところ、突如、男が牛カルビ丼を店員の顔に押しつけたのだ。男は自分が注文したみそ汁が、友人の前に出されたのに腹を立てたという。男は「みそ汁は俺のや!」と言うと、右手で店員の肩をつかんで押さえ、左手に持った牛カルビ丼を約10秒間、店員の顔に押しつけた。 店員は110番通報し、駆け付けた県警尼崎北署員が暴行容疑で男を現行犯逮捕した。当初、男は「やっていない」と否認したが、店員の顔には牛カルビ丼のたれが付着し、防犯カメラにも犯行の様子が映っていた。店員にケガはなかった。 当時、酒に酔っていた男は逮捕後、冷静になると、容疑を認め、「店員の態度が気に入らなかった」と供述している。 酒に酔った勢いとはいえ、その犯行動機はあまりにも短絡的なもので、とても36歳の大人がやることではない。確かに店員にも非はあるかもしれないが、たかだか、みそ汁を出す客を間違えた程度のことで、こんな目に遭わされたのでは、たまったものではない。 牛丼屋の店員も、楽なものではない!(蔵元英二)*写真イメージ
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