社会
-
社会 2015年09月16日 10時00分
フォルクスワーゲンとの“離婚”もつかの間 スズキに忍び寄るM&Aの影
スズキがついに独フォルクスワーゲン(VW)との“協議離婚”にこぎ着けた。両社は2009年12月に資本・業務提携したが、VWが決算書でスズキを「財務・経営面で重大な影響を及ぼし得る会社」、すなわち事実上の“持分子会社”と記載したことにスズキが猛反発、提携解消を求めて'11年11月に国際仲裁裁判所へ仲裁を申し立てた。裁判は長期化したが、8月30日に両社の提携の解消を認める判断が下った。スズキの実質勝訴である。 その発表会見で鈴木修会長(85)は「喉の小骨が取れてスッキリした」と満面に笑みを浮かべ、もし敗訴すれば同社株の19.9%を保有するVWの軍門に下りかねない事態もあったことを踏まえ、外資との提携はこりごりとばかり「今後は独自路線を貫く」と強調した。 しかし、市場筋はハイブリッド(HV)や電気自動車(EV)技術でトヨタ、日産などに見劣るスズキが単独で生き残るのは厳しいとの見立てで一致する。そもそもスズキがVWと提携したのは「VWから環境技術の供与を期待した」(関係者)からに他ならない。 それまでのスズキは米GMと資本・業務提携し、最先端の環境技術を導入することで販売面の強化やインド市場の開拓にまい進してきた。ところが経営危機に陥ったGMが'08年に提携を解消、17年間に及ぶ蜜月関係に終止符が打たれた。孤立を恐れたスズキが急きょVWに擦り寄ったのが翌'09年のことだ。 「鈴木会長は解消会見で『技術者が努力した結果、VWとの提携で期待したほとんどのことができた』と胸を張ったのですが、8月末に発売した小型ワゴン車『ソリオ』にしても簡易なHV車で、技術的にはまだトヨタ、ホンダに及ばない。新興国でも燃費規制が強まっており、新たなパートナーが見つからなければ野垂れ死にする。口では勇ましく独自路線を唱える鈴木会長だって、いずれ立ち行かなくなることを承知しています」(業界関係者) その場合、野心家が甘い言葉を並べて急接近すれば“第2のVW”騒動に発展しかねない。そんな事態を回避すべく、逆に独自路線を死守すればどうなるかも自ずと明らかだ。 スズキのリスクは、これだけにとどまらない。同社は6月30日、社長兼任だった鈴木修氏が会長専任となり、長男の俊宏副社長(56)が社長に就任した。親子間の相続は既定路線だったとはいえ、ワンマンで知られる父親の修会長は最高経営責任者(CEO)を兼務するため、経営体制は基本的には変わらない。 「まだ若葉マーク付きの御曹司は控えめな性格とあって、確かに敵は少ない。しかし、強烈なカリスマ性を発揮する父親とは対照的なだけに、経営トップとしてどこまでリーダーシップを発揮できるかとなると疑問符が付く。修会長が目配りを怠らないとはいえ、85歳の年齢からいって“後見人”として目を光らせることができるのは、せいぜい1、2年でしょう。逆に言うと、それまでにオヤジ依存から脱却できなければ、スズキの経営はダッチロール化する。密かに食指を動かしているライバル企業が、そのチャンスを見逃すはずがありません」(担当記者) もう一つ、悩ましいのが株の問題だ。国際仲裁裁判所の決定を受け、スズキはVWが保有する19.9%の自社株を買い戻す。時価換算で約4600億円。同社の手元資金は約1兆円あり、資金的には余裕があるとはいえ、問題は買い戻した自社株の扱いだ。全てを自己保有株として持ち続ける方法もあるが、「株価アップを期待する株主が反発するのは必至。一部を償却するにしても、新たな提携先に割り当てた方が効果的」と大手証券マンは“次の展開”に期待を膨らませる。 背景にあるのが、物言う株主として知られる米投資ファンド、サード・ポイントの存在だ。同ファンドを率いるダニエル・ローブCEOは8月初め、投資家に向けた書簡で同社の株主になった旨を明かしている。まだ関東財務局に株式の大量保有報告書を提出していないことから保有比率は5%未満(一説では1%未満)と憶測されるが、ソニーやファナックに揺さぶりをかけ、本国でも有数の“強面”として恐れられている同ファンドがスズキに狙いを定めたこと自体「ポストVWをにらんでのこと」(情報筋)と見られている。 「ローブCEOの嗅覚はハンパじゃない。スズキが業界再編の台風の目になるとの確信があったから買い出動した。御老体の引退が秒読みで御曹司が若葉マークを引きずっている。彼の血が騒ぐわけです」(前出・大手証券マン) 水面下ではフィアット、トヨタ、GMなどが次の提携相手として取り沙汰されている。しかし、業界再編には関係者の欲と打算が複雑に絡むだけに、意外な急展開もありそうだ。
-
社会 2015年09月15日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 なぜ維新は分裂したのか
8月27日、維新の党の最高顧問である橋下徹大阪市長と顧問の松井一郎大阪府知事が、突然の離党表明を行った。きっかけは、維新の党の柿沢未途幹事長が8月14日に、山形市長選に立候補を予定している梅津庸成氏を応援するために山形市入りしたことだった。梅津氏は、民主・共産・生活・社民が推薦するリベラル系の候補だ。その候補を幹事長が応援することに橋下・松井氏を中心とする維新の党の大阪組が強く反発したのだ。 大阪組は、この件で柿沢幹事長の辞任を求めたが、柿沢氏は拒否、松野頼久代表も柿沢氏の擁護に回ったため、党内に大きな亀裂が走ることになった。 騒動は、橋下氏から送られてきたメールが両院議員懇談会で読み上げられ、いったんは収まったかに見えた。メールには、以下の4点が示されていた。(1)柿沢幹事長は辞任しない、(2)公開討論会は開催しない、(3)今、党が割れるようなことはしない、(4)橋下市長と松井知事は、維新の党を離れて大阪、関西の地方政治に集中する。 党の分裂は、橋下氏と松井氏が国政から身を引くことで回避されたようにみえたのだが、翌日、橋下氏は、大阪維新の会の仲間とともに国政政党を立ち上げると宣言し、東京組に宣戦布告をした。 なぜ大阪組と東京組がここまで深刻な対立をしているのか。新聞報道では、“野党連携を模索する東京組と与党との連携を目指す大阪組”という解説になっている。それはそうなのだが、本質的な対立は、ハト派の東京組とタカ派の大阪組の対立だ。維新の党は、行革、小さな政府を追求するという路線では一枚岩だが、安全保障観では真逆の議員が同じ船に乗っているのだ。 民主党や社民党などのリベラル派と安全保障観が近い東京組に対して、大阪組は安倍総理の考えに近い。 だから、今回の分裂騒動に官邸が一枚かんでいる可能性は十分あると、私は考えている。安倍総理はすでに安全保障関連法案を成立させた後を睨んでいる。それは、自らの任期中の憲法9条改正だ。憲法改正には3分の2以上の国会議員の賛成が必要で、そのためには維新の党の協力がどうしても必要になる。ところが、いまの維新の党は、松野・柿沢という東京組、つまり平和主義のグループが支配しているから、とても協力は得られない。 だったら、国民に人気のある橋下氏をスピンアウトさせ、来年の参議院選挙で一定の勢力を確保してもらいたい。参議院選挙に新党で臨むためには、いろいろと準備をしなければならないことが多いから、いまが橋下離脱のギリギリのタイミングだったのではないか。柿沢幹事長への激しい非難は、分裂を正当化するための茶番だったのではないだろうか。 いずれにしても、橋下氏は12月に政界を引退すると宣言し、今回は、党を守るために身を退くと言いながら、最後に国政政党の立ち上げ宣言だ。そうまでして政権にすり寄りたい理由は、権力が欲しいからとしか思えない。憲法改正が実現したら、橋下新党は自民党に吸収されるだろう。そして憲法改正に大きな貢献をした橋下氏は、重要ポストを与えられ、やがて最高指導者になるかもしれない。彼の大好きな“独裁”が手に入るのだ。
-
社会 2015年09月15日 10時00分
東芝問題で日本郵政次期社長に浮上する元“影の首相”
今秋に上場予定の日本郵政の次期社長に、不適切会計処理事件で揺れる東芝の相談役も務める西室泰三氏に代わり、元財務事務次官の勝栄二郎氏の名が急浮上している。 西室氏は'96年から'00年まで東芝の社長を務め、'05年まで会長に君臨。相談役に退いた後も、トップ人事にかかわったとされる。さらに'12年末に自民党が政権奪取後、菅義偉官房長官に日本郵政社長として担ぎ出された。今年2月には、8月14日に発表された「戦後70年談話」に関する有識者会議『21世紀構想懇談会』の座長にも指名されている。 経済誌記者が言う。 「西室氏は“財界総理”になるために郵政上場後も社長を続けるつもりのようですが、相談役を務める東芝の不適切会計処理事件で責任を追及されるのは時間の問題。事件後、東芝の歴代3社長が7月21日付で辞任する一方、西室氏は日本郵政にほとんど出社せず、東芝本社に顔を出しているようですが、“昵懇の仲”とされた安倍首相と菅官房長官に見放されたと言われています」 そこで郵政次期社長の最有力候補とされるのが、勝栄二郎氏だ。 「現在、電気通信事業者『インターネットイニシアティブ』の社長を務める勝氏は、野田佳彦内閣時代に“影の首相”と呼ばれるほどのやり手でしたが、'12年に財務事務次官を退官。同年に現在の会社の特別顧問を務め、翌年には社長に就任している。加えて、'14年に読売新聞東京本社の監査役、ANAホールディングスの経営諮問委員会委員にも就任するなど人望も厚い。日本郵政の次期社長にはうってつけの人材です」(経済ジャーナリスト) 東芝は有価証券報告書の提出期間を8月31日から9月7日まで再延長し、もし間に合わなければ上場廃止の危機にまで追い込まれた状況だ。 「それだけに、辞任した3社長を支えて来た西室氏の責任は重い。1日も早く東芝の相談役と郵政の社長の座を退いて欲しいという、東芝社員からの切実な声が挙がっています」(同) 郵政上場までもつか…。
-
-
社会 2015年09月14日 13時16分
墓石代はどうやって決まるの?
お墓を購入する際に必要な費用は、永代使用料(土地代)+墓石工事費です。そのうち、永代使用料は明瞭にされていますが、墓石工事費はハッキリしないように思われがちです。 それはなぜなのか? 墓石工事費は墓石、彫刻費用、施工・工事費によって構成されるため、お墓ごとに料金が変わってくるため、一口にいえない事情があるからです。 単純に墓石だけでも、石材の種類、石を使用する量、石材加工費によって料金が変わってきます。 石には国産、外国産を含め数多くの種類がありますが、有名なブランド石はやはり高くなります。また、一般的には石の目が細かく、密度の濃い黒い石は高価です。 石材加工費は、単純な場合は安いのですが、細かく特殊機材を使用する場合は高くなってしまいます。 彫刻費用は、石材の種類、彫刻方法、彫りの深さと削る量によって料金が変わります。石材の種類には硬度の高いものと低いものがあり、当然硬い石ほど削る時間や職人の技量が必要なため、必然的に料金が高くなるわけです。彫りが深い場合も同様で、削る量が増えれば料金も上がってしまいます。 施工・工事費は、石の種類、区画の大きさ、建てる場所の立地条件によって変化します。石は種類によって、同じ大きさでも重い石とそれほど重くない石があります。人間が作業するわけですから、重い石を使い、かつ大きな区画になると、時間も人手も必要となり、料金も高くなります。 また、墓石には和型、洋型があり、ともにさまざまな形式があり、オリジナルにデザインしたオーダーメイドのものを作ることも可能であるため、最近は多種多様で、選択肢も広がっています。 墓石工事費はこういったさまざまな要素で決まるため、一口で言えない事情があり、一般的に分かりづらいと思われてしまいがちです。 都内の某石材店によると、「確かに一般的に墓石代は分かりづらい面があります。希望を伝えた上で、見積もりを取って、最終的に契約、施工する信頼できる石材店を、お客様ご自身で選択するのが良いでしょう」と話す。 墓石代は、おおむね100〜300万円くらい。平均すると150万円くらいといわれています。決して小さな出費ではありません。霊園によっては、石材店を指定している場合もあるようですが、慎重に選択したいものです。(山本 生道)
-
社会 2015年09月12日 16時00分
達人政治家の処世の極意 第十六回「大平正芳」
大言壮語、言い訳はしない。国民も政治に甘い幻想、過大な期待を持たないでほしい。 政治家という人種は、ある種、夢を振りまく仕事だけに、大なり小なり国民に耳障りのいいことを言う。要するに、できもしないくせにデカイことを言うのである。結果、それが首相なら政権末期には“約束反故”がたたり、支持率がボロボロになって退陣を余儀なくされるという例が少なくない。そうした政治姿勢と対岸を成したのが、この大平正芳元首相であった。表記の言葉は首相就任直後の初の記者会見で述べたもので、政権スタートにして国民にバラ色の期待を与えることをしなかった。その意味では、「異質な首相」ということでもあった。 大平は旧制高校時代にキリスト教の洗礼を受け、古今東西の哲学、宗教などにも精通した碩学の文人肌の人であった。語り口もタテ板に水とはまったく逆の、ゆっくりした中にしばしば「アー」とか「ウー」の“一言”が入る味わいのあるそれで、寡黙で柔和なたたずまいもあって、その重心の低さも手伝い信頼を集めた。「アーウー首相」「鈍牛宰相」などとも言われた。 その政治手法はとにかく人気取りとは一線を画し、常に一歩引いて構えた。大蔵省出身の池田勇人が首相に就任したとき、その人柄と人物を評価した同じ大蔵省後輩の大平を首相秘書官に抜擢しようとしたが、大平は三拝九拝「私ではとても務まりません」と固辞、困った池田は「ナニもやらなくていいから、オレのそばに居てくれ」と、それでも強引に秘書官に決めてしまったものだった。 田中角栄元首相も、大平の人柄と人物を評価した一人であった。人物への信頼感の一方で、気が合ったのである。福田赳夫(のちの首相)と大平が実質的に争った昭和53年暮れの自民党総裁選では、大平勝利のために「アイツは政治家にあらずの宗教家だからオレたちが動くしかない」と「田中軍団」を総動員。結果、大平を首相の座に担ぎ上げた。しかし、その後の昭和54年1月、大平首相は今日の消費税の“原点”である「一般消費税」導入を閣議決定した。これに対して、先の総裁選で敗れた福田赳夫を先頭に三木武夫、中曽根康弘らが反発、自民党内を二分した主流、反主流派の「40日抗争」に発展した。やがて、この自民党内の様相を見た社会党が大平内閣不信任案を提出。自民党内の反主流派がこれに乗って不信任案は可決し、大平は内閣総辞職を選ばず衆院の解散を決定したのだった。このときの大平の言葉が、「オレに辞めろというのは、死ねということか」であった。 通例、こうした場合、首相の座にある者は強気に前へ出ず、追い詰められた言葉を発することはあり得なかったものである。 こうして見ると、大平の生き方、政治のトップリーダーとしての姿勢は、常に「歩溜り」を低く設定するというのが分かる。歩溜りとは経済用語で、一般的には使用した原材料の量に対してどれだけ製品を生み出したかの比率を指す。「歩溜りがいい」とは、少ない元手でどれだけ儲けを出したかという効率の良さを言う。大平のそれは、もとより全力で事に当たるのが必ずしも国民皆さんの期待通りの結果が出るとは限りませんよ、という“低めの設定”の歩溜り政治ということだった。 衆院の解散を選択したその大平は、田中角栄の「絶対勝てる」との進言を受け入れ、折から迫っていた参院選との史上初の「衆参同日(ダブル)選」を断行した。結果、田中の予言通り自民党は衆参ともに圧勝したが、大平はその選挙戦のさなか急性心不全を発して無念の死を遂げたのだった。 大平内閣の1年半は、内政は政権抗争にもまれ続けたことで準備を重ねた政策はほとんど実行に移せなかったが、外交ではイラク戦争で米国への攻撃説得を試み、国際情勢の行方を綿密に分析した上で国益を模索し続けたという点で、勇気と冷静さに満ちていたと言えた。ちなみに、大平の「アー」「ウー」を抜いてみると、実に理路整然とした論旨になっていたのである。 大言壮語とは無縁だった大平のリーダーシップは、強い信念の一方で突き詰めて言えば一歩引いた人柄、人から愛された中で発揮された。どんな組織のリーダーでも、こうしたタイプに成功例が少なくないのである。=敬称略=■大平正芳=第68、69代内閣総理大臣。内閣官房長官(第21、22代)、外務大臣(第92、93、100、101代)、通商産業大臣(第31代)、大蔵大臣(第79、80代)などを歴任。いわゆる「三角大福」のうちの一人。小林吉弥(こばやしきちや) 永田町取材歴46年のベテラン政治評論家。この間、佐藤栄作内閣以降の大物議員に多数接触する一方、抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書多数。
-
-
社会 2015年09月11日 16時00分
金正恩亡命か 北朝鮮で起きている軍部蹶起の暗殺クーデター
昼夜を問わず、1機の偵察衛星から北朝鮮・金正恩第一書記の一挙手一投足が米情報機関に送られている。その能力は、祖父の金日成に似せた整形手術の痕跡まで見逃さないほど精密だ。 先ごろ、その“目”が北朝鮮東部・元山の海辺に位置する第一書記の豪華別邸近くに完成したプライベート滑走路の姿を捉えた。2014年5月から建設を始めたもので、長さは550メートル、幅は18メートル。軽飛行機専用の施設とみられる。 「現在、この場所から8キロ離れた葛麻半島に、1日数千人の乗降客をさばく規模の『元山国際空港』を建設中です。にもかかわらず正恩が専用滑走路を建設したのは、有事の際の“亡命用”に他なりません。何しろ直近の3年間、正恩は複数回、暗殺もしくはクーデター危機に直面していますから」(北朝鮮ウオッチャー) '13年には自身の叔父である張成沢・元国防副委員長を、今年4月には玄永哲・人民武力相を、重火器を使い遺体をバラバラにするという残忍さで処刑。その間、政権周辺では、叔母の金慶姫の懐刀、金慶玉第一副部長など最大70人が粛清されている。 「失政の代償を払わされたわけで、くすぶる党の張派、軍の玄派それぞれに『殺られる前に殺る…』の動きがあるのです」(同) '12年11月3日早朝、第一書記が現地を視察する予定だった平壌市内の3カ所の建設現場で、外国製機関銃が隠されているのが発見された。また、'13年5月に平壌の女性交通警察官が英雄称号を受けたと報じられたが、この一件も暗殺絡みだ。 「正恩の車に大型車が突っ込もうとした事件を、この女性警察官が防いだといわれています。こうした不穏な情勢に対し、'12年5月以降、官邸、別荘、専用施設30カ所に装甲車など100台が配置されました」(同) 金正恩第一書記が最も恐れているのは、このような北朝鮮の“動き”を逐一監視している米国ではなく、むしろ中国の習近平国家主席だという。中国は正恩の異母兄、正男氏を保護しており、いつでもクビの“すげ替え”ができる準備を整えているからだ。 「北朝鮮と中国は朝鮮戦争以来、密接な相互依存の関係といわれてきましたが、習主席は正恩が張を粛清したことなどを『クソガキのバカが』と酷評するほど毛嫌いしています。また、北朝鮮の射程500キロのミサイル(日本には届かない)は、対北朝鮮を主任務とする瀋陽軍管区を標的にしている。このように公然と中国を脅す行為に対し、習主席は怒り心頭なのです」(公安筋) 中国は軍トップだった江沢民派の徐才厚と郭伯雄が失脚したため、習主席は軍から疎まれ、反腐敗キャンペーンもあって官僚からも不満が噴出しているという。 「追い詰められた習主席が起死回生のヒットを飛ばすとすれば、正恩の暗殺か、金王朝にとどめを刺す戦争を仕掛けることしかないのです」(前出・ウオッチャー) 米中、そして獅子身中の虫たち−。金正恩第一書記が逆さ吊りにされる日が迫っているのだろうか。
-
社会 2015年09月11日 10時00分
維新の党分裂 橋下・松井「新党」で悲願の安倍自民合流(3)
ところで現在の安倍政権を支える大きな要素は、何といっても景気の維持で、それが支持率をも支えている。今年度後半から来年の景気に関して、経済アナリストがこう言う。 「今は中国経済の不安定で日本の株価も乱高下して安定せず、アベノミクスも賞味期限切れすると言われている。しかし5年後の東京五輪を控え、日本の景気は絶好調にならないまでも、どしゃ降りの状況にはならないでしょう。やはり庶民は景気の安定が第一。そのため、安倍内閣の支持率は極端にガタ落ちする可能性は低いと見ています」 つまり来年の参院選時、景気も支持率もそこそこの状況。そこで菅官房長官周辺関係者はこう指摘する。 「支持率がダダ滑りしていなければ、安倍さんは“憲法改正”を争点に衆参ダブル選挙に打って出る可能性が高い。そうなった場合、橋下氏は新党代表で衆院選挙での出馬となると思います」 仮に、自民党に2014年暮れの選挙のような大勝ではなく多少の陰りが見え、今の衆院での290議席から数十議席マイナスになったとしても、参院ともども憲法改正に積極的な橋下新党が大きく躍進すれば、憲法改正の国会発議、国民投票が現実味を帯びてくるというのだ。 「支持団体の創価学会で安保法制案に慎重な意見が出ている公明党が、憲法改正になびけば問題はないが、公明が割れる、もしくは反対にまわる可能性もある。しかし、橋下新党が立ち上がれば衆参での躍進は必至で、憲法改正の可能性は大きく広がると思われます」(同) そして最後に、先の大阪維新関係者は断言する。 「景気が良ければ、それはそれで良し。しかし悪くなったとしても、そういう時こそ乱世の政治家、橋下徹はますます世論に求められるでしょう。大阪都構想の住民投票敗北時、『政治家は僕の人生で終了です』と述べたが、橋下氏は生まれ変わって、今度はテッペンを目指す。四段ロケットの“プラス一段”は、安倍首相との2人だけの約束と言われ、そこには“ポスト安倍”に関する内容もチラついている」 その最終着地点へ向け、まずは橋下氏悲願の自民連立政権樹立へ一歩大きく動き出したようだ。加えて、こんな話も聞こえてくる。 「橋下氏には今回の離党で、すでに自民党が来年参院選に直接出馬要請したという情報さえある」(自民党事情通) 山口組と阪神タイガース同様、関西が熱い。
-
社会 2015年09月10日 16時00分
メッキ案も浮上“100歳「銀杯制度」はムダ”に賛否両論
100歳を迎えたお年寄りに厚生労働省がお祝いとして贈っている純銀製の『銀杯』が“ムダ”と指摘され、賛否が渦巻いている。 「きんは100歳、ぎんも100歳」。1991年に数え年で100歳を迎え、当時の愛知県知事と名古屋市長から長寿の祝いを受けたことがきっかけで全国的に有名になった双子姉妹「きんさん、ぎんさん」にも銀杯は贈られた。事業の方は「100歳の長寿を祝い、国民が高齢者の福祉についての関心と理解を深めること」を目的に'63年度から始まっている。 発足当時は100歳以上の高齢者も含む153人に首相のお祝い状と『木杯』が贈られたが、その数年後、現在の『銀杯』に変更された。ただ制度発足から半世紀が経ち、世界一の長寿大国になった日本のお年寄りは、2014年度には2万9357人にまで増えた。 おめでたいことには違いないが、予算も'14年度2億7000万円に上り、先ごろ行われた各省庁の予算の無駄を外部有識者がチェックする行政事業レビューから「抜本的な改善が必要」と指摘された。厚労省からではなく、有識者に言わせる相変わらずの“お手盛り行政”丸出しだが、待ってましたとばかりに概算要求額は約1億5000万円と半額に値切ったのだ。 「銀杯は銀相場にもよりますが、約7000円〜8000円。毎年3月時点で100歳の高齢者をピックアップし、直近の存命率などのデータを加味した上で予算を決める。対象者の死亡で見積もり贈呈数が少なくなることも多いのですが、裏面にその年の『老人の日の年月日』を刻印するため、余っても翌年以降に持ち越せません。予算削減で銀メッキにする案も浮上しています」(厚労省担当記者) 「100歳超えの祝いがムダ? それを言っちゃあおしめえよ」と寅さんならタンカを切るに違いない。長寿を銀杯で祝うというお上にしては上出来の行為も「カネがない」の一言でメッキが剥がれてしまった。
-
社会 2015年09月10日 10時00分
維新の党分裂 橋下・松井「新党」で悲願の安倍自民合流(2)
その第一段が、橋下・松井両氏の緊急離党。第二段は、「橋下氏はブレすぎ」と疑問視されている部分だ。つまり、10月1日告示、11月1日投票の「維新の党」代表選で橋下派が代表をもぎとろうというシナリオだったという。 次の代表選は国会議員51人、地方議員320人、党員約9000人が、それぞれ1票を持ち投票される予定だった。そこには、告示から投開票まで大キャンペーンを張り全国的に盛り上げることで、11月22日投開票の大阪府知事、大阪市長選挙のダブル選挙でも有利につなげたい思惑もあったという。 「実は、橋下氏が維新の党の大阪系国会議員に『僕と松井知事が離党しても、離党しないように』とメール送信したのは、代表選挙で勝利の目算があったから。というのも、国会議員は橋下大阪系が10数人、それに対し松野・江田連合派は40人近くで、国会だけでは勝ち目はない。ところが地方議員と党員となると、地方議員が320人中200人、党員もそれに比例して7割は橋下大阪系。つまり、今度の代表選挙は橋下系が勝利する可能性が強かったのです」(全国紙野党担当記者) ならばなぜ、わざわざ国政政党『大阪維新』を結成する必要があったのか。 別の維新関係者が言う。 「そこが橋下氏の喧嘩上手な政治家として、実に巧みなところです。仮に代表を奪っても、勢力的に非大阪系が強い流れは変わらない。だから、非大阪系のなびき方を見つつ、カリスマリーダー2人が抜けて今の維新のイメージを弱くし、国政新党設立をブチ上げ話題をさらうことで、さらに維新の議員を大阪系になびかせる。すでに今回の柿沢氏のミスで、非大阪系でも片山虎之助参院会長や下地幹郎財務局長らも公然と柿沢批判をし、空気が微妙に変わっていますからね」 8月29日、大阪系の議員に向け、維新の党の代表選が告示される10月1日に新党結成の表明をぶつけ、同20日頃まで参加議員を募る考えを示したとされる橋下氏。この“踏み絵”も、すでに維新の党議員のなびき具合を読んだ自信の表れというわけだ。 さらに続く今後の第三段は、大阪府知事選、大阪市長選でのシナリオだ。 「府知事選には松井氏を擁立、市長選には元大阪市議出身で弁護士の吉村洋文衆院議員を擁立する方向で調整している。さらに、橋下氏らは府知事、市長選ともども再び『大阪都構想』を公約に掲げる。国政政党『大阪維新』を掲げるのは、東京や神奈川などから、元みんなの党や結の党関係者が入党して原点がボヤケたものを、再度“大阪のために頑張る”と明確にさせ、ダブル選挙を盛り上げていきたい考えからでしょう。自民党では大阪市議団の柳本顕幹事長を市長候補者として擁立すると見られますが、そこは6月の安倍・菅両氏との会談で『いずれ連立を組むのだからお好きなように』とお墨付きを得ていると聞いています。その証拠に、松井氏は離党直前の8月25日夜、急きょ上京し、懇意の菅官房長官と会談。最後のシナリオの打ち合わせをしたと見られていますからね」(大阪市議会維新関係者) そして第四段は、橋下氏の国政出馬だ。政界関係者はこう断言する。 「安倍首相との6月の会談で橋下氏は、国政への出馬を要請されている。対し橋下氏は、“大阪市長選、府知事選を勝った上で”と言葉を濁したが、否定はしなかったといいます。つまり、新党が立ち上がり橋下氏が代表となれば、再度、橋下旋風が巻き上がり大阪を制する。その勢いで来年夏の参院選で橋下氏が出馬すれば、橋下新党は大量得票、大量議席獲得となる」
-
-
社会 2015年09月09日 16時00分
またか! チューハイ・ワインも標的 庶民泣かせの酒税見直し大改悪浮上
庶民のささやかな楽しみが“狙い撃ち”されている。酒税額が異なるビール、発泡酒、第3のビールの税率を一本化する税制改正案がすでに浮上しているが、これをチューハイ、ハイボール、ワインなどに拡大するというのだ。早ければ年内に決まる2016年度の税制改正で正式に決定する。 現在の酒税額は1缶(350ミリリットル)当たり、ビール77円、発泡酒47円、第3のビール28円。その分、小売価格はビールが高く、発泡酒、第3のビールの順に安くなる。これを政府は「税の公平化」を理由に、55円程度で統一する計画だ。 ところが、消費税10%引き上げが先送りされたこともあって、政府・与党では「税の公平化」をチューハイやハイボールにも適用すべきとの声が強まってきた。どちらも酒税額は第3のビールと同じ350ミリリットル当たり28円。これを一気に55円まで引き上げれば「消費者離れを考慮しても約400億円の税収増が見込める」との試算さえある。 標的はワインにも及ぶ。税額は1リットル当たり80円。対して日本酒は120円と割高のため、ビール類の税額見直しに併せて日本酒と同額にする案が浮上している。 こうした動きに業界関係者は「スンナリ行くわけがない」と冷ややかだ。ビール類の市場は10年連続で前年実績を下回っており、今年1〜6月の出荷量はピーク時に比べ25%も減少している。そこへ税制改正の荒療治を断行すれば、消費者はもちろん関係業界がそろって「政府に弓を引く」というのだ。 「ビール会社は消費者のビール離れが進んでいることに危機感を募らせ、チューハイやハイボールを“次の柱”と位置付けている。割安感から女性や若者に受けているからです。それが税制改正のターゲットとなれば、ファン層が逃げ出す。かといって、割安感が出るビールに殺到する保証はない。税額を55円に一本化したら業界の地盤沈下が急加速します」 無能な政治家や暇を持て余す役人の整理もせず、取りやすいところから取ってばかりの政府。庶民の怒りは爆発寸前だ。
-
社会
都知事選 石原氏満員電車でGO!
2007年03月23日 15時00分
-
社会
都知事選きょう告示、石原氏ら第一声
2007年03月22日 15時00分
-
社会
桜金造都知事選正式表明
2007年03月20日 15時00分
-
社会
都知事選 黒川氏が石原知事をホリエモン呼ばわり
2007年03月19日 15時00分
-
社会
ホリエモン実刑
2007年03月16日 15時00分
-
社会
丸山弁護士東京都知事選出馬へ
2007年03月09日 15時00分
-
社会
石原カジノ構想消滅!?浅野氏に“追い風”吹く
2007年03月07日 15時00分
-
社会
上層部スタッフが告発 NOVA 怪文書
2007年02月21日 15時00分
特集
-
あかつ、アメリカ・アポロシアターでの「動きで笑わせるネタ」は世界にも テレビに年数回でも出られる自分は「持ってる」
芸能
2025年10月03日 12時00分
-
TKO・木下、篠宮との一件を明かす 目標は「タイと日本のハブ」 挑戦に対する厳しい声には「どうでもいい」
芸能
2025年09月26日 18時00分
-
-
元ボーイフレンド・宮川英二、最大の挫折は「M-1グランプリ」 セカンドキャリアは、芸人やお笑いサークルの学生の就職支援 芸人の給料も赤裸々に語る
芸能
2025年09月18日 17時00分
-
岡平健治「19」解散は「お金の問題じゃない」 岩瀬敬吾、地元に戻るのを「止められてよかった」 今後はバラエティーで「ポンコツっぷりを見て笑ってほしい」
芸能
2025年08月05日 23時00分
-
misono、家族について「マジで気持ち悪い家族」 「⼦ども⾃然にできると思っていたけど……」と不妊治療の再開、明かす
芸能
2025年09月16日 11時00分